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【騒動解説】日本人を侮辱したと批判、The 1975マシュー・ヒーリー出演のポッドキャスト番組が炎上中

  • 2023.2.13
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ファン投票によってブリット・アワード2023の最優秀ロック/オルタナティブ・アクト賞を受賞し、来日公演も完売して追加公演が発表されるなど、大人気のThe 1975。しかし今、バンドのフロントマンであるマシュー・ヒーリーが出演したポッドキャスト番組が大炎上し、ファンからも謝罪と説明を求める声があがっている。(フロントロウ編集部)

マシュー・ヒーリー、1時間にわたる差別・偏見ジョークに参加する

The 1975のマシュー・ヒーリーが出演したポッドキャスト番組『The Adam Friedland Show』が、イギリスのツイッターでトレンド入りするほど炎上している。この番組は、コメディアンのアダム・フリードランドとニック・ムレンが司会を務めるトーク番組。スタンドアップコメディアンである2人が毎回ゲストを交えて、テレビでは放送できないようなブラックジョークや皮肉満載のトークを展開する。

画像: マシュー・ヒーリー、1時間にわたる差別・偏見ジョークに参加する

そんなポッドキャスト番組の最新回(2月10日配信)にマシューが出演したのだが、1時間4分のエピソードのなかで、日本人やハワイ系の人を侮辱したほか、児童ポルノや女性の月経を笑いものにするなど、内容がひどすぎるとしてThe 1975のファンからも謝罪や説明を求める声が出ている。ちなみにそういったジョークの多くは司会者から出たものだが、マシューは一緒に笑ったり、司会者をたきつけたりしていたうえ、マシューの方が社会的影響力が強いため、彼にも強い批判が出ている。

“ジョーク”はどんな内容だったのか?

1時間4分にわたる番組では、司会者の2人とマシューはさまざまなテーマでトークを繰り広げた。

画像: 『The Adam Friedland Show』 www.youtube.com
『The Adam Friedland Show』www.youtube.com

マシューが新進気鋭の米ラッパーであるアイス・スパイス(Ice Spice)にSNSでダイレクトメッセージを送ってスルーされたという件を話そうとした時には、司会者からの横やりで、アイス・スパイスの血筋はイヌイットか中国かハワイ系だという話になり(※アイス・スパイスの両親はアフリカ系アメリカ人とジャマイカ人)、それぞれの地域のアクセントを侮辱するようなジョークが飛んだ。このジョークを言ったのは司会者だったが、マシューはそれに笑い、「そうそう、アイス・スパイスはそんな感じなんだが…」と言って話を続けていた。

また、この配信回のスポンサーを務めた賭けサイトに触れられたときには、司会者が「このウェブサイトでは児童ポルノが見られます」というジョークを飛ばすと、マシューは「シャウト・アウト!」と、好意や支持を表すときに使うスラングを使用。

さらに、女性が一緒にいると月経が“移る”という議題のときには、月経は月の力に影響されているという話になり、女性が月の満ち欠けで月経を経験している間に「俺ら(男)は月に行ったぜ」と言って笑い合っていた3人。司会者が月に関するジョークを言ったときに「そうだ! マジでそれ合っている!」と大喜びしていたマシューは、別のシーンでは、アダムの姉妹はセクシーだから「ヤレる」という発言もしていた。

そして後半では、約5分にわたり日本の話に。

5分弱にわたって日本についてトーク、その会話内容とは?

2017年に富士の樹海で自殺者を見つける様子をYouTubeに動画投稿したことでYouTubeとの特別連携を解除されるなど大炎上したローガン・ポールの話から、5分弱にわたって日本の話になった3人。

画像: 5分弱にわたって日本についてトーク、その会話内容とは?

ローガンが自殺者を見つける前に日本国内で人種差別的な迷惑行為を行なっていたという話になると、司会者が、第二次世界大戦中の中国や韓国での日本軍の行ないを理由に「日本にとっては自業自得だろう。彼らは人種差別者だから」と発言。続けて、日本がナチスドイツと同盟を組んでいたことに触れて「交換交流プログラムみたいな感じで、(ドイツにあったユダヤ人の)強制収容所で働いていた日本人男性っているのかな?」と言うと、マシューが「君がそのモノマネをするのが聞きたいよ」とたきつけ、これに乗った司会者が日本語アクセントの英語で「プリーズ、シャワーに入ってください。温泉を用意しました」などと言って、終始、3人からは笑い声があがっていた。司会者からはその後、日本人が室内で靴を脱ぐ文化を揶揄して、「遺体を回収するときには、靴を脱いで部屋に入るんだろうな」という発言もあった。

その後マシューは、「音楽のショーでは、最初にみんな盛り上がるんだが演奏中は静まり返る。だから自分が失敗しているかどうか判断がつきにくいのだが、みんな礼儀のためにやってくれているんだ。それって興味深い文化だと思う。だって日本は、一番ヘビーなメタルを、一番クレイジーな性的コンテンツを発信している国なのに、同時に非常に抑圧されている」と、持論を展開。これに対して司会者は、「日本は1980年代には家電製品や車の王者で、経済も発展していた。しかし経済が落ち込み、今や、日本が最も人種差別的な感情を持っている韓国が文化輸出でも経済でも先を行ってしまった」と反応した。

それに、イギリス出身のマシューが「さっき言ってた、イギリスの皮肉的な立場と似ているよね。僕らは昔、(戦争中に)あちこちでレイプをしてすべてを所有していた。しかし今や僕らは、誰にも注目されない島国だ」と続けると、司会者が「君らはせめて英語を話しているから良い。日本語を話すのは、どこの文化でも最低な奴らだけだ」と述べた。

これに対してマシューは、「僕は日本が好きだよ。これから日本ツアーに行くんだ」と日本に好意的な発言をして、司会者のひとりが来日経験について「すごく気に入ったよ。すごく良い経験だった」と発言したものの、亡きNBA選手のコービー・ブライアントの名前が神戸からきている話になると、司会者が「彼(コービー)がレイプ加害者なのは(※コービーには生前レイプ疑惑があった)彼が日本人だからだ」という発言が出て、その場は爆笑に包まれていた。

マシュー・ヒーリーはBRITアワード受賞をお祝い

金曜日に配信されたポッドキャスト番組が問題視され始めるなか、マシュー・ヒーリーはThe 1975のメンバーたちと共に、英時間の2月11日(土)にイギリスの音楽授賞式ブリット・アワードに出席。最優秀ロック/オルタナティブ・アクト賞を受賞し、マシューは皮肉にも、「お祝い」や「感謝」という日本語が映されたスクリーンの前で「ファンの投票により決まるブリット・アワードを受賞するのは初めてです。ありがとうございます」とファンに感謝した。

1枚の写真だけでは心境は分からないが、The 1975のメンバーであるジョージ・ダニエルと交際しているチャーリー・XCXがインスタグラムにアップした舞台裏写真でのマシューは、盛り上がって楽しんでいる様子だった。

画像: ブリット・アワードで受賞スピーチを行なうマシュー・ヒーリー。
ブリット・アワードで受賞スピーチを行なうマシュー・ヒーリー。
画像: チャーリー・XCXが公開した、ブリット・アワードの舞台裏写真。ポーズを決めているのは、The 1975のマシュー・ヒーリーとジョージ・ダニエル。
チャーリー・XCXが公開した、ブリット・アワードの舞台裏写真。ポーズを決めているのは、The 1975のマシュー・ヒーリーとジョージ・ダニエル。

記事執筆時点でポッドキャスト番組の配信から数日経っているが、マシューからポッドキャストの件についてのコメントはなし。The 1975のインスタグラムは更新されているが、バンド最大の英ツアーに関するアナウンスなどPR系の投稿のみで、ポッドキャストの件についての言及はない。

ヤングブラッドが「特権階級の白人の男たち」の会話を批判

ポッドキャスト番組が公開されたあと、イギリスのツイッターでは「マシュー・ヒーリー」が約4時間にわたりトレンド入り。皮肉の効いたコメディ番組であることを理由に擁護する声も一定数あったが、マシューや司会者たちの発言を差別的として批判するコメントが絶対的に多く、「ファンとしてはコメントを出してきちんと説明してほしい」「ファンでいるのが難しい」といった、The 1975のファンからのコメントも多かった。

そんななか、イギリスの人気アーティストであるヤングブラッドがツイッターを更新。「特権階級の白人の男たち3人組が、話題沸騰中の若い黒人女性アーティストを物扱いして語るのを聞けるなんて最高だね。30代にようこそってことかね...」とツイートして、30代の男性3人が、2021年にラップを始めたばかりの注目アーティストであるアイス・スパイスの名前を出して笑い合っていた様子を批判した。

画像: twitter.com
twitter.com
画像: ヤングブラッド(左)とアイス・スパイス(右)
ヤングブラッド(左)とアイス・スパイス(右)

ちなみに、マシューはポッドキャスト内でアイス・スパイスにDMを無視されたと明かしていたが、記事執筆時点で、アイス・スパイスはポッドキャストでの発言についても無視している。

マシュー・ヒーリーはLGBTQ+差別や女性蔑視に反対する声をあげている一方で、ツイッターやインタビューでの発言が不適切としてたびたび炎上してきたという側面も持っているアーティスト。今回は、本人たちは面白おかしく笑っていたが、ファンも声明を求めるほどの大騒動になっている。マシューや関係者からの動きがあった場合は追って報道する。(フロントロウ編集部)

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