1. トップ
  2. グルメ
  3. 【軽井沢】本店は予約3年待ち!2022年7月オープンの「MADRE(マードレ)」で“アマゾンの料理人”の味を気軽に楽しむ

【軽井沢】本店は予約3年待ち!2022年7月オープンの「MADRE(マードレ)」で“アマゾンの料理人”の味を気軽に楽しむ

  • 2023.2.14

19歳で海外に渡り、世界最高峰のレストラン、スペイン「エル・ブジ」で腕を磨いたのち、南米ペルーの奥地へ。そこでアマゾンカカオと出会い、生産者と独自の流通ルートを開いた“アマゾンの料理人”太田哲雄シェフ。テレビ番組「クレイジージャーニー」の出演でも話題を呼んだ太田シェフのレストラン、軽井沢「LA CASA DI Tetsuo Ota(ラ カーサ ディ テツオ オオタ)」は、なんと2026年末まで予約で満席という人気ぶりです。そんなシェフの味が予約なしで楽しめると聞いて、カジュアルな食堂「MADRE(マードレ)」に行ってみました。

予約が取れないレストラン「LA CASA DI Tetsuo Ota」の向かいにオープン

軽井沢レイクニュータウンにある一軒家を改装して食堂に
軽井沢レイクニュータウンにある一軒家を改装して食堂に
ドアを開けると、シェフが手がける3つのブランドロゴが描かれた看板が
ドアを開けると、シェフが手がける3つのブランドロゴが描かれた看板が

“アマゾンシェフ”として知られる太田哲雄シェフの新店舗「MADRE」がオープンしたのは、2022年7月のこと。場所は、のどかな別荘地・軽井沢レイクニュータウンの中、2026年まで予約で満席のレストラン「LA CASA DI Tetsuo Ota」のお向かいです。

現在、ここ軽井沢を拠点に、レストランとカカオの輸入、そのカカオを使ったお菓子作りを手がける太田シェフ。「『LA CASA〜』に興味はあっても来られない方のために、自分が生まれ育った信州の食材と、アマゾンカカオを使ったメニューを気軽に味わえる場所として『MADRE』を始めました」と言います。

「信州の自然を食べる」がテーマの滋味深い料理を堪能

「天然きのこと根菜の豚汁、おむすび」1,430円。豚汁のコウタケ、なめこ、ナラタケなど、力強い味わいは天然きのこならでは
「天然きのこと根菜の豚汁、おむすび」1430円。豚汁のコウタケ、なめこ、ナラタケなど、力強い味わいは天然きのこならでは

食事のメニューは3種類ほど。注目は、一見素朴なおむすびと豚汁のセットです。おむすびのお米は、太田シェフの出身地である長野県白馬村のお隣、小川村の限界集落で栽培された「はぜ掛け米」。機械を使わず鎌で手刈りし、天日でゆっくり干したお米を、大きな土鍋で毎日炊き上げています。ひとつは薪火で焼いた信州サーモンをほぐして山の天然ワサビの茎と混ぜたもの、ひとつはピリリと辛い「ぼたんこしょう味噌」入り、ひとつはシンプルにごはんのおいしさを楽しむ塩むすび。付け合わせにも、寒締めほうれん草など信州の旬の野菜が並びます。

豚汁の滋味深いおいしさも感動的です。具材は、小川村の大豆で作った豆腐に蒟蒻(こんにゃく)芋から手作りしたこんにゃく、そしてシェフが山に入って採集した天然きのこがたっぷり。きのこのだしと小川村の高山寺味噌の豊かな風味に、体がじんわり喜ぶはず。春は山菜が登場するというから楽しみです。

「信州鶏胸肉のバターチキン」2,530円。これまで家庭料理にしか使われてこなかった「凍み大根」が主役のスープは、自家製サワークリームとともに
「信州鶏胸肉のバターチキン」2530円。これまで家庭料理にしか使われてこなかった「凍み大根」が主役のスープは、自家製サワークリームとともに

もう1品の人気メニューは、信州産地鶏の胸肉を使ったバターチキン。こちらはなんと、太田シェフの代名詞でもあるアマゾンカカオのパウダーでマリネし、澄ましバターで揚げた逸品です。肉厚のチキンはナイフがスッと入るやわらかさ。ふっくら、心地よい弾力があり、噛むとカカオのほのかな風味。上にかかっている「デュカ」(ナッツとスパイス、カカオを混ぜたシーズニング)もまた食欲をそそる香りです。デュカはお店でも購入できますよ。

スープは、寒さ厳しい冬に大根を軒に吊るして乾燥させる、信州の伝統的な保存食「凍み(しみ)大根」を使ったミネストローネ風。凍み大根はシェフが小川村の生産量すべてを買い取り、地域に貢献するとともに、これまでにない新たな仕立てで信州の食文化を伝えているのです。

アマゾンカカオと信州産フルーツを合わせた魅惑のパフェ

「アマゾンカカオとシャインマスカットのパフェ」1,980円。パフェだけのオーダーもOKです
「アマゾンカカオとシャインマスカットのパフェ」1980円。パフェだけのオーダーもOKです

アマゾンカカオを使ったデザートももちろん見逃せません!「アマゾンカカオとシャインマスカットのパフェ」は、カカオの薄皮を湧き水で抽出して作るジュレ、カカオのムース、湧き水とカカオのジェラート、カカオニブのキャラメリゼ、カカオを練り込んだコーン…と、アマゾンカカオ尽くしの1品です。料理にもお菓子にも使う湧き水は、車で片道40分かけて汲んでくるのだとか。オーダーごとに作るジェラートは、みずみずしく儚い口どけ。ほのかにフルーティな酸味が漂うのも、カカオが農作物であることを思い出させてくれます。

春にはイチゴなど季節ごとに信州産のフルーツと合わせて提供される、アマゾンカカオのパフェに今後も注目です。

自然モチーフのアートを感じるカラフルな空間

大テーブルを3卓レイアウト。シンプルなテーブルにカラフルな椅子が並びます
大テーブルを3卓レイアウト。シンプルなテーブルにカラフルな椅子が並びます
大きな花のアートが壁一面に。ガラス越しにキッチンの様子が見えるのも楽しい
大きな花のアートが壁一面に。ガラス越しにキッチンの様子が見えるのも楽しい
カウンターにはアンズや山ブドウ、ハラペーニョ、松の実のビネガー漬けなどがずらり
カウンターにはアンズや山ブドウ、ハラペーニョ、松の実のビネガー漬けなどがずらり
岩のような物体は、自社輸入したカカオ豆から加工したカカオマス。料理にすり下ろして使うこともあるそう
岩のような物体は、自社輸入したカカオ豆から加工したカカオマス。料理にすり下ろして使うこともあるそう

広々とした一軒家をリノベーションした店内は、ピンクとグリーンの壁がカラフルであたたかな雰囲気です。アート好きな太田シェフがオーダーした壁のイラストは、海外でも人気のアーティスト・荻野夕奈氏によるもの。花をモチーフにしたミューラルアート(壁画)に囲まれて、食事やパフェをゆったり楽しみましょう。

シェフの哲学が詰まったお菓子をテイクアウト!

シェフが縄文時代に想いを馳せて作ったというカカオのクッキー6種入り「アマゾンカンカン」3348円
シェフが縄文時代に思いを馳せて作ったというカカオのクッキー6種入り「アマゾンカンカン」3348円
「キャラメルポップコーン」100g864円(左)、「ショコラポップコーン」100g1,350円(右・要冷蔵)。濃厚で複雑な味わいがクセになります
「キャラメルポップコーン」100g864円(左)、「ショコラポップコーン」100g1350円(右・要冷蔵)。濃厚で複雑な味わいがクセになります
パッケージもかわいい「アマゾンカリカリ」はカカオニブの糖がけ。「アマゾンカカオデュカ」はザクザク食感のシーズニング。料理にひと振りして香ばしさをプラス
パッケージもかわいい「アマゾンカリカリ」648円はカカオニブの糖がけ。「アマゾンカカオデュカ」734円はザクザク食感のシーズニング。料理にひと振りして香ばしさをプラス

これまで「サロン・デュ・ショコラ」など限られた催事でしか買えなかった、太田シェフによるカカオのお菓子も揃います。人気のクッキー缶「アマゾンカンカン」には、「70%カカオチョコ、古代小麦とポレンタクッキー カカオニブ、カカオペースト」など、噛むほどに粉の味わいが広がるクッキーが6種入っています。

このほか、キャラメルがけしたサクサクのポップコーンにクーベルチュールショコラを手がけでコーティングした「ショコラポップコーン」もラインアップ。「サロン・デュ・ショコラ2022」限定商品だったものの、あまりの人気ぶりに販売が継続されたという希少なお菓子だけに、出合えたら買わない手はありません!

食糧危機の救世主、“昆虫食”の発信も

信濃毎日新聞社と共同開発している昆虫食ブランド「PICO SALVATORE」のクッキーやチョコクランチが買えます
信濃毎日新聞社と共同開発している昆虫食ブランド「PICO SALVATORE」。「シルクパウダーメレンゲクッキー」30g800円や「コオロギチョコクランチ」60g1700円が買えます
製糸の副産物として生じるカイコサナギはスパイシーなシーズニングに。フライドポテトやごはんにかけてもおいしい、万能スパイスミックスです
製糸の副産物として生じるカイコサナギはスパイシーなシーズニングに。フライドポテトやご飯にかけてもおいしい、万能スパイスミックスです

店の一角には、信濃毎日新聞社との協業で、新しい昆虫食の形を創造する「昆虫みらいプロジェクト」のアンテナショップ「COCON MIRAI(ココンミライ/古今未来)」もあります。食糧危機や水不足の時代において、問題解決のカギとして注目されているのが、信州で古くから親しまれてきた昆虫食。ワールドワイドな視点で食文化を探究する太田シェフだからこそできる、真っ当においしい昆虫食の提案です。

昆虫素材は信州産にこだわり、例えばコオロギならフタホシコオロギのパウダーとアマゾンカカオのクーベルチュールを合わせて、チョコクッキーやチョコクランチに。しっかりおいしくて栄養価豊富なスーパーフードを、ぜひ一度ご賞味あれ。

「なにげない信州の食材を、一流の料理に」。ほかにはない食材を探求し、社会貢献にも注力する太田シェフの新展開は、信州の豊かな食文化が楽しめる、どこかネイティブな食堂でした。冬季はレストランとしてはお休みですが、チョコレート菓子の物販は営業中。ぜひ良質なアマゾンカカオの世界に触れてみてください。そして春からはまた、信州がはぐくむ旬の食材とシェフならではの仕立てにご注目を!

 
■MADRE(マードレ)
住所:長野県北佐久郡軽井沢町発地348-68 軽井沢レイクニュータウン内
TEL:0267-41-0064
営業時間:12〜16時(食事は14時LO)
定休日:月・火曜
※不定休あり(SNSで告知)
※12〜3月中旬はレストランは冬季休業、物販は営業

Text&Photo:塚田真理子

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

元記事で読む
の記事をもっとみる