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杉咲花さん、2年前にSNSをやめて「作品に費やす思いの密度がより濃くなった」

  • 2023.2.10

突然撮影が休みになった俳優の1日を、さまざまなクリエーターが描くシリーズの第4弾、WOWOW連続ドラマW-30「杉咲花の撮休」(2月10日に放送・配信開始)。本人役を演じた杉咲花さんに、25歳となった現在の、仕事や自分自身に対して抱いている思いを伺いました。

――「杉咲花の撮休」は、杉咲さんに訪れた急なお休みを描いたオムニバスドラマですが実際に突然、撮休ができたら何をしたいですか?

杉咲花(以下、杉咲): 今は大掃除がしたいです!家にいるのが好きなので、休みの日は一歩も外へ出ずに、ご飯を作って食べたり、のんびりと過ごしたり。家の中で一日が終わることが多いかもしれません。

――今回、共演した橋本愛さんとは、プライベートでも親交があるそうですね。

杉咲: 以前作品でご一緒した時に連絡先を交換して、ご飯を食べに行ったんです。そこから仲良くさせてもらっていて、それこそお家でのんびりとご飯を食べながら話していると、あっという間に日が暮れてしまうくらい。会うと話したいことが尽きないんです。

朝日新聞telling,(テリング)

友人に対しては時には怒ったり、一緒に悲しんだり

――杉咲さんは現在25歳、だんだんと周りの同年代と、キャリアやライフステージが分岐していくタイミングだと思いますが、実感はありますか?

杉咲: どうでしょう。私はまだあまり実感する機会はないかもしれないです。

――たとえば友人のライフステージが変わったりした時に焦ったりするようなこともないですか?

杉咲: 周りの友人のことは、たとえば何かの節目で祝福したり、時には怒ったり、一緒に悲しんだり、そういった気持ちを抱くことはあると思うのですが、それによって自分自身の指標や行動に変化が出るということはあまりない気がします。

朝日新聞telling,(テリング)

SNSをしていると世間と繋がっている感覚があったが…

――「杉咲花の撮休」の中で、「(プライベートに)役を引きずらない」といったことをおっしゃっているシーンがあったのですが、杉咲さんご自身が俳優として気持ちを保つために大切にしていることはありますか?

杉咲: カメラが回っていない間も演じている役に心を侵食されるような瞬間がどうしてもあるとき、俳優である私としては現実から物語へ気持ちを整える範囲が狭まる分、没入しやすくはあるのですが、個人としての私は、苦しい時間が圧倒的に多くて。そういったアプローチを続けていくと身がもたなくなってしまうのでは、という危機感もあって、そのような状態にならなくても真に迫ったお芝居ができる俳優になるのが目標です。

――2021年にSNSをやめられていますよね。SNSで発信をしないようになって、心境の変化はありましたか?

杉咲: そうですね。やはりSNSをやっていると世間と繋がっている感覚があって、自分の存在を認知していてもらえる安心感のようなものを常に抱いていた気がするんです。なので、やめることは怖くもありました。
それから、作品のことを知ってほしいという思いから、私の場合は、SNSを通して伝えすぎてしまうというか、世間に対する執着のようなものが膨らんでいく感覚があったんです。いまはその環境がなくなったことで、作品に費やす思いの密度がより濃くなったような気がしているので、自分の性に合っているのかなと思います。

朝日新聞telling,(テリング)

――大きな出演作が続き、まさに人生の撮休がないようにも思える杉咲さん。昨年の1年間の振り返りと、今後の抱負について教えてください。

杉咲: 昨年はこの「撮休シリーズ」の撮影から始まり、とても刺激的な一年でした。その後携わったドラマ「プリズム」(NHK)や、まだ情報が解禁になっていない作品も含めて、いろいろな物語や役に出会う度に、社会との接点を感じる瞬間が多くて。自分はいまの社会をどう見つめているのかということを考える時間の重要性を改めて感じています。
これからどんな作品に出会えるんだろうという楽しみな気持ちと同時に、今、何が起こっているかを把握したり調べたりしたうえで、自分がどう進んでいきたいのかを考えていきたいです。

■田中 春香のプロフィール
大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。

■家老芳美のプロフィール
カメラマン。1981年新潟生まれ。大学で社会学を学んだのち、写真の道へ。出版社の写真部勤務を経て2009年からフリーランス活動開始。

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