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EXOらSMアーティストの今後はどうなるのか…NCTは日本含む数カ所でプロジェクト進行中

  • 2023.2.11

世界的スターBTS(防弾少年団)擁するHYBEが、東方神起や少女時代などで知られるSMエンターテインメントを電撃買収した。

K-POP界を代表する二つの企業が一つ屋根の下に収まることになるなか、SM所属アーティストの行方に関心が高まっている。

SM創設者はなぜパン・シヒョクと手を組んだのか

 

K-POP業界で宿敵と思われていたHYBEとSMが家族になる。

HYBEが、SMの大株主であるイ・スマンが保有していた持株14.8%を4228億ウォン(約422億8000万円)で買収したことで、今回のビッグディールは実現した。

これでBTS、SEVENTEEN、EXO、NCTなどが一堂に会する超大型企画会社が誕生することとなるわけだ。

もともとイ・スマンの持分率は18.46%だったため、HYBEは今回の取引で一気に筆頭株主になる。さらに、HYBEはSMの小額株主が保有している持分公開買収にも乗り出すと明らかにしている。

先立って7日、韓国のインターネットサービス企業カカオが9.05%を確保する有償増資を骨子としてSMと手を組んだが、HYBEとイ・スマンが組んだことで形成は一気に逆転している。

(写真提供=OSEM)EXO

そもそも、SMの創設者でもあるイ・スマンは、なぜ競争相手だったHYBEのパン・シヒョクの手を取ったのだろうか。

というのも、HYBEがSM買収に参戦した背景には、SM株を巡ってイ・スマンと経営陣に溝が生じたことが理由とみられている。

SMは2月3日、「イ・スマンなき」SMを宣言。イ・ソンス、タク・ヨンジュン共同代表は、SM創設者イ・スマン総括プロデューサーの独占プロデュース体制から抜け出し、5つの製作センターと内/外部レーベルが独立して音楽を生産する「マルチプロデュース」システムを導入すると発表した。

これにより、30年近く続いたイ・スマン1人体制が幕を閉じたのだ。

以後、SM理事会はカカオに全体持分の9.05%を売却することに決め、IT大手カカオとのシナジー効果でSM3.0を予告。変化と革新のための決断というのがSMの説明だった。SMの2大株主になったカカオも、音楽とコンテンツ事業の競争力強化に注力すると明らかにしていた。

しかし、イ・スマンの考えは違ったようだ。

カカオを2大株主に引き入れたSM理事会と、これを支持した行動主義ファンドのアラインパートナーズの「3者連合」に反旗を翻したイ・スマンは、HYBEとの共同戦線で対抗することに決めた。

結局、予想だにしなかった今回の電撃買収により、SMは大きな転換を迎えることになる。

ある関係者は「最近までイ・スマンはHYBEに本人の持分を売却する意志がなかった。ところが、イ・スマンは一夜にして筆頭株主の座が危険になった。危機に追い込まれたイ・スマンに、パン・シヒョクが経営権防御のための株主、別名“白騎士”として出たわけだ。イ・スマンとしてはHYBEと手を組んだのが最善の選択だっただろう」と説明している。

カムバック控えるEXO、NCT、SuperMの将来は…

このような争いがどうであれ、K-POPファンが気になるのは所属アーティストたちの今後だろう。

K-POP界がHYBEの“ビッグディール”に混乱しているなか、業界の見方は大きく二分されている。

HYBEがK-POPモンスター企業へと生まれ変わることで業界の縮図を大きく描き換え、イ・スマンが推進してきたメタバース具現化などとのシナジーでK-POP市場にWin-Win効果をもたらすというのが一つ目の見方だ。

HYBEは今回のSMだけでなく、これまでPLEDIS、SOURCE MUSICなど様々なエンタメ企業を買収し、勢力を拡大してきた。

もちろん上記2社はSMほど大規模ではないが、最近ではラッパーのリル・ベイビー、HIPHOPグループのミーゴスらが所属するアメリカのQCメディアホールディングスも買収しただけに、HYBEとSMと世界的な影響力を発揮するゲームチェンジャーのような存在に飛躍するだろうという見方も多い。

これに伴い、今年カムバック予定のEXO、SuperMをはじめ、デビュープロジェクトを稼動中のNCTグループ(東京、ハリウッド、サウジ)などもHYBEの力添えを受け、さらに加速すると展望されている。

(写真提供=OSEM)NCT DREAM

一方、K-POPの開拓者としてのプライドを持つSMの立場としては、自分たちの座をHYBEに奪われたと感じざるを得ないだろう。HYBEがSMの買収を終えれば、SMはHYBEによって運営される可能性が高いためだ。

これに対し、SMP(SM Music Performance)と呼ばれていたSMの独自色を失うのではないかという懸念の声も出ている。

あるSM関係者は「内部でも、HYBE買収後、SM理事陣の大規模な入れ替えがあるという話が出てきている」とし、「600人を越える役職員全員が混乱している状況だ。イ・スマンの選択に対する内部の反発も非常に多い」としている。

具体的なSMの行方は、3月に予定された株主総会以後、本格的に明らかになるだろうが、SM所属アーティストはそのまま維持される可能性が高いというのが業界の分析だ。

また別の関係者は「当面は既存SMアーティストの活動に大きな変化はないだろうが、グローバル活動と新人グループデビューなどにHYBEの影響力が及ばないわけはないだろう」と見通している。

そして2月10日午後には、SMの理事でプロデューサーのユ・ヨンジンが現経営陣によるイ・スマン総括プロデューサー排除に対して反対の立場を明らかにするなど、余波は当分収まりそうにないようだ。

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