「あ、見たことある!」と思っても、「でも、なんて読むんだっけ?」となる漢字ってありますよね。
文章内にそんな漢字を見つけても、読み飛ばしてしまっている方も多いかもしれません。
今回は、読めそうなのに意外と読めない難読漢字5選をご紹介します!
1.「慮る」
「慮」という字は、「考慮」「遠慮」という言葉で使うことが多いですよね。
しかし、この「慮」という漢字に「る」が付くと…どう読むのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
送り仮名を含めて6文字で考えてみてください。
正解は「おもんぱかる」「おもんばかる」でした!
「慮る」は、「周囲の状況などをよくよく考える。思いめぐらす。」(松村明監修、池上秋彦・金田弘ら編集『デジタル大辞泉』(第二版)、小学館(2012年11月2日発行))という意味です。
「考慮」や「遠慮」などの言葉にも通じるものがありますね。
2.「勿れ」
「勿論(もちろん)」という言葉で目にすることが多い漢字です。
例文から考えてみましょう!「この池で遊ぶこと勿れ」。「この池で遊ばないように!」という禁止を意味する言葉です。
わかりましたか…?
正解は「なかれ」でした。
意味は例文の通り、「することが無いように。「君死にたまふことー」」(山田忠雄、倉持保男、上野善道、山田明雄、井島正博、笹原宏之 編、『新明解国語辞典』(第八版)、三省堂(2020年11月20日第八版発行)p.1153)というものです。
ちなみに、「勿れ」のほかに「莫れ」などとも書けますよ。
3.「漸く」
少し難しいですが、「漸次(ぜんじ)」という熟語で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?
今回の場合は、副詞として「漸く実現された」というように使います。例文で考えてみると、なんとなく意味がわかってきそうですね。
正解は「ようやく」でした!
意味は以下の通りです。
1 長い間待ち望んでいた事態が遂に実現するさま。やっとのことで。
2 苦労した結果、目標が達成できるさま。かろうじて。何とか。
3 物事がしだいに進行して、ある状態になるさま。だんだん。
4 ゆっくりと。おもむろに。
出典:松村明監修、池上秋彦・金田弘ら編集『デジタル大辞泉』(第二版)、小学館(2012年11月2日発行)
ちなみに「やっと」という言葉も、漢字で「漸と」と書くんですよ。
4.「拒ぐ」
「拒」という字は「拒否」や「拒む」などで使われますが、このように送り仮名を付けた場合、なんと読むのかご存知ですか?
この言葉は、「守る」や「避ける」などと近い意味で用いられ、3文字で読みます。
正解は「ふせぐ」でした!
「ふせぐ」という言葉は「防ぐ」と書くことが一般的ですよね。「拒ぐ」とも書けるとは、ご存知ない方も多かったのではないでしょうか?
それでは「拒ぐ」の意味を確認してみましょう!
1 ①敵の攻撃を抑える。敵に侵害されないようにする。②好ましくないものを、さえぎって中へ入れないようにする。
2 好ましくない事態が生じないようにする。
出典:松村明監修、池上秋彦・金田弘ら編集『デジタル大辞泉』(第二版)、小学館(2012年11月2日発行)
漢字が難しいですが、「禦ぐ」と書くこともできます。
5.「姑く」
この漢字は、親族関係を表す「しゅうとめ」はもちろんのこと、「姑息(こそく)」という熟語でも使われますね。
「姑息」という熟語、本来は「ずるい」というような意味ではなく、一時の間に合わせにすることを表すんです。
「一時の間に合わせ」という意味から想像してみると、読み方が浮かんでくるのではないでしょうか?
正解は、「しばらく」でした!
「しばらく」は以下のような意味を持ちます。
1 すぐではないが、あまり時間がかからないさま。少しの間。しばし。「―お待ちください」「―して主人が現れた」
2 時間的にある程度長く続くさま。当分。「好天は―続くだろう」「―は当地に滞在する」
3一時的であるさま。仮に。「その件は―おくとして」「―衣裳にたきものすと知りながら」〈徒然・八〉
出典:『デジタル大辞泉』(小学館)
長い時間と短い時間、両方を指すことができるんですね。
ちなみに「しばらく」は、一般的に使われることの多い「暫く」のほか、「且く」「須臾く」と表記することもできますよ。
漢字から言葉の意味を知ろう!
漢字自体は見たことがあるのに、こんな読み方があることは知らなかった!というものが多かったのではないでしょうか。
今回ご紹介したもの以外にも、普段使っている言葉が漢字ではそのように書くのか知ると、言葉の意味や由来がはっきりしておもしろいですよ!