山田はるかの「今の私を作ったもの」連載X+Y=Me

あなたの人生に大きな影響を与えたモノ・コト・ヒトはなんですか？
―今回お答えいただいたのは、人形操演の山田はるかさん。
３つのエピソードをともにご紹介します。

1. 興味があるのは、人と人形が共存する世界。

子供の頃、テレビの人形劇が大好きでした。今でも人形をはじめ、いろんなモノに感情移入しちゃうのですが、その原点にあるのが『それいけノンタック』。主人公のノンタックが魔法の眼鏡をかけると、身の回りにあるモノが喋り出すんです。人形操演を目指すきっかけになった作品の一つです。

2. 自分の血となっている、三木聡ワールド。

三木監督の作品はどれも大好きなのですがNo. 1はこの映画。何百回観たかわからない程観ています。この作品の演技の間や物語のテンポ感は私の中に血となって流れていて、私を作る全てがこの作品に繋がっています。「一生のうち、必死でなんとかしなくちゃいけない時は、そう何度もないのだ」というセリフにも勇気づけられました。

3. 自分と向き合うきっかけをくれた絵本。

劇団での修業時代、まだ人形をうまく遣えず、周りが見えなくなってしまっていたことがありました。そんな時にこの本に出会い、自分と向き合えたことで前に進めた感覚が、この本の「仕掛け」とリンク。絵本や児童書は好きで数百冊持っていますが、その中でも特別な一冊です。

山田はるか 人形操演

人形の体を動かし、生きているかのように操る“人形操演”の若手のエース。繊細な演技と即興を得意とし、舞台やライブで活躍するほか、NHK Eテレを中心に、テレビのレギュラー番組を数多く担当する。現在出演中の番組は『ねほりんぱほりん』『おげんさんといっしょ』『星野源のおんがくこうろん』など。

illustration : Miso Okada text : Yoko Abe