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マザコン夫の義母に”別居婚”を提案され…30代妻が「苦悩の末に下した決断」とは【後編】

  • 2023.1.22

夫がマザコンであることを結婚後に知り、今後の生活に暗雲が立ち込めたと話す理恵さん(仮名)。30代後半で10歳年上の夫と結婚したこともあって、マザコン発覚後も離婚に踏み出すべきか、たくさん悩んだそうです。メンタル心理カウンセラーの並木まきが、30代女性の苦悩の末の決断をご紹介します。

夫がマザコンと知ったあとも我慢を重ねる日々… しかしコロナ禍で状況が一変

「夫がマザコンだとわかってからも、言えば本人と喧嘩になるだけで、何にも解決しない日々を送っていました。相変わらず夫は義母にべったりで、休みの日には私を家に置いて一人だけ実家で過ごしていましたし、夜の生活もないまま時間ばかりが過ぎていましたね。

“このままでいいのかな、こんな人と結婚しちゃった私はこの先どうなるんだろう…”と考えていた矢先に、世間がコロナ禍になって状況が変わりました」

ウイルスによって社会の様相が変わっていくにつれ、理恵さんの心境にも変化が。そして感染を恐れる義母の口からのとんでもない提案が、理恵さんが離婚の覚悟を決めるきっかけになったそうです。

コロナ禍の義母の言葉をきっかけに離婚を決意

「あるときに義母が、“理恵さんは接客業をしていて感染リスクが高いから、別居婚をしたほうがいい”と言い出しました。IT関連の仕事をしている夫はテレワークに移行していたので、私のほうが感染リスクが高いのは事実です。ただ、単に夫が感染することを心配しているのではなく、夫と頻繁に会う義母たち自身の感染リスクが上がることを懸念していたようです。

理屈としてはそうだろうなという気もしましたが、私はこの義母の言葉を聞いて、“この人たちにとって私は結局、邪魔者でしかないんだな”と思いました。これがきっかけで、急速に気持ちが離婚へと傾いていったんです。

それまでは“年齢のせいで再婚は厳しいかもしれない”と思って離婚に踏み出せなかったんですけど、このときの義母の言葉には、そういう心配を吹き飛ばすほどの破壊力がありました」

そして理恵さんは、結婚1年半で夫に離婚を提案。夫からはすぐに「そうしよう」と合意があったそうです。

「離婚のときに夫から『世間体を気にして結婚を決めたけれど、僕は結婚には不向きだから離婚したいと言ってくれて助かった』と言われました。『僕は血のつながりがないと家族だと思えないことも、今回の結婚でよくわかった』とも言っていましたね。
ハイスペックで見た目もそこそこの夫が、なぜあの歳まで独身だったのかが、遅ればせながらもそのときになってよくわかった気がしました」

早期に決着をつけたかった理恵さんは、慰謝料も財産分与もなく離婚届を出すだけで協議離婚。別れるときは涙ひとつ出なかったそうで、夫と過ごした1年半は、空虚で“おままごと”のような結婚生活だったと振り返ります。

「当時、私も年齢を気にして勢いで結婚を決めましたが、“結婚したからといって、もともと絆のない二人の間がなんとかなるものでもないんだな”ということがよくわかりました。夫には、『僕はもう二度と結婚しないけれど、君のおかげでバツイチになれたことに感謝する』と言われました。それまで夫は、周囲から“なんで結婚しないの?”って聞かれることが多く、それにウンザリしていたから結婚したと言っていたので、私と一度でも入籍したことで彼は得たいものを得たんだと思います。

私もバツイチになってしまったけれど、あの結婚が“おままごと”みたいなものだったからこそ、次はちゃんとした結婚生活を送れる相手と再婚したいなって思います」

長らく独身を続けてきた人の中には、“世間体”だけを理由に結婚を決める人もいるようです。理恵さんの夫のように筋金入りのマザコンの場合には、適齢期に母親からの干渉が強く、婚期を逃しがちな面も否めません。幸せな結婚生活を送るためには、できるかぎり相手の素性や本性をよく知っておくことが大切といえるでしょう。

©yamasan/sot/gettyimages

文・並木まき

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