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お悩みをアニメ映画で解決!観る常備薬 〜日常編〜

  • 2023.2.3
『映画「けいおん!」』

先生:川井久恵(『アニメージュ』編集長)、土居伸彰(アニメ評論家)

毎日がつまらないです。刺激を感じたいのですが

日常の中に刺激を見出して。

(川井)

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』

毎日がつまらないとお嘆きのそこのあなた。お祭り騒ぎのように刺激的で楽しい日々がループして、永遠に抜け出せなくなってしまったとしたら……?

「今の生活をずっと続けていたい」というラムの願いが叶ったその世界。大好きな人たちと一緒に楽しい出来事を味わいたい、永遠に終わることなく──。それは果たして幸せなのか、はたまた恐怖なのか?

終わってほしくない気持ちはわかりますが、終わってしまうからこそ人生は尊いもの。なにげない日常の中にも楽しいことはきっとあるはず!

発想や見方を少し変えるだけでも、世界は刺激的になるのでは?

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『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』

あたるやラムたちは連日学校に泊まり込んで文化祭の準備に大忙し。なぜか文化祭前日が毎日繰り返されることに気づいた途端、町のほとんどの人々は消えてしまい……。サバイバル生活を送りながら謎を解く姿を描く。'84/監督:押井守。

世界は広い! 一歩を踏み出そう

(土居)

『マインド・ゲーム』

まずは刺激的な映像に身を浸して、心を活性化させましょう。本作の後半、主人公たちは巨大クジラの腹の中で生活し、比較的楽しく暮らすのですが、でも最終的には「世界」を求めて脱出します。

そして世界の広さを改めて実感します。つまらなさを感じるのは心と環境の問題だということを教えてくれるのです。あなたも一歩を踏み出してみては?

映画『マインド・ゲーム』
©2004 MIND GAME Project

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『マインド・ゲーム』

漫画家志望の西は、電車で初恋の女の子みょんと偶然出会う。彼女の家族が営む焼き鳥屋に行った時、借金取り立てのヤクザに遭遇し、射殺される西。神の制止を振り切って生き返った西はヤクザを射殺。逃避行が始まる!'04/監督:湯浅政明。

毎日がハードすぎます。癒やしが欲しいです

キラキラした高校時代を追体験

(川井)

『映画「けいおん!」』

高校でガールズバンドを結成した5人の女の子たちのゆるやかな部活ライフを描いた本作は、悪人が出てこない理想の世界。彼女たちが楽しんでいる姿を見ているだけで癒やされます。

コロナ禍でなかなか海外旅行に行けない今、ロンドンでのハプニングも含めて楽しめるはず。高校時代が輝いていた人はもちろん、そうじゃなかった人にも観てほしい。

映画『映画「けいおん!」』
©かきふらい・芳文社/桜高軽音部

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『映画「けいおん!」』

軽音部3年生の唯、澪(みお)、律、紬(つむぎ)の4人は、いつも通り部室でゆるやかな時間を送っていた。ある日、みんなで卒業旅行に行こうということに。後輩の梓(あずさ)も参加することになり、くじ引きの結果、ロンドン行きが決定!'11/監督:山田尚子。

わかりやすい「癒やし」は危険かも?

(土居)

『河童の腕』

河童がかわいらしいのですが、腕を引っこ抜かれて、鍋に入れて食べられ、UFOに連れ去られ、と散々な目に遭います。現代社会は、癒やされたいという気持ちに付け込まれることもあり、そんな警告も含まれているように思います。

また、河童は循環する自然の一部分であり、自分もまた一つの現象にすぎないと思えば、少しは気が楽になるのでは。

映画『河童の腕』
©ひらのりょう/FOGHORN

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『河童の腕』

「河童の腕はすぐ抜けます。それは河童はもともと人形だったからです。ぼくは、体を大事にけがや病気にならないようにしたいです」──。気鋭のアニメーション作家による短編。YouTubeで配信中。'09/監督:ひらのりょう。

profile

川井久恵(『アニメージュ』編集長)

かわい・ひさえ/茨城県生まれ。徳間書店入社後、広告営業部、映画事業部を経て『アニメージュ』編集部に配属。2014年に『アニメージュ』初の女性編集長として就任。最新号の『アニメージュ』12月号(22年11月10日発売)では、『ブルーロック』を表紙&巻頭で大特集している。

profile

土居伸彰(アニメ評論家)

どい・のぶあき/1981年東京都生まれ。国際映画祭『ひろしまアニメーションシーズン』プロデューサー。代表を務めるニューディアー社を通じて世界の優れたアニメ作品を、製作・配給・執筆等を通じて多角的に紹介。最新の著書に『新海誠 国民的アニメ作家の誕生』(集英社新書)。

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