『チョコレート＝ニキビができる＝肌に悪い』ではなかった？最近の研究からわかった、チョコレートとニキビの関係

2月は、いろいろなお店で販売されている、さまざまなチョコレートに目が行きますよね。
意中の人へのプレゼント以外にも、友人や家族、自分自身が楽しむためにチョコレートを購入するのも楽しみですよね。
しかし、昔から『チョコレートを食べ過ぎると、ニキビができる』といわれており、チョコレートは好きだけどニキビが気になる…という方は多いのではないでしょうか？
今回は、最近の研究からわかった、チョコレートとニキビの関係についてお話ししたいと思います。

チョコレートは無罪？ニキビと関係なし？？

実際に、1960年代に皮膚科医のFultonが実際にチョコレートを用いてアメリカで実施した試験があるので、ご紹介したいと思います。
試験は、中程度のニキビを有する65名の被験者を2グループに分け、チョコレートバーを毎日摂取するというもの。
ただし、片方のグループには通常の10倍のチョコレートを使用したバー、もう片方のグループにはチョコレートを全く含まないようにして、カカオバターの代わりに植物性脂肪を添加し、同じ外観・カロリーのバーを用意しました。
1カ月間、2つのグループにそれぞれのチョコレートバーを食べ続けてもらった結果(ニキビ以前に太りそう…)、2つのグループにおいてニキビの数や変化に差は見られませんでした。
チョコレートや脂肪を過剰摂取したとしても、皮脂の組成や分泌量に変化は無く、ニキビへの影響もなかったと報告されています(出典：JAMA. 1969;210(11):2071-2074)。
ですが、
「よし、これでチョコ食べ放題！！」
と思った方は、少し待ってください。
チョコレートとニキビの関係は、その後も研究が続けられており、異なる結果となった報告もあるのです。

チョコレートを食べるとニキビが増える？？

前述の試験では、ニキビに影響がなかったと思われたチョコレートですが、最近の研究ではさまざまな結果が報告されています。
チョコレートの中でも、特に健康に良さそうな99％カカオのダークチョコレートを使っておこなわれた試験についてご紹介します。
この試験は、ニキビができやすい男性被験者25人に、4週間の間1日25gのダークチョコレートを摂取してもらい、1週間ごとに肌の状態を確認しておこないました。
すると、試験開始2週間後にはニキビスコアに悪化傾向が現れ、4週間後には有意性まで確認されたのです(出典：Int J Dermatol. 2016 May;55(5):587-91)。
他にも、17人の若い男性と16人の中年男性に、1日あたりダークチョコレート10gを4週間摂取した試験でも、特に若い男性のターンオーバーや肌の細菌フローラの状況に変化が確認され、ニキビの発生への寄与が示唆されています(出典：J Clin Aesthet Dermatol. 2018 Sep;11(9):37-41)。
この試験によると、ニキビのできやすい若い世代の方がチョコレートの影響が大きく表れたです。
何より、体に良いというイメージのダークチョコレートがニキビを悪化させる可能性があるなんて、ビックリしてしまいますよね。
その他にも、チョコレートの摂取によるTNFやIL-1βといった炎症性マーカーの増加(出典：Cytokine Volume 62, Issue 1, April 2013, Pages 40-4)や、チョコレートに含まれる糖による血糖負荷など、チョコレートを食べることで起こるさまざまな要因が、ニキビに影響する可能性があると報告されています。
まだはっきりとわかっていない点も多いのですが、ニキビができやすいタイプの方は、チョコレートの食べ過ぎには注意が必要といえそうです。

肌に良い効果も！チョコレートの効果

ニキビに影響があると知ると、チョコレートを避けたくなってしまうかもしれません。
しかし、チョコレートに含まれるフラバノールには肌を紫外線から保護するという報告(出典：J Cosmet Dermatol. 2009 Sep;8(3):169-73.)や、皮膚の微小環境を急激に改善させるという報告(出典：Eur J Nutr. 2007 Feb;46(1):53-6)もあります。
『チョコレート＝ニキビができる＝肌に悪い』という訳でないのです。
やはり、
「これさえ食べたらあっという間にお肌がキレイに」
「これを食べたらすぐにニキビができる」
というような効果をもつ食べ物はありません。
どんな食べ物にも、いい面や悪い面があるため、バランスよく食べることが重要だといえます。

美味しいチョコレートがたくさん食べられる季節です。
程よい量で、お口にも、心にも、お肌にもおいしくいただきたいですね！