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代表なのに相手から選手借りる?米キャンプ始動の韓国に早速の試練。一体何が…【WBC2023】

  • 2023.2.16

一種の皮肉なのだろうか。アメリカでキャンプを進めているのに、肝心の米メジャーリーグ所属選手がいない。所属球団のキャンプ地から代表のキャンプ地まで車で2時間の距離にある選手もいるが、合流することはできない。

2月15日(日本時間)からアメリカでキャンプを始動した2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の韓国代表は、当分の間、“内野手不足”による悩みを抱えることになりそうだ。

韓国代表はこの日、米アリゾナ州ツーソンで初めて一堂に会した。指定宿舎のウェストワード・ルック・ウィンダム・グランド・リゾートに、アリゾナやフロリダ、さらにはオーストラリア、グアム、沖縄などからやってきた代表選手たちが、先月のソウルで行ったオリエンテーション以来に集結した。

3月まで合流できないキーストーンコンビ

ただ、まだ完全体ではない。メンバー30人のうち2人が抜けている。

28人は来る16日からアリゾナ州ツーソンで練習と5度の実戦を行うが、残る2人は3月に合流する予定だ。

サンディエゴ・パドレスのキム・ハソン(27)、セントルイス・カージナルス(27)のトミー・エドマン(27)は、2月の間は所属球団のキャンプでオープン戦を消化した後、韓国代表に合流する。キム・ハソンはアリゾナ、エドマンはフロリダでキャンプを行っている。

もっとも、異例なことではない。2017年WBCもそうだった。

当時、韓国で唯一のメジャーリーガーだったオ・スンファン(40、サムスン・ライオンズ)は所属したカージナルスで2月の日程を消化した後、代表に合流した。フロリダでメジャーのオープン戦を戦い、1次ラウンドの開催地である韓国の高尺(コチョク)スカイドームに向かったのだ。

オ・スンファンは時差適応の余裕もないハードスケジュールを消化したが、当時の韓国代表投手陣で最も強いボールを投げた。オ・スンファンの活躍がなければ、1次ラウンド敗退に終わったなかで唯一挙げた台湾戦の勝利もなかった。

ただ、オ・スンファンは投手陣13人中の1人だった。WBC前までに実戦を戦うにあたり、オ・スンファンの遅い合流は大きな問題にはならなかった。

代表チームが対戦相手に選手を借りる?

だが、今回は状況が違う。キム・ハソンとエドマンが遅れて合流するため、内野手7人が5人に減ったのだ。

一塁手にパク・ビョンホ(36、KTウィズ)とカン・ベクホ(23、KTウィズ)、二塁手にキム・ヘソン(24、キウム・ヒーローズ)、遊撃手にオ・ジファン(32、LGツインズ)、三塁手にチェ・ジョン(35、SSGランダース)で内野手を構成することはできる。

しかし、一塁手以外にバックアップメンバーがいない。キム・ヘソン、オ・ジファン、チェ・ジョンのうち誰か1人でも体調不良で実戦を消化できなくなると、内野陣の構成が不可能になる。

キム・ハソン、エドマン、キム・ヘソンは内野でさまざまな位置を守れるマルチプレーヤーだが、内野手が5人しかいないのであればマルチプレーヤーを保有した意味がない。

韓国は17日のNCダイノス戦を皮切りに、20日にKIAタイガース戦、23日と25日にKTウィズ戦、27日にLGツインズ戦をアリゾナで行う。

そして28日に韓国行きの飛行機に乗り、3月2日から高尺(コチョク)スカイドームで練習を実施する。キム・ハソンとエドマンはそこで代表に合流する可能性が高い。

イ・ガンチョル監督

韓国を率いるイ・ガンチョル監督は、今後5回の実戦について「ひとまず内野手(二遊間)はキム・ヘソンとオ・ジファンを中心に行く。他チームに了解を得なければならなくなったときは、了解を求める」と述べた。代表内野手陣のなかで実戦が難しい選手が出れば、相手チームから内野手を借りる方法で試合に臨むものとみられる。

また、イ監督は投手陣の管理にも気を使うことを強調した。「コンディションによってイニングもチェックする。相手チームの監督と相談して決める。NC戦もカン・イングォン監督と事前に電話をしたが、イニングではなく投球数に合わせて進めることにした。今後の試合もこのように進める計画だ」と伝えた。

現時点で正常に実戦を行うのは難しいかもしれない。それでも、実戦感覚の向上とコンディショニングの二兎を追うという覚悟だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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