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津軽の魅力をすべて体験。星野リゾートの温泉旅館【界 津軽】で青森満喫の欲張りステイ

  • 2023.2.5
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青森県の津軽地方といえば、北国の厳しい環境を思い浮かべる人も多いはず。星野リゾート【界 津軽】は、津軽独特の文化にふれる温泉旅館です。江戸時代から続く伝統的な刺繍「津軽こぎん刺し」や、厳しい土地柄を旋律に乗せる津軽三味線の演奏など、“陸奥(みちのく)”の文化を満喫するひと時。2022年11月にできたばかりの「かまくら露天風呂」も注目です。

館内にちりばめられた津軽の美

青森県の西半分を占める津軽地方。東の南部地方とは言葉も異なり、独特な文化と風土に彩られた土地柄です。最寄りの大鰐温泉駅へは、新幹線が停まる新青森から特急で40分ほど。駅から宿までは送迎バスが1日4往復しています(往路は要予約)。

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▲玄関は雪を避けられるように、屋根の広いクルマ回しを備えます

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▲玄関に入ると、奥に見える金色の山に導かれるようにして通路を進み、ロビーへと向かいます

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▲広い窓から池が見える開放的なロビー。フリーのドリンクサービスも用意します

ロビーを飾るのは日本画の巨匠・加山又造の名作『春秋波濤』。原画を陶板に再現した大きな壁画は、逆巻く波やあでやかな山が津軽の冬に彩りを添えています。

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▲ロビーや渡り廊、テラスから風景を楽しめる「津軽四季の水庭」。新緑や紅葉、そして冬は水墨画の世界が広がります

館内でよく目にする模様が、江戸時代中ごろに誕生した刺し子“津軽こぎん刺し”です。当時農民たちは倹約を名目に麻の着物しか着用を許されず、目の粗い生地が防寒に劣るため、刺繍をして布目を埋め、保温性を高めるようになりました。そこへ装飾性を加えたのが津軽こぎん刺しのルーツ。“厳しい冬が生み出した美”と言える存在です。

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▲スタッフのユニフォームにもこぎん刺しの柄が入ります

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▲ねぷたコーナー

東北三大祭りに数えられる青森のねぶた祭。弘前では“ねぷた”に変わり、立体的な人形を作る青森ねぶたの山車(だし)に対して、扇形の山車を使うのが弘前ねぷた。そのねぷた絵が、客室棟へ向かう通路を飾ります。絵師が制作したねぷた絵のほかに、制作に使う道具も展示されています。

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▲大浴場へ向かう通路「ねねねコーナー」

「ねねねコーナー」に飾られる弘前ねぷた。青森の短い夏を燃焼するかのように盛り上がるねぷた祭り。「ねねね」とは津軽弁の「今夜は寝ないぞ」という意味に納得です。

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▲津軽びいどろの照明は丸い形に歴史があります

1980年代まで漁具として使われていた緑色の“ガラスの浮き玉”。青森市内の浮き玉メーカー北洋硝子は、樹脂製のフロートが主流になると、カラフルな食器作りに転換。それが全国に知られる「津軽びいどろ」のはじまりです。飾られた照明は浮き玉をモチーフにした球形で、光の具合で色合いが変わるので、ここを歩くのが楽しみのひとつです。

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▲廊下を飾るこぎん刺しの光と影

客室棟の最上階にある60mの廊下は「木漏れ日Kogin」と名付けられ、天井をこぎん刺しのアートが飾り、壁には影が映し出される幻想的な雰囲気です。2018年には海外メディアに「世界のホテルの美しい廊下10選」に選ばれ、フォトスポットとしても人気です。

津軽こぎん刺しに彩られた客室

全ての客室は「津軽こぎんの間」として、現代風にアレンジしたこぎん刺しのデザインが、客室表示の行燈やベッドのヘッドボード、障子などにほどこされます。そのうえ40部屋全てのこぎん刺し模様が異なっていて、何度泊っても楽しめます。

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▲人気のご当地部屋「和室 リビングスペース付き」。ブナ材の美しさを表現する青森のメーカーBUNACOの照明スタンドが、すべての部屋で暖かな光を投げかけます

2019年にリニューアルされた「和室 リビングスペース付き」は、間接照明に彩られた高い天井と、ヨガもできるほど広い64平米の客室で、定員2名という贅沢さ。床には琉球畳が敷かれていて、小上がりになったベッドスペースと、窓際のソファスペースを有します。

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▲ベッドは“雲に包まれたような寝心地”がコンセプトの「ふわくもスリープ」。部屋ごとにデザインがちがう「こぎんウォール」の独特な意匠をぜひ楽しんでみてください

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▲50平米の「洋室」には、津軽こぎん刺しの模様を大胆に採り入れています

「洋室」のベッドは他の客室とくらべると高さがあるので、より楽な寝起きをご希望の方におすすめです。ベッドスローにもこぎん模様が散りばめられています。

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▲「洋室」では、天井に模様を映し出す「こぎん幻燈」を楽しめます

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▲他の客室より多彩なこぎんグッズが用意されているのも「洋室」の楽しさ

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▲客室のキーホルダーにも津軽こぎん刺しが刻まれていました

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▲部屋には身体が温まる「蒸し生姜湯」や「りんご茶」を用意。津軽金山焼のカップにもこぎん模様が添えられます

五所川原市の良質な粘土を使い、青森産の松の木の薪で焼き上げた“津軽金山焼”のマグカップを、各部屋に用意。1985年に誕生した焼きもので、土の質感を感じるマットな風合いは、使い込むほど味わいが増します。

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▲アメニティを包むオリジナルの風呂敷も、界に泊る楽しみのひとつ

風呂敷の柄は「お客様と界との縁がつながるように」という願いを込めた“縁(えにし)だれ”をモダンにアレンジ。もちろん持ち帰りができるので、小物を入れたり部屋に飾ったりと使い方はあなた次第。施設ごとに色が違うので、集める方も多いとか。

津軽らしさが伝わる大浴場

県内各地に温泉地が広がり、銭湯や共同浴場が点在する“温泉県”青森。1190年ごろに発見された大鰐温泉は、津軽藩藩主がたびたび湯治に訪れた歴史ある温泉地です。大浴場に使われた、十和田石と青森ヒバは、他県の旅館やホテルでも浴場の建材として重用されています。

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▲毎日開催している無料の「温泉いろは」は“界の湯守り”がガイドとなって、温泉の効果的な入浴方法を教えてくれる楽しい講座です

界津軽では「じっぱ(めいっぱい)がっぱ(たくさん)スパ」と題して、紙芝居で大鰐温泉の歴史や泉質、おすすめの入浴法を紹介。温泉で、身も心もリフレッシュする効果を高めます。

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▲2021年12月より登場した「御湯印帳」で、全国各地の界ブランドの宿で記念スタンプを集めます

「温泉いろは」に参加すると、客室1部屋につき1冊「御湯印帳」をプレゼント。その宿だけのスタンプと、温泉の歴史や泉質を記したゴム印が押され、宿泊した日付や泉質のチェック蘭、そこでの体験も書き込めるので、宿の想い出にぴったり。1冊¥300で販売もしていて11箇所の捺印が可能です。

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▲湯上り処で入浴前後の水分補給

大浴場の前には、さっぱり甘いりんご酢や身体がよろこぶごぼう茶、アイスキャンディを用意するほか、脱衣場にはりんご水も置かれます。入浴の前後に必要な水分補給にくわえ、ビタミンやミネラル、りんごポリフェノールなども摂れるんです。

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▲2022年11月に「かまくら露天風呂」が誕生

大浴場では、水庭に張り出した場所に、湯船を囲うようにアーチをつけた「かまくら露天風呂」が完成。例年11月下旬頃に初雪を迎え、厳冬期には1メートルを超える積雪がある界 津軽では、まるでかまくらの中に居るような気分で雪見風呂を楽しめます。

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▲「かまくら露天風呂」から雪景色

深めの作りの「かまくら露天風呂」は、肩までしっかり浸かれるのでとてもよく温まります。目の前の水庭に浮かぶ灯籠には、津軽こぎん刺しがあしらわれ情緒満点です。

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▲十和田石や青森ヒバなど青森産の建材を使った大浴場

内湯の床には緑色の十和田石が敷かれ、肌触りが優しい青森ヒバの湯船には無数のりんごが浮かびます。泉質はpH7.6のナトリウム・塩化物-硫酸塩線で、保温や保湿効果が高く、肌に優しい柔らかな温泉です。

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▲湯船にじっと浸かっていると、プカプカ浮いたりんごたちが行ったり来たり。りんごの香りでリラックス効果もアップします

りんご風呂には宿の近くにある農園の規格外のりんごを使い、日によって品種が変わります。りんご風呂は10月初旬から5月初旬までで、りんごの季節を終えると“ヒバりんごが”湯船に浮かび、青森ヒバの清涼感のある香りが漂います。

津軽こぎん差しと津軽三味線の演奏を生体験!

様々なアクティビティや体験を用意する星野リゾートの界ブランですが、ここでは実際に津軽こぎん刺しを体験。さらに毎晩21時からは津軽三味線全国チャンピオンの渋谷幸平氏とスタッフによる生演奏を実施。津軽の伝統と、その魂に迫るまたとない機会です。

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▲こぎん刺し体験「思い出こぎん」

津軽こぎん刺しを誰でも簡単に体験できるよう、界 津軽オリジナルの紙で無料の「しおり作り」を楽しめます。糸は桜やカシス、リンゴなど、すべて青森にちなんだ色を用意。ラウンジの横にあるライブラリーでいつでも自由にできるので、滞在の空き時間にぜひ作ってみてください。

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▲存分にこぎん刺しを楽しむ「こぎん刺し 刺し放題」

有料のこぎん刺しの刺し放題キットは、貸し出し用裁縫セットとミニフレーム付き。客室で津軽こぎん刺しに没頭できてしまうキットです。こぎん沼にハマり寝不足にはご注意を。

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▲津軽三味線全国チャンピオンの渋谷幸平氏とスタッフによる演奏会は迫力満点

全国の界で行われる「ご当地楽」は、その土地の伝統文化に触れられる貴重な体験を用意。界 津軽の「津軽三味線生演奏」はマイクを通していないので、大きな音を生み出す高度な演奏技術が求められ、他ではなかなか聴けない貴重な生音体験ができます。哀愁を帯びていながらも狂おしく響く旋律は、津軽の厳しい風土そのもの。魂を揺さぶられるひと時です。

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▲演奏会終了後、希望者は三味線体験に参加。渋谷幸平氏やスタッフの手ほどきで「さくらさくら」を弾きます

津軽三味線や津軽こぎん差し、弘前ねぷたや津軽びいどろといった、青森の伝統と文化に触れられる星野リゾートの温泉旅館【界 津軽】。もちろん地元素材をふんだんに使った創造性豊かなディナーも外せません。津軽特有の文化と風土を、思う存分体験してみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:界 津軽 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaitsugaru/>

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