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平等主義的な国ほど、「才能がない」と感じる女子が多い?

  • 2023.1.24

能力や実績があるにもかかわらず、自分自身を過小評価しネガティブに捉えてしまうインポスター症候群。人生に深刻な影響を及ぼすこの傾向が、ティーンの女子に根付いているようだ。世界71カ国の15歳の女子に自分の失敗について尋ねたところ、男子と比較して、はるかに才能がないことを恐れていることがわかったと、ある学術誌が発表した。

世界的に、女子は男子よりも失敗した時、自分には才能がないせいにする傾向がある。photography: Getty Images

インポスター症候群は、幼い頃から女性に根付いているものなのだろうか?世界71カ国において、女子は失敗を自らの才能不足のせいとし、男子は外的要因のせいにする傾向があることを知ると、そう感じざるを得ない。学校では女子も男子と同じように頑張っているにもかかわらずだ。

優秀な生徒たちの間で深まる格差。

研究結果は、2018年のOECD学生の学習到達度調査(PISA)をもとに、学術誌「Sciences Advances(サイエンシズ・アドバンシーズ)」が発表したものだとAFPが伝えている。

男女の公平性に疑問符が付くサウジアラビアを除けば、この傾向はどの国でも同様だが、フランス、ドイツ、カナダ、スペイン、アイスランド、日本を含むOECD加盟国ではより顕著にその傾向が現れている。失敗の責任を負うことを恐れている女子は61%であるのに対し、男子は47%で14%のギャップがある。一方、調査対象の非OECD諸国では、このギャップはほぼ半分の8%にとどまった。

この研究は深刻なパラドックスを明らかにしている。つまり男女間の格差に、平等主義的な国の学業優秀な女子ほど大きく影響を受けているということだ。調査者はこの現象について明確な説明をしていないが、自信や学問の選択などほかの問題についても同じような傾向が観察されていることを過去に指摘している。

個人成功の崇拝。

この調査結果は、「国が発展する時、ジェンダー規範は消滅するのではなく、再構成される」ことを証明している、とフランス国立科学研究センターの研究者で、この調査の共同研究者であるトーマス・ブレダは言う。この一因として、成功も失敗もすべては個人の責任だと考える個人成功の崇拝が挙げられるだろう。「才能のあるなしを問わない社会では、こうした固定観念が入り込む余地が少なくなる」とトーマス・ブレダは指摘する。

それならこうした社会的なモデルを変え、別の成功の評価基準をもうけるべき?トーマス・ブレダは、課題は「純粋な才能というレトリックから離れること」だと指摘する。「成功は、試行錯誤しながら学ぶことから生まれる。(中略)もし私たちが純粋な才能という考えを解体すれば、女子は男子より生まれつき才能がないという考えも解体されるだろう」

キャリアに、社会に、インパクトを与える。

同時に、男子と同じように、女子も自由に人生を選択できるようにすることが重要だ。今回の調査で、女子は男子より才能がないと思い、男子に比べて自分に自信がないという傾向がわかった。そして、競争が苦手な人ほど、大人になって情報通信技術分野の仕事に携わる可能性が低い。「ガラスの天井」は、明らかに学校で築かれている。

問題はふたつある。若い女性は、将来性があり高給な責任あるポジションに就くチャンスが少ない。そして社会において、経済活動や技術革新に貢献するチャンスも少ない。

しかし実際には、男女混成の企業が最も成功し、革新を生み出している。そして何より、女性も男性と同じように、未来のテクノロジーに影響を受ける。だからこそ、男性同様、できるだけ多くの女性に貢献してもらうべきなのだ。

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