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「NISAを始めよう!【2】」お金の教科書Vol.13 #リアルボイス

  • 2023.2.3

毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「NISAを始めよう!【2】」です。

NISAを始めよう!【2】#増やす

西山美紀さん ファイナンシャルプランナー。お金、生き方などをテーマに取材を重ね、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方を発信中。All About貯蓄ガイドや著書『お金の増やし方』(主婦の友社)も好評。

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。家を買うべきか悩み中。

話題の新NISAって、一体どこがすごいの?

未知子:昨年末から話題になっている新NISA、具体的にどう変わるんですか?

西山:もともと2024年に変わる予定だったNISAが、岸田内閣の「資産所得倍増プラン」を受けてさらに見直され、より使い勝手がよくなった印象です。

未知子:詳しく知りたいです!

西山:簡単に説明すると、自由度と金額がアップしたんです。

未知子:いいことずくめ!

西山:そう。まず自由度は、これまで1年単位でつみたてNISAと一般NISAのどちらか一方しか選べなかったのが、新制度では「つみたて投資枠」(現在のつみたてNISAに該当)と「成長投資枠」(現在の一般NISAに該当)の併用が可能になるんです。

未知子:併用できると投資先の選択肢が増えますね!

西山:しかも、これまで期限付きだった非課税保有期間が無期限に。そして併用可になったことに伴い、金額も1年間で最大360万円まで投資が可能になりました。

未知子:でも、そんなに投資に回せないんですが……(泣)。

西山:金額の多寡は気にしなくて大丈夫! 積み立てを継続することが重要なので、月100円などからでも可能ですよ。世界中の株などに分散投資できる投資信託などに、少しずつトライする絶好のチャンスだと思います。

未知子:これを機にやってみて、投資のコツを掴みたいです!

新NISAをやるべき人と注意点&心構えとは?

未知子:新NISAには、向き不向きってあるんでしょうか?

西山:誰にとってもおすすめの制度ですが、とくに全資産が預貯金だけの人は検討の価値あり。インフレや円安が進めば、日本円の預貯金だけだと資産が目減りする危険性もあるので、海外への投資などに活用してみては?

未知子:なるほど!

西山:でも、投資は資産が増えることも減ることもあることを頭に入れておいて。万が一、半分に目減りしても大丈夫だと思える余裕資金で始めることが大切です。

未知子:その心構え、覚えておきます! ほかに注意点は?

西山:これまで、つみたてNISAであればコストの低い投資信託を積み立てることができました。ですが新NISAでは、投資信託と株式などを併用できるため、リスクや手数料が高いものに最初から手を出すことのないように気をつけてください。

未知子:私は初心者なので、新NISAでもつみたて投資枠からスタートしようと思います。

西山:それが安心です! あとは資産を分散することを忘れずに。投資の割合を増やしすぎないように注意したいですね。

未知子:注意点に気をつけながら、この機会に少しずつやってみようと思います!

新NISAの特徴

金融庁資料より編集部作成

【つみたて投資枠】
年間投資枠:120万円
非課税保有期間:無期限化
非課税保有限度額:生涯で1800万円まで(そのうち成長投資枠は最大1200万円)
口座開設期間:恒久化
投資対象商品:投資信託 ※長期の積立・分散投資に適した投資信託。
対象年齢:18歳以上

【成長投資枠】
年間投資枠:240万円
非課税保有期間:無期限化
非課税保有限度額:生涯で1800万円まで(そのうち成長投資枠は最大1200万円)
口座開設期間:恒久化
投資対象商品:上場株式・投資信託等
対象年齢:18歳以上

5つのポイント

・つみたて投資枠と成長投資枠が併用可能に!
NISAは1人1口座が原則。現行のつみたてNISAと一般NISAは、年に1度どちらかを選択する必要があったが、新制度では併用可能に。自由度が上がり、さまざまな投資の戦略を立てられるように。

・非課税保有期間が無期限に!
現行のつみたてNISAでは20年間、一般NISAでは5年間だった非課税保有期間が無期限に。より長期的な資産形成が可能になり、非課税期間終了後の運用方法などに頭を悩ませる必要もなくなった。

・制度が無期限化!
現行のつみたてNISAは2042年まで、一般NISAは2023年までと、これまでは期間が定められていたこの制度。その期限が撤廃され恒久化されるため、より長期的な目線で投資することが可能になる。

・非課税枠の再利用が可能に!
新たに取得価格ベースで合計1800万円(うち、成長投資枠は1200万円まで)の生涯非課税保有限度額の設定が。売却すると取得価格分の枠が復活するため、必要なとき売却しやすくなり自由度が上がる。

・年間の非課税投資額が拡大!
現行のつみたてNISAにあたる「つみたて投資枠」は3倍の120万円、一般NISAにあたる「成長投資枠」は2倍の240万円に。年間の非課税投資額が拡大したことで、最大360万円まで投資可能に。

自由度と金額が大幅アップ!
より使いやすくなった新NISAを活用しよう。どんな人にとってもおすすめの新NISA。2024年のスタートを前に、しっかり知識をつけておこう。

次回は、2336号(2023年2月15日発売)掲載予定です!

※『anan』2023年2月8日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・宮尾仁美

(by anan編集部)

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