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理想の“普通”を追求! 注目シェフが生み出す、バレンタインにおすすめの3品

  • 2023.1.22

お菓子のオリンピックとも呼ばれる「クープ・デュ・モンド」の他、数多くのコンクールで受賞を積み重ね、名実ともに“最高峰のシェフ”へと歩みを進めている德永純司さん。德永さんが満を持してオープンした自身のお店『エキリーブル』には、シェフが作るお菓子を求めて、日々、多くの人が足を運ぶ。

いま最注目のシェフが挑む“至福に満ちた普通”の味。

equilibre(エキリーブル)不動前

德永純司シェフ

「遠くから来てくださる方だけでなく、常連さんも多くてありがたいです。週1で通ってくださる方だったり、それこそ近所にお住まいのおじいちゃんが定期的に来てくださったり。嬉しいですね」

「普段使いしてもらえる店にしたい」と話す德永さんが目指すお菓子のキーワードは“誰もがおいしいと思う普通さ”。

「奇をてらったことが好きじゃないんですよね。それよりも、老若男女、誰にでも食べやすくて、おいしいと言ってもらえる“普通”のものを作りたい。店名の『エキリーブル』はフランス語で“バランス”という意味なんですが、お菓子を作る上でもバランスって一番大事だと思っているんです。甘味も酸味も、ちょうどいいところに落とすバランス感覚というか。それが、誰もがおいしいと感じる“普通”の味には必要だと思います」

バレンタインにおすすめの3品も、理想の“普通”を追求して、德永さんが変化を重ねて作り続けてきたお菓子が並ぶ。

「『エッソンス』は、チョコレートスポンジに、グランマルニエに漬け込んだいちじくとオレンジを合わせてチョコレートガナッシュを重ねたもの。ガナッシュにもグランマルニエを効かせているので、濃厚だけどキレのある後味です。『キャラメルショコラオランジュ』は、定番なチョコレート×オレンジの組み合わせの中で、特に食べやすさを意識して作りました。ビスキュイショコラの上に、ショコラノワールのムースとミルクチョコレートのクリーム、オレンジのクリームを重ね、苦味、甘味、酸味のバランスをとっています。『リシパ』は、ライチのケーキを作りたいと思って試作を重ね、出来上がったもの。ライチとチョコレートを合わせたケーキを見かけることってあまりないと思うんですけど、試してみたらおいしくて。ミルクチョコレート×ライチのムースに、ピンクグレープフルーツのジュレを入れています」

3品の中でも、『エッソンス』と『キャラメルショコラオランジュ』は、德永さんがホテルレストランのシェフパティシエだった頃から作り続けてきた自信作。

「僕自身が飽きっぽいこともあって(笑)、デザインを変えたり、味わいを変えたりと、アップデートしてきました。『リシパ』も、もう覚えていないくらい試作の数を重ねて納得のいく形に辿りついたんですが、今でもマイナーチェンジを続けているんです。一つ完成させて終わり、じゃなくて、もっとおいしくしたい、もっと充実させたいなと。とはいえ、“今のベスト”が店頭に並んでいるので、ぜひ今、食べに来てほしいですね」

「リシパ」¥750。ライチとミルクチョコレートに、ピンクグレープフルーツの苦味が重なり生まれるメリハリがポイント。

「キャラメルショコラオランジュ」¥730 。チョコレートの苦味とキャラメルの甘味、オレンジの酸味のハーモニーが絶妙。

「エッソンス」¥750。德永さん曰く、「チョコレートならではの濃厚さを、シンプルに味わってほしいケーキ」。

ショーケースには色とりどりのプチガトーの他、カヌレやマドレーヌ、フロランタンなどの焼き菓子、ボンボンショコラもラインナップ。ボンボンショコラには、「リシパ」と同じようにライチと組み合わせたフレーバーも。「チョコレートって、いろんな表現の仕方があって、どの素材も合わせることができるから作るのが楽しい」と德永さん。

equilibre(エキリーブル) 東京都品川区西五反田5‐11‐10 TEL:03・6417・4882 11:00~19:00 火・水曜休(不定休)テイクアウトのみ

とくなが・じゅんじ 「ザ・リッツ・カールトン東京」をはじめ、国内有数の高級ホテルのレストランで経験を積む。昨年3月に独立し、同店をオープン。

※『anan』2023年1月25日号より。写真・清水奈緒 構成・菅野知子 取材、文・間野加菜代

(by anan編集部)

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