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青木裕子さん、アパレルをプロデュース 「踏み出したいとき、服のために躊躇はもったいない」

  • 2023.2.13

フリーアナウンサーとして活躍する青木裕子さんは2013年にナインティナインの矢部浩之さんと結婚、現在は男児2人の母でもあります。その青木さんが自身の息子の小学校受験の経験を通して抱いた服に対する違和感などを解消すべく、アパレルブランド「any SiS」とコラボ。お受験準備や園・学校行事に着たくなるネイビー調の服をプロデュースしました。青木さんならではのこだわりを聞きました。

――「ほどよくスタイリッシュな“洒落見えNAVY服”」をコンセプトに、「any SiS」とコラボしお受験準備や園・学校行事に着たくなる8つのネイビーアイテムをつくられました。プロデュースのきっかけは?

青木裕子さん(以下、青木): 息子が2人おりまして、いま小学1年生と3年生。2人とも小学校受験をしたのですが、「ワンピースを着なければいけない」「お受験やお教室に通うためだけに買うのもね…」などと服装についてママ友の声を聞くことも多くて……。お受験にはまだまだ敷居の高さはあります。でも、自分が経験してみて、「良い母らしく、良い妻らしく」といった従来の服が持つイメージによって、一歩踏み出したいのに躊躇してしまう親御さんがいらしたら、もったいないと感じたんです。

だから、お受験のときにしか着られない特別な服ではなく、普段の仕事や子どもの送り迎えにも使える、ほどよくスタイリッシュなネイビー服やバッグがあればいいなと思って。所属事務所のマネージャーにそう話したところ、「any SiS」さんを紹介していただいて。これがプロデュースのきっかけになりました。お受験や学校行事に着ていける服は、なかなか高価なものが多く、今回は手が届きやすいデザインということに加えて、価格帯という点にもこだわっています。

朝日新聞telling,(テリング)

雑誌の切り抜きを見せ、“こだわり”を伝えた

――お受験というと専用のスーツやワンピースも売っていますが、たしかに普段使いできるデザインのものは少ないですよね。

青木: 長男のときは、私にとっても初めてのお受験だったので、ベーシックな服を着ていました。ただ「もう少しスカート丈が長ければいいのに」とか「このふりふりした襟のデザインは、普段なら着ない」といったことを感じる場面も多くて。そのときは我慢しなければいけないものだと思い込んでいたけれど、2年後の次男の受験するころには「ある程度、常識を踏まえていれば、絶対リボンをつけなければいけないこともないし、シンプルなデザインでもいい」と無理なく着られるような服装に、自然と変わりましたね。

――青木さんがつくりたい商品をどのように具現化していかれたのですか。

青木: 「any SiS」のデザイナーさんに、お受験や学校の行事で役に立つのは、どういう服なのか――。経験から得たことや私のこだわりをお話しました。たとえばジャケットと合わせて着る機会があるワンピースは、襟なしで、半袖だったりノースリーブだったりするものが多いのですが、それだと、フォーマルな場所では暑くてもなかなか脱ぎづらい。だから「襟つきで、一枚で着られるワンピースが欲しいです」とお話しして、雑誌の切り抜きなどをお見せしながらイメージをお伝えしました。

朝日新聞telling,(テリング)

お受験をさせるつもりは…

――実際に完成した商品を見たときは?

青木: 自分が当時欲しかったものや、こだわりが実現されていて、「本当にありがとうございます」という気持ちでした。

――青木さん自身は、もともと息子さんにお受験をさせるつもりはなかったと聞きました。

青木: そうなんです。子どもの幼稚園を選んだ一番の決め手は、家から近くて、歩いて通えるから。私のこだわりとして、幼稚園生の間は車や自転車に乗せられて受動的に通園するのではなく、雨の日も風の日も、子ども自身の意思で歩いて通う経験をさせたかった。そんな思いで選んだ幼稚園だったのですが、お受験をするご家庭が多かったんです。そして次第に息子も私も興味を持ち始めたんです。

朝日新聞telling,(テリング)

お受験をきっかけに教育方針を話し合った

――夫である矢部浩之さんとは、お受験についてどのように話されたのですか。

青木: お受験を考え始めてから初めて夫と「我が家の教育方針ってなんだろう」と話し合いました。良くも悪くも、夫は教育面では私を信頼してくれていて、自分の意見がないのかもしれないけど……(笑)。ただ、はっきりと「違う」と言われたこともあって、夫婦ともにお受験に関しては子どもの意思を尊重し、柔軟に考えていたと思います。子どもが産まれてから、夫婦で教育について話し合うことはなかったので、お受験がいい機会になりました。

――お受験というと「親が色々と大変そう」「受験で良い母を演じなければいけないのではないか」といった理由で、躊躇する方もいます。

青木: 女性としての生き方だけでなく、親としての在り方や教育方針も、いろいろな価値観が多様化している時代です。そのためにも「お受験といえば閉ざされた世界」だとか、「買い揃えなければいけないものがたくさんあるから面倒」といったイメージがなくなればいいですね。お受験がいいというわけではなく、様々な選択肢の中からその子や親に合う選択をするのが一番ですから。

■塚田智恵美のプロフィール
ライター・編集者。1988年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後ベネッセコーポレーションに入社し、編集者として勤務。2016年フリーランスに。雑誌やWEB、書籍で取材・執筆を手がける他に、子ども向けの教育コンテンツ企画・編集も行う。文京区在住。お酒と料理が好き。

■岡田晃奈のプロフィール
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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