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開幕1カ月を切ったのに…WBC韓国代表監督が「継投策の白紙撤回」を宣言、いったいなぜ?

  • 2023.2.16

「無理はしないことにした」

白紙スタートだ。エントリー構成時は先発と中継ぎを区分しない変則的な継投策を考慮したが、正攻法で進める方針を固めた。

すなわち、キム・グァンヒョン(34、SSGランダース)、ヤン・ヒョンジョン(34、KIAタイガース)、ク・チャンモ(26、NCダイノス)、コ・ヨンピョ(31、KTウィズ)、パク・セウン(27、ロッテ・ジャイアンツ)、ウォン・テイン(22、サムスン・ライオンズ)、ソ・ヒョンジュン(21、KTウィズ)、クァク・ビン(23、斗山ベアーズ)ら先発陣の活躍が絶対的に必要だ。

開幕まで1カ月を切ったWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、韓国代表が“役職破壊”なしに正常通りマウンドを運営することで決めた。

選手も不安吐露「負担になる」

 

米アリゾナ州ツーソンのキノスポーツコンプレックスで行われた代表練習初日の2月16日(日本時間)、チームの指揮を執るイ・ガンチョル監督は継投策について次のように語った。

「昨日コーチたちと相談したが、変則には慎重になろうと思う。無理はしないことにした。やったことないのを急にやらせるのは難しい」

当初、イ監督は先発投手が1回から登板するのではなく、試合中盤に登板して2~3イニングを消化する絵を描いていた。投球数の制限があることを考慮し、強い球威を持つ投手が1~2回で機先制圧に乗り出し、その後経験豊富なキム・グァンヒョン、ヤン・ヒョンジョンが中盤の責任を負う青写真を描いていたのだ。

状況によっては、コ・ウソク(24)やチョン・チョルウォン(23)などのリリーフ陣が試合序盤に登板し、その後本来の先発がマウンドに立つ変則的な運営で、失点を最小限に抑えて試合を終えるという構想だった。

しかし、変則的な継投策による“逆効果”も考慮しなければならなかった。

キム・グァンヒョンは代表招集初日の15日、報道陣に対し「これまで選手生活の大半を先発で過ごしてきた。(変則的な継投策が)少し負担になるのも事実だ」と、慣れないリリーフ登板に対する自身の率直な考えを明かした。

イ監督もまた、「普通、先発は遠投をしてマウンドに立つ。しかし、我々はドーム球場で本大会を戦う。先発投手が中間で出ればウォーミングアップも容易ではない」と話す。

そのため、イ監督は正攻法を選んだ。投手たちがこれまで受け持ってきた役職に合わせてWBCを準備するということだ。

指揮官は「ひとまず投手のコンディションを引き上げることに集中する。調子が良ければ先発陣は先発を務め、中継ぎは試合中盤に投入する。アリゾナで練習して実戦を重ねながら、コンディションをしっかりチェックする」とし、変則的な継投策の放棄を事実上公式化した。

結局、WBC本番の成否は先発投手が左右することになる見通しだ。

韓国代表が2013年大会、2017年大会で失敗したのも、先発対決で押されたためだった。オランダやイスラエルと試合序盤から相手に主導権を奪われた挙句、試合を覆すことができなかった。相手打者を圧倒する先発投手がおらず、打者も相手の先発投手に力なく退いた。

逆に、結果を残した2006年大会、2009年大会では確固たる先発投手がいた。2006年大会ではソ・ジェウン(45、引退)がエースの役割を果たし、2009年大会ではポン・ジュングン(42、引退)、リュ・ヒョンジン(35、トロント・ブルージェイズ)、ユン・ソクミン(36、引退)が先発陣をけん引した。

2009年WBCでのキム・グァンヒョン

2023年WBCの成否も先発陣にかかっているといっても過言ではない。誰かがエースの役割をしっかり果たしてこそ、好成績を収めることができる。

韓国代表は招集2日目の17日に実戦に突入する。NCダイノスと7イニング制の練習試合を行い、試合では7人の投手が1イニングずつを投げる。アウトカウントに関係なく、イニングあたりの投球数を20~25球と設定し、これを超えたらイニングが終了する。

登板投手はすでに確定した。キム・グァンヒョン(34、SSGランダース)、コ・ヨンピョ(31、KTウィズ)、チョン・チョルウォン(23、斗山ベアーズ)、ウォン・テイン(22、サムスン・ライオンズ)、チョン・ウヨン(23、LGツインズ)、イ・ウィリ(20、KIAタイガース)、コ・ウソク(24、LGツインズ)が各1イニングずつを消化する計画だ。

イ監督は韓国プロ野球KBOリーグと異なるWBC規定も大きな変数になり得ることを強調した。今回のWBCでは、イニング開始時に登板した投手は打者3人以上を相手にしなければならない。9回まで同点の場合は延長10課に突入するが、メジャーリーグと同じく無死二塁から始まる。

「投手が打者3人を無条件に相手することが最大の変数だと思う。登板しても四球を3回やれば終わってしまうのではないか。そのため、制球が少し足りない投手は一死、あるいは二死で登板させる計画だ」というイ監督は、「延長もかなり難しい。表が攻撃より裏が攻撃の方が確実に有利だろう。延長に行く場合はラインナップを考慮して動く。それでも一応、バントはある程度しなければならない」と、規定に合わせて戦略を立て、トレーニングを進める方針を明らかにした。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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