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【日本三大都市】「首都」東京・「天下の台所」大阪・「天下の作業場」はどこ?

  • 2023.2.17

東京・大阪に続き、「日本三大都市」に数えられるのはどこでしょうか? 今回は一般的に日本三大都市といわれる「東京」「大阪」「名古屋」が発展した歴史的背景と、それぞれの特徴を紹介します。これらを知ることで、次に三大都市を訪れた際、これまでとは異なる印象を抱くかもしれません。興味を引かれる観光スポットが変わる可能性も!

 

 

日本三大都市は定義によって異なる

人口や産業、経済の集積状況で定義すれば、東京、大阪に続くのは間違いなく名古屋です。しかし、人口だけで見ると横浜市が全国で2位、名古屋市が4位になります(東京都区部が1位、大阪市が3位)。

徳川家康が江戸幕府を開いてから発展し続けている「東京」

東京は1603年に徳川家康がこの地に幕府を開いたことが始まりです。当時は、皇居を中心に山手線の内側の大きさ程度の面積しかありませんでした。1868年に明治維新が起こり、新政府は最もインフラが整備されていた江戸を改称して首都「東京府」としました。初期の東京府は今の23区とほぼ同じ大きさだったそうです。

その後、区画の移り変わりや人口増加により、急激に都市化が進み、現在では1,400万人が暮らす世界有数の大都市に。総面積は2,194平方kmで全国で3番目に小さいにもかかわらず、人口が集中しています。また、行政区域は特別区の23区と、26市5町8村からなり、伊豆諸島や小笠原諸島も東京都に属しているのがユニークな点です。

また、首都になってから150余年の歴史を持つ東京には、ヨーロッパのカットガラスの技法を取り入れた「江戸切子(えどきりこ)」、武具の一部として発展し、日本の四季を反映した季節の色が美しい「東京くみひも」、高度な縫製技法を取り入れた「東京洋傘」といった伝統工芸があります。

加えて、東京のランドマークにも変化が。かつてのランドマークは浅草公園に建てられた 12階建て高さ52mの展望塔「浅草凌雲閣(あさくさりょううんかく)」でした。当時は、日本で最も高い建築物だったのです。しかし、1923年の関東大震災により半壊して解体されました。それから約100年の時を経て、634mの高さを誇る「東京スカイツリー」が誕生。新しい東京のシンボルとして国内外から多くの人が訪れる、人気の観光スポットになっています。

日本で初めて都城が置かれた、世界都市のひとつ「大阪」

大阪の歴史は非常に古く、1万年以上も前からこの地に人類が住み、生活を営んでいたことが明らかになっています。5世紀頃には、朝鮮半島などからもたらされた大陸の文化が広がり、大阪が日本の政治・文化の中心に。7世紀になると、都は近隣の奈良や京都に移ったものの、中国の都にならった都城が日本で初めて大阪に置かれました。文化や通商の玄関口として繁栄し続けたのです。

さらに、16世紀の終わりに、豊臣秀吉が天下統一を果たし大阪(当時の名称は「大坂」)を本拠地とし、大阪城を築城して、日本の政治・経済の中心地となりました。

その後、徳川家が実権を握り、政治の中心は東京へ。ですが、大阪は国の経済や物流をとりしきる場所「天下の台所」として重要な役割を担っていました。この時代に、広く町民を中心とした文化が成熟。懐徳堂や適塾といった私塾による学問も根付き、大阪ならではの開放的な気風や旺盛な企業家精神が育まれたと考えられています。

そして、第二次世界大戦から復興を遂げた大阪は、商業の都として、流通、貿易、工業の分野で大きな役割を果たし、現在は、人・物・情報が交流する世界都市のひとつになりました。

また、大阪といえば「食い倒れ」。大阪の郷土料理として有名な「粉もん」と呼ばれる、うどん、たこ焼き、お好み焼きなど、おいしい料理が盛りだくさんです。ちなみに、今や国際語となった「うま味」のもとは、日本固有の「だし」にあります。この「だし」は大阪で生まれました。

三英傑や世界のトップメーカーを輩出した「名古屋」

日本のほぼ中央に位置する名古屋は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑のほか、戦国から江戸期に活躍した戦国武将を多数輩出しました。家康の命によって整備された名古屋城と城下町は、尾張藩歴代藩主の治世により、現在の名古屋の礎になっています。

明治時代には、名古屋駅が開業。鉄道駅と街を結ぶ幹線道路などのインフラが整ったほか、名古屋港の開港によって輸出産業都市への基盤ができました。1920年には、都市計画法が施行。これにより、名古屋駅と港を結ぶ中川運河などを中心とした工業地帯が広がる産業都市として発展していきます。

1945年の終戦時には、街のシンボルだった名古屋城天守閣のほか、城下・熱田といった当時の市域の約4分の1を焼失。その後、高度経済成長期を機に、従来の工業中心の都市から、名古屋大都市圏の中枢機能、流通・サービス機能を担う第3次産業中心の都市へと転換しました。現在も名古屋は、世界のトップメーカーを輩出した「天下の作業場」として有名です。

そんな幾多の歴史を紡ぎ続けてきた名古屋は、産業観光スポットが豊富。「世界のトヨタ」になるまでの歴史がわかる「トヨタ産業技術記念館」、ノリタケ・ボーンチャイナの製造過程を見学できる「ノリタケの森」、ホーロー鍋「バーミキュラ」の魅力や世界観を伝える「バーミキュラビレッジ」などが点在しています。

加えて、名古屋めしも大人気! みそかつ、手羽先、ひつまぶしといった名古屋やその近郊で愛されている独自の料理が目白押しです。

[All photos by Shutterstock.com]

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