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わが子が、いよいよ「小学校」へ!入学までに家庭でやっておいた方がよい、3つのコト

  • 2023.2.4
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小学校入学までにやっておくとよい「3つのこと」は?
小学校入学までにやっておくとよい「3つのこと」は?

3月31日の午後11時59分59秒まで「幼児」と呼ばれていた子が、午前0時を過ぎ、4月1日になっていきなり「小学生」に変身するわけではありません。日付は一つの区切りかもしれませんが、子どもにとっては単なる時間の連続です。

しかし、周りの大人はそうではありません。「幼児」ではなく、「うちの子は小学生」と言います。小学校に入学すると、幼稚園、保育園の先生のように下の名前ではなく、「田中さん」「佐藤さん」と名字で呼ばれます。

子どもにとって大きな環境の変化である、小学校への入学。戸惑わないために、子どもが幼児期の間に家庭でやっておいた方がよい「3つのこと」を、子育て本著者・講演家である筆者が考えてみました。

家に「針のついた時計」を置くべき理由

【道具の準備は自分でさせる】

小学生になると、時間割を確認して、明日使う教科書を自分でランドセルに入れなくてはなりません。教科書以外にも図工道具、雑巾など、先生から指示される持ち物があります。

幼児期に、通園バッグの中身のお便り帳、タオルの準備を親が全部するのではなく、子ども自身にさせましょう。実は、幼稚園や保育園で、保育士はこれらを子ども自身にさせています。自分の棚に道具を置いたり、タオルをかけたりするなど、子どもは「自分のことは自分で」しているのです。家庭でも、親が手を出し過ぎないようにしましょう。

【時計が読めるようにしておく】

学校ではチャイムが鳴りますが、チャイムだけで行動するのではなく、時計を見て行動できる子は、時間的にも気持ち的にも余裕ができます。「授業まであと5分だから、今のうちにトイレを済ませておこう!」「あと10分で授業は終わり。給食だ!」といったように。

時計が読めるようになるには、家に針のついたアナログの時計を置いておきましょう。数字だけが表示されるデジタル時計はお勧めしません。どうしてかというと、デジタル時計では数字を読んで「8時30分!」とは言えても、時間の概念が身に付かないからです。時計が読めることはすなわち、「時刻を言える」ことではなく、「時間経過が体の感覚で分かる」ことです。

私はかつて学習塾を経営していたのですが、小学校1年生の子どもたちの授業で、目をつぶらせて「1分たったら手を挙げる」ということをしていました。すると、時間を体の感覚で分かっている子どもは、ほぼ正確に手を挙げていました。しかし、普段から時間を意識せず、親の「早くしなさい」の言葉に条件反射で動く生活を送っている子は、時間感覚が育っていないのでしょう。10秒で手を挙げたり、反対に、ずっと目をつぶったままだったりすることがありました。

針のついた時計は時間経過が視覚的に分かるので、ぜひ家に置くことをお勧めします。できれば、時刻を表す数字が1から12まで書いてある時計にしましょう。

なお、時計を置いただけだと“壁紙化”してしまうので、「早くしなさい」ではなく「8時までに準備しようね」、「早く起きなさい」ではなく「ほら、時計を見てごらん。7時だよ、おはよう」と声掛けをしましょう。そうすると、子どもは次第に時計が読めるようになっていきます。

実際、幼児期に時計自体を見たことがなく、小学校の算数の授業で使うプリントに書かれた時計で、初めて時計を見る子どももいます。時計を読むことは理屈ではありません。時計は、日常生活の中で自然に触れることで読めるようになっていくのです。

【一定時間、椅子に座っている習慣をつける】

小学校に入学すると、1コマ45分の授業が始まります。給食が始まると、45分×5コマの授業が午後2時ごろまで続きます。通わせている幼稚園、保育園が自由保育で、朝から晩まで好きなことをして遊ばせている場合、45分間、じっと集中して先生の話を聞くことは、子どもにとってハードルが高いです。

小学校では毎日、国語や算数などの新しい知識を学びます。授業で分かった気になっていても、それはそのときだけのこと。家に帰ってからの“再生的学習”が大切で、そのために宿題も出ます。

家庭学習の時間は「10分×学年」といわれています。小学校1年生なら10分、2年生なら20分、3年生なら30分…といった具合です。幼児期に1分も机に向かう習慣がない子どもに、いきなり「今日から小学生なんだから10分間、机に向かってお勉強しましょう」と言っても、それは無理なこと。それならば、年長さんなら小学校に上がる1カ月前くらいから、「お絵描き」でも「絵本を読む」でも何でもよいので、1年生の半分である5分間、机に向かう習慣をつけておくのはどうでしょうか。

小学校入学を控え、不安でいっぱいの親の気持ちとは裏腹に、子どもは期待と夢でウキウキしています。私は現在、保育園でも仕事をしているのですが、毎年3月になると、年長さんにこんな質問をします。「小学校に早く行きたい人?」。「は~い」とかわいい声で全員、挙手します。

「皆、小学校に何をしにいくの?」と聞くと、「遊びに行く」という答えは返ってきません。「お勉強をしに行く!」と元気に答えます。子どもたちの答えが正解で、学校は自分の未来を切り開くため、学力をつける場です。

今回紹介した「道具を自分で準備する」「時計を読む」「一定時間、椅子に座っている」練習は、実は子どもにとって苦痛ではなく、うれしいことなのではないでしょうか。小学校入学前にぜひ、やってみてくださいね。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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