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友だちを叩いたりものを壊した!現役保育士が明かす親がやりがちなNG行動と子どもを伸ばす叱り方は?

  • 2023.2.16

保育士の中田馨さんが、子どもがお友だちを叩いてしまったり、ものを壊してしまった時の対応について教えてくれました。「どうしてお友だちを叩いてしまうの…」「なぜうちの子はこんなに乱暴なの?」と悩んでいるパパやママもいるかもしれませんね。中田先生が子どもの行動や心理について詳しくお話してくれています。ぜひ参考にしてくださいね。

こんにちは。保育士の中田馨です。子育ては「楽しい!」「嬉しい!」「すごい!」と思うことも多いですが、「あれ?どうすればよいのだろう?」と悩むこともあります。

例えば、友だちを叩いたり、ものを投げて壊したりする子どもの行動など。

そこで今回は、そういった少し乱暴に見える子どもの行動について考えてみましょう。

大切なことは、周りの大人が「そういう子」と思い込まないこと

友だちを叩いたり、ものを投げてしまうような行動は、成長の過程です。

保育所の子どもたちを見ていても、多かれ少なかれどの子にもやってきます。子どもたちの様子を見ていると、それが大きく出て目立つ子と、それほど目立たない子がいるなと感じます。みんなが通る道なので、「この子は乱暴なのではないか?」とは思わないでください。例えば、「あなたは、いつも乱暴ね!」なんて声かけをして、「乱暴な子」のレッテルを張らないでほしいなと思います。

とはいえ、何度注意しても何度も何度も同じことを繰り返されたら、「じゃあ、どうすればよいの??」と思ってしまいますよね。では、どうして子どもがそのような行動をするかを考えてみましょう。

友だちを叩いたり、ものを投げたりするのはなぜ?

あなたのお子さんは、なぜ友だちを叩いたり、ものを投げたりすると思いますか?理由はいろいろあるのではないかと思います。「自分のおもちゃをお友だちに急に取られた」、「お友だちのおもちゃが欲しくなった」という分かりやすいものもありますし、「投げてみたら面白かった!」なんて理由のこともあります。

以前起きた、私の保育所での出来事を例にお話しします。Aちゃん(1歳児)が何もしていないBちゃん(2歳児)を叩いたり、噛んだりすることが続きました。その理由は、これまで何度もBちゃんに自分が使っているおもちゃやあそびを取られたり、壊されたりしていたからです。その過去の記憶があるから、目の前をBちゃんが通っただけで「また、取られてしまう!」と思って自分の身を守るために叩いていたのです。

子どもの「今した行動」だけでなく、その前後や関係性にどういった思いがあったのか?を見ることができると、子どもの行動を理解ができ、大人の対応も変わってくるかもしれませんね。

どの月齢でも「あそび」や「良し」にしないこと

私の保育所では、友だちを叩いたり、ものを投げたりする行動をどの月齢でも遊びとしてとらえたり、「良いこと」と捉えないようにしています。

例えば0歳児を抱っこしているときに、大人のほっぺをペシペシ叩くことがありますね。こんなときは、「痛いよ。さすさすしてくれたら嬉しいな」と子どもの手を持って一緒に「さすさす」します。ものを投げたら「これは危ないから、ボールを投げてみよう」と、投げてもよいものと交換します。

ほっぺをペシペシされて笑顔で「痛い痛い~」と笑うと、赤ちゃんは「ペシペシしたら、ママ(パパ)が喜んでくれる!楽しい!」と思ってしまいます。固いおもちゃを投げて「上手に投げられたね!」と褒めたら、固いおもちゃを投げてもよいと理解します。

子どもを叱る必要はなく、してもよい行動を伝える(教えてあげる)ようにできると良いですね。

感情的に怒らず、子どもの気持ちに寄り添いつつ「待つ」

1歳児、2歳児になり、お友達と関わることが増えてくると、上記の方法では問題解決しなくなることもあります。

もし、お友だちを叩いてしまった時には、まずは叩いたことに対して注意をして、子どもの行動を止め、声かけをします。「叩いたら痛い!」「叩いたら○○ちゃんがかわいそう」「叩くのはダメ!」など、お子さんへ伝わりやすい言葉でOKです。この時だけは、わざと大きめの声で叱ります。そして、たたかれたお友だちには、まず親が「痛かったねごめんね」とフォローを入れて、お子さんと向き合ってみましょう。この時話しかける声は、できる限り静かな口調です。そして、叩いてしまった子どもには、まだ言葉でうまく伝えられない場合には、「どうして叩いたのかな?」「○○ちゃんのおもちゃが使いたかったの?」など子どもの気持ちを代弁します。「ママ(パパ)は、叩いたことがとっても悲しい」とママ(パパ)の気持ちも伝えましょう。そして、「○○ちゃんに謝ろうね」と一緒に謝ります。

今回は、とっても完結に書きましたが、子どもの気持ちはそんなに簡単に「謝る」方向には進みません。子どもの表情を観察しながらできる限り言葉数は少なく、「待つ」姿勢で声かけを行ってみましょう。もし、子どもが謝れなくても、そんな時もあるものですから大丈夫。代わりにママ(パパ)がしっかりと謝る姿を目の前で見せましょう。大切なのは、親が感情的に怒らないことです。

最後にお話しした方法は、少し親の「演技力」も必要になるかもしれません。感情的にならず、いかに簡単な言葉で子どもに伝わるように説明できるか?も、子育てには大切かもしれませんね。


著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨

0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

ベビーカレンダー編集部

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