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「全員倒せばいいんじゃないですか?」――。先輩との関係に悩む女子生徒に保健医が送る「斜め上にぶっとんだトンデモアドバイス」<メンタル激強保健医の力技カウンセリング 1>

  • 2023.2.5

「全員倒せばいいんじゃないですか?」
一風変わった保健室の先生が、悩める思春期にトンデモアドバイス!

1月23日にKADOKAWAから発売された『メンタル激強保健医の力技カウンセリング 1』(著者:霰屋)は、異色の保健室コメディだ。強靭なメンタルをもつ保健医が、相談にやってくる生徒に「斜め上にぶっとんだトンデモアドバイス」を送る。

思春期の女の子と若い男性教師が...

明美川(あけみがわ)高校の新任教師・駒井翔子は、同じ時期に赴任してきた養護教諭(保健室の先生)・逢沢真人(まさと)が気になっていた。

女子が多い明美川高校に、なぜ男性の養護教諭がやってきたのだろうか。「なんで男の人なんだろうね」「男の人だと相談しづらいこともあるし...ちょっとねー...」と、生徒の間でも戸惑いの声が出ていた。

ある日、駒井が顧問を務めるテニス部の女子生徒・羽鳥がケガをした。駒井は羽鳥を保健室に連れてきたものの、「思春期の女の子と若い男性教師が保健室でふたりきり」の状況が心配で、ドア越しに中の様子をこっそり伺う。

「逢沢先生...イケメン...に見えなくもないし 髮形ヘンだけど 女子高生ならドキドキするかも......」と感想を抱きつつ、駒井はふたりのやり取りを見ていた。

すると逢沢は「部活 何部なんですか?」「中学からテニス部なんですか?」「普段はどんな練習を?」......と、速いテンポで羽鳥に質問を投げかけた。意外と喋る人だなと思ったら、羽鳥が喋るのに気をとられて、痛みを感じにくくするためのようだった。

「ケガでもなんでも 困ったことがあったら相談してくださいね」。そう言って微笑む「意外と明るい」逢沢に、駒井は感心した。覗き見している自分のほうがよっぽど恥ずかしいではないか......と。

「全員倒せばいいんじゃないですか?」

逢沢に心を開いた羽鳥は「私...ちょっと悩みが......」と、部活の人間関係の悩みを口にした。人見知りの自分にも親切にしてくれる大好きな先輩がいる。しかし自分は、その先輩に試合で勝ってしまったという。

「あ~ な~~るほどぉ...」
「でででも 手加減するのは違うと思って 全力でやるのが礼儀かなって...」
「ちょーっと気まずいですよねぇ 先輩の心境を思うと」
「そう! そうなんです! こういうときって どうすればいいでしょうか?」
「全員倒せばいいんじゃないですか?」
「え」
「えっ」

全員倒すとは、いったいどういう......? 逢沢はこう説明する。「その先輩は『後輩に負けた』と思っているからショック」なのであり、「貴方が部員全員に勝って 誰にも負けない強い選手になれば――」先輩のダメージは軽減されるはず。「一番強い奴に負けた」ということになるから、と。

納得した羽鳥は「わかりました 全員倒します」と宣言し、保健室を出た。生徒の悩みをたった数分で――。一部始終を見ていた駒井は、逢沢の対応に感動していた。その勢いで、駒井は自身の悩みを相談し始める。

「先生...やっぱり...教師は堂々としてなきゃダメですよね わかっていたつもりですけど大変な仕事ですよね... 私も先生みたいにこの先ちゃんとやれるでしょうか 逢沢先生には不安や悩みはないんですか?」
「なくても特に支障がないので 持ってません」

逢沢はそれだけ言って、ピシャと保健室のドアを閉めた。立ち尽くす駒井は改めて思う。「あ 逢沢先生って... やっぱり変...!!」

本書は「1時間目」から「7時間目」、「放課後」の構成。悩める生徒たちに、逢沢はどんな「斜め上にぶっとんだトンデモアドバイス」を繰り出すのか――!? 変わり者ながら、不思議と安心感を抱かせる逢沢。彼の力技カウンセリングを受けた(読んだ)ら気が楽になりそうだ。

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