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因縁の“日韓戦”はもう始まっている!? 侍ヌートバー&韓国エドマンが「ディスり合い」…そのワケは【WBC2023】

  • 2023.2.16

「ヌートバーともう“ディスり合い”をしているよ」

2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を戦う韓国代表には、史上初めて韓国系アメリカ人としてユニホームを着る選手がいる。米メジャーリーグのセントルイス・カージナルスに所属するトミー・エドマン(27)がその人だ。

韓国名を「クァク・ヒョンス」とするエドマンは、母親が韓国人であるため韓国代表資格を得た。

そして、ちょうどカージナルスには似た形で侍ジャパン(日本代表)に選ばれた同僚がいる。同じく母親が日本人のラーズ・ヌートバー(25)だ。

そんな2人は、それぞれが代表に合流する前からすでに些細な“神経戦”を繰り広げているようだ。

ヌートバー「申し訳ないが、我々が韓国に勝つ」

 

情報提供は、カージナルスのベテラン捕手でWBCアメリカ代表のアダム・ウェインライト(41)がしてくれた。

2月14日(日本時間)、カージナルスの春季キャンプ地である米フロリダ州ジュピターのロジャー・ディーン・スタジアムでウェインライトが取材に応じた。そこで彼は、「2人とももう大会を始めているよ。お互いにトラッシュトークを交わしているみたいだ」と意地悪な笑みを浮かべた。

ウェインライト

エドマンとヌートバーは、“宿命のライバル”と呼ばれる韓国と日本の代表チームにそれぞれ選ばれた。カージナルスではチームメイトだが、WBCでは敵同士で会うわけだ。

エドマンにも会って直接聞いてみた。すると、彼は笑いながら次のように語った。

「そうだよ。お互いにディスり合いを繰り広げている。ゲームでだれが勝っても、1年中自慢できるんじゃないかな。東京ではヌートバーに対峙して面白い試合をするつもりだ。僕らが日本よりももっと長く大会を戦えることを願っている」

「僕とヌートバーは自分たちがプレーする両国の競争についてよく話す。楽しんでいるよ。ちょっとしたトラッシュトークもあるが、日本でヌートバーと対峙して試合すること自体が面白いだろう。チームではお互い良い友達さ。大会が終わった後には自慢する権利もある」

ヌートバーも同じことを話していた。「エドマンとは色々な話をしている。ディスもするよ。エドマンは確かに日本代表が注意すべき選手だ。しかし、日本にも良い選手はたくさんいる。韓国と日本はとてつもないライバル関係だ。日韓戦は楽しくできるだろう」と伝えた。

そして、「例えば、セントルイスとシカゴ・カブスは強力なライバルだ。カブスには鈴木誠也がいるが、WBCではチームメイトになる。逆に、エドマンはチームメイトから敵になる。試合をすれば面白そうだ。必ず勝ちたい。韓国から来たのに申し訳ないが、我々が韓国に勝つよ」と豪快に笑った。

ヌートバー
エドマンの韓国代表入りに同僚「嬉しい」

エドマンの韓国代表入りはある程度予見されていた。

昨年、韓国野球委員会(KBO)は早々から動き、エドマンをはじめとする韓国代表資格を持つ選手たちと接触した。代表入りが実現しなかった選手もいたが、エドマンは“チーム・コリア”を選んだ。

おかげで、韓国代表はキム・ハソン(27、サンディエゴ・パドレス)とエドマンというトップレベルのキーストーンコンビを保有することになった。韓国代表が入った東京ドーム開催の1次ラウンド・プールBでは侍ジャパンが最強と言われているが、決して引けを取らない。

そんなエドマンを、カージナルスの同僚も興味深くみているようだ。なかでもウェインライトは次のように話した。

「良かった。エドマンが韓国を代表し、ヌートバーは日本代表に行く。力になれる選手たちだ。アメリカ代表で一緒にプレー出来れば良かったとも思うが、彼らの家族の歴史を私もよく知っている。とても誇りに思っているはずだ。家族の国を代表して戦うからだ」

「WBCは大きな経験を積むことができる大会だ。面白くするつもりだ。参加するだけでもモチベーションは十分。キャリアにも大いに役立つだろう。良いプレーができると信じている。しかし、試合はまた試合だ。韓国であれ日本であれ、最後は我々が勝って金メダルを取るよ。勝つことを考えると気分が良い」

エドマン

取材現場では、メジャーリーグを代表する三塁手のノーラン・アレナド(31)とも会うことができた。彼は「WBCはたくさんの意味がある大会だ。国を代表してプレーすることは常に意味がある。自負心が生まれる。メジャーリーグでプレーするのも特別だが、国家代表としてプレーできるのはまた違う。光栄だ」と切り出した。

そして、「エドマンは韓国を代表してプレーする。素晴らしい選手だ。一緒にプレーしているが、彼のプレーを見ると驚く。チーム・コリアにも大きな力になるだろう。エドマンの家族がどこから来たのか私もよく知っている。母の国を代表する。エドマンが韓国代表に選ばれたことは私自身も嬉しい。ヌートバーも同様だ」と強調した。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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