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デビューから10年を支えたものは?【岡崎紗絵】の分岐点&これからの話

  • 2023.2.6
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「これまで」と「これから」を語ったロングインタビュー

モデルと女優。2つの軸を行き来しながら、デビュー10年という節目を迎えた。「年数を意識してなかった」と正直な心境がこぼれたのは、走り続けている限り、現在地も通過点だから。

順風満帆に見える彼女のサクセスストーリーをロングインタビューでひもときます。

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Topic1 ターニングポイント

Rayのカバーを飾りたい。ごく自然に欲が出てきた
モデルとしての紗絵は、セブンティーンを卒業後、Rayの専属モデルに。初めての単独カバーが決まった日のことをよく覚えていた。

「マネージャーさんから電話で聞いて、すぐ母に電話しました。いやー、うれしかったですね。『どんな表紙になるんだろう』って撮影がすごい楽しみだったし、待ち遠しかった。

雑誌のカバーは1年に12回しかなくて、その12分の1を飾ることは、すごく責任があるし、本屋さんに自分の顔がパーッて並ぶんだと思ったら、夢みたいだった。

初めてのときは、うれしさが先走っていたけれど、今はどちらかといえば責任感。絶対に表紙を可愛くしたい!ってみなぎってます。

自分がというより、雑誌のためですね。どんな写真がたくさんの方の目を引くんだろう?みたいなことを考えるようになりました。

そういう考えに至っているのも、何度もカバーを経験させていただけたおかげです。私にとって表紙を飾れることはとても誇らしいことだから、そういう意味では多少は“サクセスできている”かなと思います(笑)。」

雑誌のカバーを飾ることは、彼女にとってひとつの目標だったという。

「私は、目標を定めるのが苦手。もちろん、今までの人生で一応は選択をしているし、選択をしているから今ここにいるわけなんですけど、先を見据えるのは得意じゃない。

でも、Rayのカバーは、Rayモデルとしてここにいるからには叶えたい夢だった。自分の居場所として身近に感じられるし、プロとしての意識もあるからこそ芽生えた想いだったんだと思います。

カバーのお話をもらったタイミングも、自分の中の感覚として出番も増えていって、素敵な企画をいただけている手応えがあって、Rayモデルとして熱量をちゃんと伴っていたから、すごくしっくりきました」

デビューから10年を支えたものは?と尋ねると、「すごいカッコいいこと言っていいですか?」とハニカミながら、こう続けた。

「自分に負けたくないんです。あれやりたい、これやりたいはないけれど、与えられたら絶対やり遂げたいし、乗り越えたい。

負けず嫌いな一面は昔から持ちあわせているものだけど、20代前半くらいまではその矢印が他人に向いていたんです。

あのコには負けたくないってメラメラしている時期もあって、でも、今はその感情がなくて、『あれ?私の負けず嫌いがどこかにいっちゃった!』と焦ったこともありました。

でも、人にはそれぞれの階段があって、上るペースも違っている。事務所の社長にも、『己を見さない。自分だよ』と何度も諭されました。

たとえ、後ろを歩いていたと思っていた人が自分の前を歩いているとしても、いつの間にか『いってらっしゃい』と思えるようになれた。

それは私自身だって階段を上っている途中だから、焦る必要なんてなくて、自分の階段だけ見ていればいいよねって。最善を尽くしていけば、輝ける瞬間はちゃんとくるはず」

Topic2 これからの私

足元を見失わずに、やるべきことをやっていく
映画やドラマでも単独主演を務めるなど、女優としての評価はまさに右肩上がり。それは、人を演じること、役を生きることに真摯に向きあってきた証だ。紗絵のサクセスストーリーは続いていく。

「天才肌でなんでもさらりとデキるように見られたい憧れはあるけど、私はあれこれ考えたり、自分と向きあったり、準備する時間が必要なタイプで、デビューからの10年は、そんな自分を知るための月日だったと思います。

考えてばっかりで嫌になる日もあるけれど、やっぱり私の仕事は熱量を持って、考えを深めていかないといけない責任がある。

写真も映像も作品はずっと残り続けていくわけだから。『全力を出しつくしたか?』『ちょっとぬるかったんじゃない?』と、自分に問い続けることを手放さず、気を引き締めていきたいですね。

性格的に、理想を追い求めすぎてしまうとできなかったときのダメージが大きいタイプだし、気持ちだけが先走っちゃって、自分の体がついていけなくて転んじゃうこともある(笑)。

そんな自分を知っているからこそ、足元をちゃんと見て、やるべきことをやっていけたら。その上で、どんな現場においても、少しだけ実力を超えたなにかをエッセンスとして盛り込めたら最高です。

しみじみ幸せだなと思うのは、年令を重ねるほどに輝いている先輩たちがいて、現役で走り続けてくださっていること。素敵な人ほどやさしくて、柔軟なんですよね。

自分のペースとかスタイルを確立して、いいパフォーマンスをしながら、ちゃんとまわりにも心を配れる。

いまだに支えられてばっかりですが、そんな背中を見ていると、私もいつか誰かにとってそういう存在になれたらと憧れます。とはいえ、まだまだずっと先の話になりそうですけど」

撮影/女鹿成二 スタイリング/杉本奈穂(KIND) ヘア&メイク/菅長ふみ(Lila) モデル/岡崎紗絵(本誌専属) 取材・文/長嶺葉月

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