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世界からお届け!SDGs通信 ベルリン編。400年の歴史を持つ伝統工芸〈ラウシャ〉の繊細なガラス製品

  • 2023.1.24
世界からお届け!SDGs通信 ベルリン編。400年の歴史を持つ伝統工芸〈ラウシャ〉の繊細なガラス製品

サステナブルな工芸品を、よりサステナブルな生産環境から

ドイツ中央に位置するチューリンゲン州の森の中にある小さな町、ラウシャ。ここは古くからガラス産業の中心地として栄え、その始まりは1597年まで遡る。人口4000人ほどのラウシャでは、今も多くの就労者がガラス職人として数百年前から変わらない伝統的な技法とツールで手作りのガラス製品を生み出している。

古い時代は巧妙に作られたガラス製の義眼が良く知られたが、今日最も有名なラウシャのガラス製品はクリスマスオーナメント。丁寧に取り扱わないと簡単に割れてしまう繊細なものも多く、その特別感と手作り特有の素朴な温かみを持つ様々なデザインは世界中で愛されている。他にもガラス製ストロー、コップやピッチャーなど、リサイクル可能な実用品も豊富だ。

伝統を守り続けているラウシャにある数々の工場でも近年、エネルギー効率向上対策の必要性が高まっており、チューリンゲン州とEU連合の共同出資によるプロジェクトの一つとして、生産現場のエネルギー効率化のアドバイスと全ての照明をLEDに変更することにより、ガラス産業を支える町全体のエネルギー収支が改善されている。元来サステナブルな手作りという形で継続されてきたガラス生産と、そして持続可能なラウシャの工芸ガラスは時代の変化に応じながら、末長く受け継がれていくことが望まれている。

ガラス製のクリスマスオーナメント
繊細なガラス製のクリスマスオーナメント。
ラウシャの町のイラスト
森に囲まれた環境にあるラウシャの町。
「フォレストグラス」
酸化鉄によって着色された「フォレストグラス」。

Information

ラウシャ・グラスセンター

ラウシャ製のガラス工場は数多く存在する。まずは現地でさまざまな製品を取り扱う〈ラウシャ・グラスセンター〉のウェブサイトをチェックしてみるのがおすすめ。
HP:https://www.glaszentrum-lauscha.de/

profile

渡部明子

わたなべ・あきこ/ベルリン在住。ベルリン発のカルチャー関連を中心としたライター業の傍ら、ギャラリー勤務中。

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