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独ブンデスリーガで活躍するGKが始めた、意外なスタートアップとは?

  • 2023.1.28

昨年のW杯カタール大会では一次リーグで敗退と、残念な結果だったドイツのサッカー男子代表。しかし、ドイツ最大の統計ポータルサイト『スタティスタ』によると、やっぱりドイツで最も人気のスポーツはサッカー!不動の一位を誇る。ドイツ国内のプロサッカーリーグ、『ブンデスリーガ』は地元に根付き、コアなファンにしっかりと支えられているのだ。

現在ブンデスリーガ1部リーグで快進撃を続けているのが、アイントラハト・フランクフルト。長谷部誠選手や鎌田大地選手など、日本人選手が所属、活躍しているので、名前を聞いたことがある方も多いかもしれない。このチームのキャプテンでゴールキーパーを務めるのがケヴィン・トラップ。2021年にオーツミルクのスタートアップ『Mølk』を始めて、話題を呼んでいる。

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ケヴィン・トラップ。15歳で親元を離れ、1.FCカイザースラウテルンと繋がりの深いエリート・スポーツ全寮制学校へ進み、プロの道へ。2015年からパリ・サンジェルマンに移籍。2018年に古巣のアイントラハト・フランクフルトへ復帰した。

オーツ麦(えん麦)と水から作られるオーツミルクは、近年ドイツで代用ミルクとして評価が高い。豆乳やライスミルクなどほかの植物性ミルクと比べて製造過程で消費されるエネルギーや水が少なく、原料のオーツ麦がヨーロッパで生産しやすいこともあって、環境への負荷が低いのがポイントだ。スーパーマーケットの店頭にはさまざまなメーカーのものがずらり。ポップなパッケージも魅力だ。

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牛乳のパッケージに比べ、カラフルなパッケージが多い代用ミルク。『Mølk』もパステルカラーが印象的で、テーブルに置きたくなる。2023年ドイツのレッド・ドット・デザイン賞でブランド&コミュニケーションデザイン賞受賞。

ロックダウン中、フランクフルトで飲食店チェーンを経営する友人がオーツミルクの入手に苦労していたことから、トラップはこのビジネスに参入することになった。2022年のドイツ連邦の栄養レポートによれば、ドイツ人のいまや約半数が「フレキシタリアン(あまり肉を食べない、時々ベジタリアン)」やベジタリアン、ヴィーガン。オーツミルクの需要も右肩上がりだ。サッカースタジアムでも、ベジメニューを導入している。しかし、プロサッカー選手ともなれば体力勝負。肉や乳製品をがっつり食べるイメージがあるが、どうなのだろうか。

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パリ・サンジェルマン時代にコーヒーが美味しくなかったことから、自分でコーヒーを淹れるようになったというトラップ。ラテをよく作るそうで、製品開発の際には味はもちろん泡立ちの良さにもこだわったという。

トラップ自身はベジタリアンではないが、フランクフルトの新聞のインタビューに答え、もう長いこと牛乳も乳製品も摂らず、肉もかなり食べる量を減らしていると語っている。トラップは実は大のコーヒー好きで、自宅だけでなくスタジアムにも自分のお気に入りのコーヒーマシンを置いて、ラテアートにも凝っているとか。日々何杯もラテを飲む中で、オーツミルクで入れたコーヒーを飲んだほうが体調がいいのに気がついたのが、食生活を見直すきっかけになったそうだ。『Mølk』の製品を作るにあたっては、アイントラハト・フランクフルトの栄養士が原材料などもチェックしている。

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オーツミルクはフォームドミルクが作りやすい『バリスタ』と『ピュア』の2種類。フランクフルト市内のスーパーマーケットREWEで展開している。

今回、ついに悲願のW杯優勝を果たしたアルゼンチンのリオネル・メッシも、最近はヴィーガン中心の食生活に変えていて体調が良くなったと語っている。スポーツ界にもヴィーガンブームが巻き起こりそうだ。

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アイントラハトの栄養士も開発に関わったという『ピュア』。オーツミルクだけでなくヘルシーフードとして注目が再び集まっているオートミールを煮て作るお粥『ポリッジ』の販売もスタートした。

『Mølk』公式URL:https://shop.moelk.co/

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