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品のある人の持ち物は少ない。一流は、バッグの中身をこう選ぶ

  • 2023.2.4

持ち物は、その人自身を映す鏡だ。素敵だと思われる人のバッグには、何が入っているのだろうか?

上質なものを少しだけ持つこと=「ミニマムリッチ(R)」を提唱しているのは、キャリアコンサルタントの横田真由子さんだ。たくさんのものではなく、厳選したものを持つ良さとは? ケリングジャパン(旧GUCCI JAPAN)の販売員として数々のVIPを接客した経験から、品と余裕を感じさせる「あなたの印象を美しくする持ち物」のポイントを教えてくれる。横田さんの著書『一流のお客様に学んだ気づかい 大人女子の小さなマナー帖』(大和書房)の内容を見てみよう。

自分の"モノサシ"で持ち物を選ぶ

営業職だったあるお客さんのバッグには、「三種の神器」が入っていたそうだ。それは、目の疲れ=表情の疲れを防ぐ目薬、靴擦れの応急処置用の絆創膏、除菌・乾燥対策のプロポリス飴。「いい仕事をするにはセルフケアが大事なの」と語っていたという。

この人のように、自分の価値観で「これ」と思ったものを厳選して持ち歩くことが大事だと横田さんは言う。

余計なものは持ち歩かない、最低限必要なものだけにしようと取捨選択することで、人生におけるプライオリティも明確になります。
いつも持ち歩くバッグの中身は、あなたの心でもあります。何を入れて、何を諦めるのかを決める自分のモノサシを持つことができると、そのモノサシはあなたに自信をもたらしてくれます。バッグに入っているものは、あなたの生き方そのものです。

"モノサシ"を持たないまま、あれもこれもと持ち物を増やすと、本当に大事なものがわからなくなる。持ち物を選ぶ前に、「自分のスタイル=生き方」を見つけることが重要だ。横田さんの"モノサシ"は、「ご機嫌でいること」。手触りのいいハンカチや、母からもらった手鏡、美しいフォルムの香水など、ほっとして気分が上がるものを持ち歩いているという。

また、持ち物で大事なのが「適量」だ。

少なすぎても寂しいし、多すぎても苦しい。省いたり小さくしたり、トライアンドエラーを繰り返しながら、最適な心地よさを探していくことで、適量がどのくらいかがわかります。身の丈を知っている人は、マイスタイルを持った風通しのよい暮らしをしています。

横田さんが実践している「適量」を知る方法は、バッグの中身を透明なビニール袋に入れて、目で確かめてみることだ。多すぎる、持ちすぎていると感じたら、いらないかもしれないと思うものをまず1つ袋から出す。1週間経ったらまた1つ出す......と繰り返し、8割の量まで減らして、ワンサイズ小さなバッグにする。心がすり減ったときや余裕が持てないときにこの"選び直し"をするとよいと、あるお客さんに教えてもらったそうだ。

美しく、履き心地のいい靴を

イタリアには「靴はその人の人格を表す」ということわざがある。どんなに服に気を遣っても、靴がボロボロなら印象が台無しだ。

「靴は消耗品」だと考え、安く済ませている人もいるかもしれない。しかし、靴は見た目の印象を左右するだけでなく、足に合わないものを履き続けると健康を害する恐れも。数は少なくていいので、おしゃれで履きやすいものを妥協せず選ぶとよい。横田さんは、ある一流客から「まずは、黒のパンプスを一足、妥協なく選んでみる」と教わったそうだ。

「上質な一足を妥協なく選ぶことができると、人生が変わる」とお客様はおっしゃいました。

横田さんが「履きやすいうえに洗練された靴」だと感じたのは、GUCCIのモカシン。初めて買ったブランド品だったそうだ。

靴べらを使って足を入れたとき、ジャストサイズだと「ジュワッ」という音がします。この音は、質の高い人生を歩き始めるファンファーレのように感じました。

あなたも、「これだ」と思う靴をまずは一足探し当てて、人生のお供にしてみてはいかが。

『一流のお客様に学んだ気づかい 大人女子の小さなマナー帖』では、持ち物の他にも、身だしなみ・言葉遣い・振る舞いかた・気づかいのテーマで、品と余裕のある人になるポイントを紹介している。

■横田真由子さんプロフィール
よこた・まゆこ/ミニマムリッチⓇコンサルタント、オフィスファーレ代表。株式会社ケリングジャパン(旧GUCCI JAPAN)の販売スタッフとして、著名人やVIP顧客の接客に従事する。VIP顧客の物選びに女性としての優雅な生き方を学び、独自の「大人エレガンス」を実践する契機となる。2004年、英語の「DO」と同義語のイタリア語「fare」を屋号に、「オフィスファーレ」を設立。ものをただ使い捨てるのではなく、選んだものを大切に手入れしながら愛し抜く姿勢に真の豊かさを感じ、「上質なものを少しだけ持つ人生」=「ミニマムリッチⓇライフ」を提唱し、セミナー、講演、執筆活動を行う。著書に『本当に必要なものはすべて「小さなバッグ」が教えてくれる』『本当に必要なことはすべて「ひとりの時間」が教えてくれる』(クロスメディア・パブリッシング)、『品格のある女性はスカート丈が美しい』(大和出版)などがある。

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