1. トップ
  2. レシピ
  3. 世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」

世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」

  • 2023.2.8

数々の世界大会でトップの称号を手にしてきたジェラート職人・柴野大造さんが展開するジェラートショップ「マルガージェラート」。元々生まれ故郷である能登と金沢の隣町、野々市に店を構えていましたが、昨年10月、野々市店を移転する形で新たに「マルガーラボ野々市」をオープンしました。今回の移転は柴野さんの構想を2年以上かけて形にした新たな挑戦だといいます。

世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」
世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」
単なる販売所ではなく、想いや概念を伝える場所
世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」
ことりっぷ

カラフルなガラス窓が印象的な佇まい。白とクリーム色をランダムに配した外壁が能登の生乳を思わせます。店舗設計において、幾度となく打ち合わせをし、自身の想いをできる限り伝えてきたという柴野さん。お客様の動きや目線、自然光の入る角度など細部に至るまで計算尽くされた店舗になったと話します。

また店名も含め、外部に“ジェラート”の文字が一つもないというのも斬新です。ショップや販売所という概念を一度取り払い、様々な取り組みの中で能登の自然を伝える場所として「noto nature art labo」という看板を掲げています。

科学的につくられる過程を“魅せる”
世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」
ことりっぷ

マルガージェラートのコンセプトは“ジェラートを科学する”。食材の成分を論理的に紐解き、分子レベルで組み合わせを考えることで、自然由来のものを使って人間の身体が喜ぶジェラートを作り出せるとか。「マルガーラボ野々市」の店内に入ると、その想いが随所から伝わってきます。

まず目に入るのは、ガラス張りの工房。入口から奥に向かうにつれてジェラートが仕上がっていく工程順に設備が並び、中ではスタッフがきびきびと働いています。工房のガラス面にはレシピや計算式が書き記され、柴野さんの頭の中を覗いているような感覚に。店内の一番奥にジェラートの販売スペースがあり、どのようなプロセス踏んでジェラートがお客様の口に届くのか、可視化されているミュージアムラボラトリーなのです。

定番から変わり種まで個性溢れるフレーバー
世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」
シングル390円、ダブル500円、トリプル650円 ※フレーバーの種類によってプラス料金あり

今回頂いたジェラートは3種類。爽やかな酸味が広がるジェラートにキャラメリゼした生姜のアクセントが新しい「パッションココとジンジャークリスタル」(左ダブル上部、+100円)、栃木の完熟いちごを使った「野口さんのいちご」(左ダブル下部)、そして柴野さんを史上初のアジア人チャンピオンに導いた代名詞「パイン・セロリ・リンゴ」(右シングル、+100円)。この他、地元の季節食材を味わえるものや、能登のミルク100%でつくられたものなど、時期に合わせた約18種類ほどを揃えています。

新たに兄弟で成し遂げた快挙
世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」
(左上)代表の柴野大造さん(右上・左下)数々の賞を受賞したジェラート(右下)昨年世界一に輝いた弟の幸介さん

柴野さんを一躍有名にしたのがイタリア最大のジェラートの祭典「Sherbeth Festival 2017」での総合優勝です。審査員からは“日本の寿司コンテストでイタリア人が優勝する程のこと”と評され、世界一の座に。しかもそのコンテストに出したフレーバーが、イタリア人が苦手とする野菜の代表格・セロリの消化作用に着目した「パイン・セロリ・リンゴ」だというのにも驚きです。

さらに2021年には、イタリア政府公認機関から世界一の称号「世界最高のジェラートショップ」に選出。そして、2022年11月にも柴野さんの弟・幸介さんが考案した「パッションココとジンジャークリスタル」がジェラート国際大会「Gelato World Heritage 2022」で優勝しました。兄弟それぞれがつくり出したフレーバー、そして店舗においても世界のトップと肩を並べたのです。

常に進化し、ローカルから発信し続ける
世界一のジェラート職人の新たな試みを体現した「マルガーラボ野々市」
(左)上から「カンノーロ」380円~、「カンノチーニ」380円、「タルトレット」420円、「スフォリアテッラ」380円(右上・右下)同店の商品はそのほとんどが能登の生乳を使用

同店では新たにイタリアの伝統菓子が並ぶショーケースを設置。以前も焼き菓子を提供することはありましたが、今回の店舗ではラインナップも増え、常時購入できるようになりました。リコッタクリームを絞り、フルーツピールとピスタチオダイスで彩った「カンノーロ」や、リッチなカスタードの「カンノチーニ」など、能登の生乳を使用した石川ならではのイタリアンスイーツ。その場で味わうことはもちろん、手土産としても喜ばれるはずです。

ジェラートを中心とした石川県発信の乳製品の総合メーカーを目指す同社。プロデュースや監修を務めることも多い柴野さんですが直営店は石川県にしかありません。しかも店舗があるのは県内でもほんの少しアクセスしづらい場所。しかし、それも柴野さんの論理的な店づくりの一つだとか。わざわざ足を延ばしてでも食べたい、そんな商品を作り続け、進化していきたいという想いが込められているのです。

元記事で読む
の記事をもっとみる