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『ねこのおふろや』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第348回】

  • 2023.2.6

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子の読み聞かせにこんな絵本はいかがですか。

『ねこのおふろや』 くさかみなこ/文 北村裕花/絵 アリス館 1650円

2月6日は、お風呂の日。 そして2023年の2月6日は、ちょうど満月。 お風呂の日×満月というこのタイミングに、にゃんとも、いえ、なんともぴったりの新刊絵本、『ねこのおふろや』を紹介します。

人が寝静まった真夜中の町で、ひっそりと開く一軒のおふろやさん。 満月の光に照らされた、破風屋根の立派な門構え。 のれんに浮かぶのは「猫湯」の文字。 そう、ここはねこによる、ねこのためのおふろや。 今日もたくさんのねこたちが 「こんばんにゃ〜」 とやってきます。 「こんばんにゃ〜」 と番台で迎えるのは、貫禄たっぷり、ネコモリさんとネコハラさんの姉妹です。

料金は、おとな100ニャン、こどもは50ニャン。 脱衣所で準備をして、お風呂場の扉を開けると、湯気の向こうから 「こんばんにゃ〜」 「こんばんにゃ〜」 の声が。 中は早くもにぎわっている様子です。 しっかり体を洗ったら、さあ、どのお湯から入りましょう。 名物の、大きな大きなぬる〜いお風呂。 しろねこにおすすめの「まっしろゆ」、くろねこにおすすめの「まっくろゆ」。 他にもまだまだ、ねこにはたまらないスペシャルなおふろもありますよ。

体も心もほぐれたら、おふろの中であれこれおしゃべり。 のらねこ暮らしをぼやいたり、はたまた飼い主の愚痴を言い合ったり。 気ままに見えるねこだって、気楽なことばかりではないのです。 だからこそねこのおふろやで、スッキリ、にゃっぱり、いい気持ち。 上機嫌なねこたちの笑顔に、こちらも心がゆるゆる、ほかほか。 皆さんもページを開いて、 「ごくらくにゃ〜」 なひとときを、ぜひご一緒に。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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