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【特集】マーゴット・ロビーがカッコよすぎる!女性として映画界に革命を起こしているハーレイ・クイン俳優のこれまで

  • 2023.2.10
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マーゴット・ロビーは数々の映画でコミックスのヴィランから実在の人物までを自由自在に演じてきた。そんな彼女はアカデミー賞ノミネート歴もある世界有数の俳優としての顔を持っている一方で、映画産業における女性クリエイターの割合の低さを是正するために、自ら製作会社を立ち上げて行動を起こしている、気鋭のプロデューサーとしての顔も持っている。ハリウッドに行くためにバイトを掛け持ちしていた10代の頃のエピソードから、DC映画で主役を張れるような名俳優となり、そして、女性クリエイターのために活動するプロデューサーとなるまでの、マーゴットのこれまでをまとめた。(フロントロウ編集部)

シングルマザーに育てられ、高校卒業後はいくつものバイトを掛け持ち

マーゴット・ロビーのプロフィール(生年月日・出身地・身長 etc.)

画像: マーゴット・ロビーのプロフィール(生年月日・出身地・身長 etc.)

生年月日:1990年7月2日
出身地:オーストラリア、クイーンズランド州ドルビー
身長:168㎝
家族構成:共にスコットランド系である、理学療法士の母と農場オーナーの父という両親もとに4人きょうだいで生まれる。兄のラクランはスタントマン、弟のキャメロンは俳優として活躍中。アニャという姉もいる。

オーストラリアはクイーンズランド州ドルビーに生まれたマーゴット・ロビーは、5歳の頃に両親の離婚を経験。3人のきょうだいと共に、シングルマザーとなった母親のもとで育つ。4人きょうだいとしてものすごく騒がしかったという家庭で過ごした幼少期の経験から、今でも1人で過ごすのは苦手だそうで、マーゴットは「賑やかで騒々しい家で育ったので、カオスなくらいが安心できて、心地いいんです。映画のセットが好きなのは、だからかも」と、家庭環境が俳優活動に活きていると米Vanity Fairに明かす。

画像: 2023年1月に開催された自身の主演作『バビロン』のオーストラリアプレミアにて、弟キャメロン・ロビーからインタビューを受けるマーゴット・ロビー。
2023年1月に開催された自身の主演作『バビロン』のオーストラリアプレミアにて、弟キャメロン・ロビーからインタビューを受けるマーゴット・ロビー。

俳優になるためアルバイトを掛け持ちして貯金

高校を卒業後に俳優になることを志し、お金を貯めてハリウッドへ行くことを夢見るように。「(学業の)何もかもを投げ出して、たった1つのゴールを設定しました。“旅行”です。旅行の最終的な目的は、ハリウッドで荷ほどきして、そこに留まることでした」と、マーゴットはかつてBlush Magazineに語っている。

「でも、そのためには生活費を稼がなくてはなりません。私はサーフショップで2年働いて、それからベビーシッターもやりましたし、サブウェイでサンドウィッチも作りました。他に何をやったかな? そうそう、日用品店でも働きましたし、薬局でも働いた。それからウェイトレスや、清掃スタッフとしても働きました」。

画像: オーストラリアンズ・イン・フィルム・アワードに出席したマーゴット・ロビー。
オーストラリアンズ・イン・フィルム・アワードに出席したマーゴット・ロビー。

レオナルド・ディカプリオに即興で思い切りビンタして躍進のきっかけに

マーゴットは2008年から2010年にかけてオーストラリアの長寿番組『ネイバーズ』に出演して国内での人気を確立させると、アメリカに進出して、2011年〜2012年に放送された米ドラマ『PAN AM/パンナム』のローラ・キャメロン役で印象を残す。その後、2013年に公開された映画『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』でシャーロット役に抜擢されて、長編映画デビューを果たした。

画像: レオナルド・ディカプリオに即興で思い切りビンタして躍進のきっかけに

そして、マーゴットがその名前をさらに広める大きなきっかけとなった作品が、同じく2013年に公開された、巨匠マーティン・スコセッシ監督最大のヒット作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。マーゴットは同作で、レオナルド・ディカプリオを誘惑するナオミを演じて、世界にインパクトを与えた。

マーゴットの出世作となった同作だが、なんと、彼女はオーディションのときにレオナルドを思い切りビンタするという荒技をやってのけて、ナオミ役をゲット。

マーゴットが2017年に米Time誌が選ぶ「最も影響力のある100人」に選出された際、スコセッシ監督は同誌に寄せた推薦文で、「彼女は『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の役を最初のミーティングで手中に収めてみせました。レオナルド・ディカプリオに腕を振り上げて、いきなりビンタするという即興の演技で私たち全員を驚かせたのです」と撮影を振り返り、次のように賛辞を寄せた。「マーゴットはその存在からその行動まで、あらゆる点で驚異的であり、これからも永遠に私たちを驚かせてくれるでしょう」

夫トム・アッカリーとの出会い

ちなみに、マーゴットが後に2016年に結婚することになる夫トム・アッカリーと出会ったのもこの頃。2013年に出演作『フランス組曲』(日本公開は2016年)の撮影に臨んでいたマーゴットは当時、セットでは俳優たちと一緒に過ごすよりも、クルーたちとよく一緒にいたそうで、その時に一緒にいた1人が、当時アシスタント・ディレクターを務めていたトムだった。

画像: 2014年11月にニューヨークでNHLのフィラデルフィア・フライヤーズ対ニューヨーク・レンジャースの試合を一緒に観戦するマーゴット・ロビーとトム・アッカリー。
2014年11月にニューヨークでNHLのフィラデルフィア・フライヤーズ対ニューヨーク・レンジャースの試合を一緒に観戦するマーゴット・ロビーとトム・アッカリー。

そして、『フランス組曲』でトムと並んでアシスタント・ディレクターを務めていたのがジョジ・マクナマラ。マーゴットは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のUKプレミアをきっかけに、トムやジョジが拠点にしていたUKに引っ越し、彼らと一緒にシェアハウスで暮らすことを決断。その後、3人は2014年に、マーゴットの幼馴染であるソフィア・カーを含めた4人で制作会社LuckyChap Entertainmentを設立した。ちなみにシェアハウスで暮らし始めた当時は、3つのベッドが置かれた家にマーゴットを含めた7人で暮らしていたという。

交際をスタートさせた当初は、他のルームメイトたちに交際を秘密にしていたというマーゴットとトム。2人の交際が周りにバレてしまった後でも、グループの関係性に亀裂が入るようなことはなかったそうで、マーゴットは英The Guardianとのインタビューで当時をこう振り返っている。「(交際がバレた時には)みんな、『勘弁してよ! このグループが終わってしまう!』っていう感じだったんですけど、そうはなりませんでした。大丈夫だったんです」

その後も友人たちとの共同生活は、2人が結婚する2016年まで続くことに。マーゴットいわく、むしろ結婚して2人で生活することになったときには違和感すらあったそうで、「ルームメイトから言われたんです。『結婚式を挙げたのだから、2人で暮らしなよ』って。正直、私たちはそんなこと考えてすらいませんでした。『え? 何で? 私たち2人だけで? 絶対変な感じになる』って思いました。それで、2人で暮らし始めたんですけど、最初は変な感じでしたね。悪くはなかったですけど。でも、大勢の人たちに囲まれていた環境が恋しかったです」と明かした。

画像: 夫トム・アッカリーとの出会い

実写版『ターザン』で新たなヒロイン像を確立&ハーレイ・クイン役で女性のアクション俳優たちを牽引

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で一躍その名前を映画界に広めたマーゴットはその後、2015年に公開された映画『フォーカス』でのウィル・スミスとの共演などを経て、2016年には『ターザン:REBORN』のジェーン・ポーター役と、DC映画『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クイン役という、2本の超大作でメインキャラクター役に抜擢されることに。

画像: 実写版『ターザン』で新たなヒロイン像を確立&ハーレイ・クイン役で女性のアクション俳優たちを牽引

『ターザン:REBORN』でヒロインのジェーンを演じた時には、役のためにダイエットすることを拒否したことが話題に。マーゴットは当時、米情報番組『Good Morning America(原題)』 に出演した際、その理由について「これは19世紀を舞台にした作品なので、彼女に少し体重がついていたとしたら、それは良いことなんじゃないかって思ったんです。そういう理由で、痩せているように彼女を見せるのは止めました」と説明した。

その上で、ジェーンを「捕らわれのお姫様」として描かないようにもしたとマーゴット。「置かれている状況から抜け出す方法を自分から探しに行くような女性として描きたかったのです。ただ座って誰かが助けに来ているのを待っているのではなく、自分で問題を解決しようとする人であってほしいと思いました」と同番組で語って、よくあるおとぎ話に登場するような、誰かの助けを待っているヒロインとしては描かないようにしたと明かした。

マーゴット・ロビーを代表するキャラクターとなったハーレイ・クイン

そして、DC映画『スーサイド・スクワッド』ではハーレイ・クインを演じたマーゴット。ご存知の通り、その後も『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』や『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』でも同役を演じるなど、ハーレイ・クインはマーゴットを代表するキャラクターの1人となった。

画像: マーゴット・ロビーを代表するキャラクターとなったハーレイ・クイン

しかしながら、今では次々に作られているマーベルのMCU作品や、DCのDCU作品に何人かの女性ヒーローが登場するものの、男性ヒーローと比較するとその数は圧倒的に少ない。マーゴットは英Vogueとのインタビューで「自分の周囲が爆発しているようなシーンがありますよね。間に合うようにそこを離れなければいけないような、ヒーローの壮大な戦いを描くシーンが。そういう映画のシーンは女性たちには訪れないんです。女性たちには決して訪れません」で語って、ヒーロー映画において女性ヒーローが描かれることの少なさに警鐘を鳴らす。

「ビジネスや統計的な視点から見ると、これらは報酬が高い仕事なんです。だからこそ、私は女性たちが巨大なブロックバスターのアクション映画を書けるようになることを望んでいます」と、報酬が高い仕事だからこそ、女性たちが積極的に参加できるような状況になってほしいと願うマーゴットは、「それから、女性はアクションに関心がないなんていう推測は馬鹿げていますよね」とも語って、男性と同じくらい女性もアクションに関心があるのだから、女性ももっとアクション映画に関われるようになるべきだと訴えた。

女性による、女性のための映画を作る敏腕プロデューサーでもある

後の夫トム・アッカリーら友人たちと立ち上げた制作会社LuckyChap Entertainment

マーゴットのすごいところは、そんな女性たちが活躍するアクション映画を自らの手で製作しているところ。マーゴットは、2014年に後の夫となるトム・アッカリーら友人たちと制作会社LuckyChap Entertainmentを設立。メインキャストに女性たちが集結した2020年公開のDC映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は、LuckyChap Entertainmentが共同製作を務めた。

画像: 後の夫トム・アッカリーら友人たちと立ち上げた制作会社LuckyChap Entertainment

マーゴットたちがLuckyChap Entertainmentを設立したのは、女性たちに映画業界における活躍の場を提供するため。「私たちは純粋に、この業界において女性たちの物語や、女性のストーリーテラーたちを広げていきたいと思ったのです」と、マーゴットは米The Hollywood Reporterに語る。

「素晴らしい役をもらえていない輝かしい女性たちが大勢います。そしてそのこと以上に、監督における男性と女性の割合や、脚本における男性と女性の割合のような統計的なところを考えれば、やるべきことはたくさんあります。そういう統計を知ったときに、ただ座って何もしないなんていうことはできません」。

ちなみに、俳優業をやりつつ、プロデューサー業も並行して行なうという、多忙な生活を送っているマーゴットだが、彼女は凄まじい切り替え能力でマルチタスクをこなす才能の持ち主でもあるという。プロダクションの共同設立者で、幼馴染でもあるソフィア・カーは豪Vogueにこう証言する。「彼女はプロデューサーと女優のどちらが向いているのだろうかとよく考えます。(製作と主演で参加した)『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』の時には、彼女はアイススケートをしながら、その合間を塗って音楽の予算について話し合ったり、ロケにかかる費用を比較したりしていました。その後でまた氷の上に戻って、(主人公の)トーニャ・ハーディングへと変身します。唯一変わったのは彼女の仕事量ですが、彼女はボスとしてすべてをこなしてみせるんです」

1作目『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でマーゴット・ロビーがアカデミー賞にノミネート

同社にとって最初の公開作となった、マーゴットの主演作『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で、マーゴットがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなどいきなり成功を収めたことを皮切りに、今やハリウッドで最も勢いのあるプロダクションの1つとなったLuckyChap Entertainment。キャリー・マリガンが主演した2020年公開の『プロミシング・ヤング・ウーマン』では、当時はまだ映画を監督したことがなかったエメラルド・フェネルを監督に抜擢して、彼女は監督デビュー作ながらアカデミー賞で監督賞と脚本賞にノミネート。見事、脚本賞を受賞した。

画像: 1作目『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でマーゴット・ロビーがアカデミー賞にノミネート

ちなみに、マーゴット主演&グレタ・ガーウィグ監督で実写映画化されることで大きな話題になっている、2023年7月21日全米公開予定の『バービー』も、製作はLuckyChap Entertainment。映画界における女性クリエイターの雇用を増やしながら、これからも注目作を次々と届けてくれそうだ。

インスタグラムはやっていないけれど...

2021年6月に「しばらくの間、ソーシャル・メディアから離れることにしました」とインスタグラムに投稿して、SNSを離れることを宣言したマーゴット。彼女のファンにとっては残念なお知らせだったが、LuckyChap Entertainmentのアカウントには時折マーゴットの情報もアップされているので、気になる方はチェックして。

画像: ©️LuckyChap Entertainment/Instagram

(フロントロウ編集部)

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