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6年ぶり母国復帰の元G大阪ファン・ウィジョに直撃!JリーグではなくKリーグ行きを決断したワケ【一問一答】

  • 2023.2.6
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「6カ月間、ルーキーの気持ちでプレーします」

欧州生活を一時的に中断し、FCソウルへのレンタル移籍を通じて6年ぶりにKリーグ復帰を果たした韓国代表FWファン・ウィジョ(30)は、力強い口調で覚悟を伝えた。

1月6日午前、仁川(インチョン)国際空港を通じて日本・鹿児島での2次キャンプへ発つチームに合流したファン・ウィジョ。ときめきと緊張が交差した表情を浮かべた彼は、ほかの選手よりも早く空港に到着し、クラブ関係者と会っていた。

前日の5日、FCソウルはファン・ウィジョと6カ月間の短期レンタル契約を結んだことを発表した。

Jリーグも噂に…それでも母国復帰を決断したワケ

 

昨年8月にフランス2部降格のボルドーを退団し、イングランド・プレミアリーグのノッティンガム・フォレストへ移籍。同時に、フォレストと同じオーナーがいるギリシャのオリンピアコスへレンタル加入した。

しかし、ギリシャでは公式戦12試合出場で1ゴールも決められなかった。リーグ戦に至っては昨年10月の途中出場を最後にベンチ入りすらできず、事実上の戦力外状態だった。

結局、当初は1シーズンの予定だったレンタル契約も半年で解約となったが、ファン・ウィジョはレンタル元のフォレストに復帰したとしても、公式戦に出場できない状況だった。

というのも、国際サッカー連盟(FIFA)の規定では、選手は1シーズンで最大3チームまで選手登録ができるものの、公式戦出場ができるのは2チームのみと定められているからだ。

ただし、秋春制を採用する欧州と異なる日程を敷くリーグであればプレーができるため、春秋制でシーズンが行われる韓国Kリーグや米メジャーリーグサッカー(MLS)、かつてガンバ大阪時代に経験した日本のJリーグなど、各国リーグの一部クラブから関心が集まった。

そのなかで、最も積極的にファン・ウィジョと接触したのがFCソウルだった。

ファン・ウィジョとしても良い選択だ。すでにKリーグを経験しているため、リーグへの適応に時間を要することはない。

また、プロデビューした2013年当時に城南一和天馬(ソンナム・イルファ・チョンマ/現・城南FC)の指揮官を務めたアン・イクス監督が、現在のFCソウルを率いている。かつて師弟の縁を結んだ恩師の存在が、ファン・ウィジョの6年ぶりKリーグ復帰を後押しした。

「未来について多くのことを考えました」と口を開いたファン・ウィジョは、「アメリカなど複数からオファーがあり悩みましたが、FCソウルに来ることが、再び欧州に出て良い姿を見せるのに役立つと考えました」と伝えた。

空港で取材に応じるファン・ウィジョ

オリンピアコスでチームメイトだった韓国代表MFファン・インボム(26)のアドバイスも一役買った。ファン・インボムは昨年、ロシアのウクライナ侵攻の影響でプレーの場を探していた当時、FCソウルに3カ月間という短期契約でレンタル加入し、現在のオリンピアコスを通じて欧州に再進出した経緯がある。

「インボムを通じてFCソウルというチームに接しました。また、ソウルワールドカップ競技場で多くのファンの方々の前でプレーするということだけでも、モチベーションになると思います」と、ファン・ウィジョは移籍の経緯を明かした。

FCソウルが前日に公開した映像を見ると、アン監督はファン・ウィジョとの久しぶりの再会を喜んでいる様子だった。

ファン・ウィジョは「ルーキー時代を思い出しました。監督があまりに恐ろしい方だということは皆ご存じでしょう」と笑いつつも、「ですが、いつも良い言葉、暖かい言葉をかけてくれます。人間的にも学ぶべき点が多い方です」と尊敬の念を示した。

そして、「6カ月間、ルーキーの気持ちでプレーしなければならないと思っています」とし、「日本でコンディションを最大限引き上げなければなりません。できるだけ多くのゴールを決めてチームに貢献したいです」と意気込みを伝えた。

以下、ファン・ウィジョとの一問一答。

―アメリカや日本からもオファーがあったなかで、FCソウルを通じてKリーグ復帰を決めたが。

「未来について多くのことを考えました。アメリカなど複数からオファーがあったのは事実です。たくさん悩みました。しかし、(慣れたKリーグにいる)FCソウルに来ることが、再び欧州に出て良い姿を見せるきっかけになると考えました」

―FCソウル加入を決める過程で、オリンピアコスの同僚であるファン・インボムの影響も大きかったと思うが。

「チーム(オリンピアコス)を去ることを決心した際にたくさん話をしました。Kリーグは自分も経験していたのでよく知っていましたが、FCソウルは初めてです。チーム的な部分をはじめ、ソウルワールドカップ競技場でプレーすることについても聞きました。多くのファンの方々の前でプレーするということだけでも、モチベーションになると思います。失望させず、最大限チームのために自分ができることをしたいです」

―城南時代の恩師であるアン・イクス監督がとでも喜んでいたが。

「ルーキー時代を思い出しました。監督があまりに恐ろしい方だということは皆ご存じでしょう。ですが、いつも良い言葉、暖かい言葉をかけてくれます。サッカー選手として、人間的に学ぶべき点が多い方です。6カ月間、ルーキーの気持ちでプレーしなければならないと思っています」

―昨シーズンのFCソウルはゴールが少なかった(38試合43得点:ワースト2位)。ファン・ウィジョの得点を期待する声も多い。

「日本でコンディションを最大限引き上げなければなりません。できるだけ多くのゴールを記録して、FCソウルがより良い位置に上がれるようにしなければなりません」

―FCソウルへのレンタル移籍の過程で、所属元のノッティンガム・フォレストと交わした話は。

「(フォレストが)6カ月の条件でレンタル移籍を許可してくれました。それ以降はどうなるかはわかりません。ひとまず6カ月後に戻る条件です。(昨年夏からプレシーズンの練習をまともにできなかったが)最近までチーム練習を続けてきたので、大きな問題はありません。FCソウルで選手たちと息を合わせながら、お互いに臨むことが何なのか、チームが望む方向が何なのかを感じながら適応していきたいです」

―Kリーグ復帰に感慨深いものもあると思うが。

「6年ぶりです。以前とはずいぶん変わったと思います。良い選手がいるチームも、良い戦術のチームも多いです」

―FCソウルにはナ・サンホ、キ・ソンヨン、ユン・ジョンギュなど元代表・現代表のチームメイトも多いが。

「サンホとは(FCソウル加入が)確定してから連絡しました。ソンヨンさんからはその前から電話がかかってきました。選手として(自分のような状況で)経験した部分や感じた点を共有しました。尊敬する先輩から電話をいただいて、色々と話を交わし、最後の決定に役立ったと思います」

―キ・ソンヨンからFCソウルへの“誘い”があったのか。

「(笑いながら)機会があればFCソウルに来てほしいと言っていました。ぜひ来いというより、本人の経験を話してくださったので、助けになりました」

―早朝から多くのファンが空港を訪れたが。

「本当に感謝しています。朝からたくさんのファンが来てくれました。スタジアムにも来てくださって、応援していただきたいです。(FCソウルが)良いサッカーをするチームだということを知らせたいです」

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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