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【長崎県】女神大橋の“頂上”に登る貴重な「てっぺんツアー」で、175mからの絶景大パノラマに感動/体験レポート

  • 2023.1.23

長崎市のランドマークの一つ・長崎湾にかかる全長1289mの「女神大橋」。なんと、この“頂上”に登れるツアーがあるのをご存知ですか? その名もズバリ「てっぺんツアー」! 春と夏に限り、月に1回ほど実施される貴重なツアーに参加したので、詳細をレポートします!

400段の階段を上る絶景ツアーへ、いざ出発!

るるぶ&more.編集部

2005年にかけられた長崎市の南部と西部を最短距離で結ぶ「女神大橋」。斜張橋としては国内で6番目に長い全長1289mで、全104本の白いワイヤーに吊られた姿は、女神という名にふさわしい美しさです。

「てっぺんツアー」で上るのは、主塔。塔の中にある400段もの階段を自力で上り、まずは高さ120mにある2本の柱をつなぐ水平梁(すいへいばり)、そして最終ゴールである高さ175mの主塔頭頂部を目指します!

長崎県庁の土木部の提案でツアーが実現⁉

女神大橋の橋桁から撮影。手前の右側の主塔に登ります
女神大橋の橋桁から撮影。手前の右側の主塔に上ります

当然ながら、もともと観光客が塔に上る想定では造られていない女神大橋。「てっぺんツアー」が始まったきっかけは、「美しい女神大橋を長崎県の観光資源として活用できたら」という声が、長崎県庁の土木部から挙がったから。

3年ほどかけてツアーの実証実験が行われ、のべ500人以上のモニターの声をもとに改善を重ねてきたそう。安全対策を万全にした上で、ついに2020年に「てっぺんツアー」が実現しました。

塔の中の通路は狭く壁に頭をぶつけやすいので、ヘルメットは必須
塔の中の通路は狭く壁に頭をぶつけやすいので、ヘルメットは必須

ツアー参加者は、集合場所の駐車場でまずガイドさんからヘルメットを受け取りました。

「橋の上から落とし物をすると、車や通行人にとって大変危険」ということで、ガイドさんが用意してくれたストラップを携帯電話につけ首からぶら下げます。カメラや飲料水のペットボトル、ガイドブックなどはリュックやカバンの中にしっかりしまい、落下物が発生しないよう準備を整えたら、いざ出発です!

るるぶ&more.編集部

海抜70mの歩道脇にある管理用に設けられた特別な入口から、主塔の中へ。

るるぶ&more.編集部

すると、いきなり質素かつシンプルな造りの鉄製の階段が登場です。

いざ、登るぞ!
いざ、上るぞ!
うう……かなりの急斜……
うう……かなりの急斜……

3分後には、早くも400段を上り切れるのか心配になってきました。まずは200段の中間地点「水平梁」まで頑張らなくては……!

「エレベーターで途中まで行けるのかな?」なんて考えていた筆者が甘かった……!

ガイドさん曰く、実証実験のモニターツアーでは、下は小学校高学年の子どもから、上は80代の高齢者まで参加し、全員無事登頂したそう。体力に自信のない人は事前にツアー会社に相談してみましょう(今回のツアー参加条件は小学校高学年以上。事前に高所恐怖症でない旨を申告する書類にサインをしました)。

るるぶ&more.編集部

ひたすら階段を上り続け、「水平梁」まで、あと少し……! ところどころに貼られている残りの階数を示す紙が、大きな励みに!

通路に窓は一切ナシ。外の景色を眺めることはできませんが、高い所が若干苦手な筆者にとっては、窓がないことで足がすくまず上れると感じました。

11〜15段の階段と踊り場が繰り返され、上に上るほど階段の傾斜が急になる感覚があります。

階段の踊り場でプチ休憩をはさみながらとはいえ、後半戦は息切れ必至。焦らずマイペースで登ることをオススメします。

るるぶ&more.編集部

いよいよ水平梁に続く通路へ到着です!

点検用のハッチから水平梁に出ます
点検用のハッチから水平梁に出ます

中間地点「水平梁」からは、女神大橋と長崎湾の写真が撮れます

まさか橋の塔に登れる日がくるとは
まさか橋の塔に上れる日がくるとは

約20分、階段を上って頭を出すと、そこには高さ120mからの壮大な景色が広がっていました。

女神大橋の下をちょうど高速旅客船が通過
女神大橋の下をちょうど高速旅客船が通過

しばらくへっぴり腰で水平梁の床に張り付いていた筆者ですが、次第に高さに慣れてきたところで立ち上がり、類まれなる景色を楽しみました。女神大橋ならではの白いワイヤーと、青い空・海のコントラストにうっとり。風が気持ちいいな〜!

るるぶ&more.編集部

中間地点の水平梁からの景色だけでお腹いっぱいな気分ではありますが、まだまだゴールは先。さらなる高みに挑むため、再び鉄の階段へ。

急斜の合計400段は後半になるほど結構しんどく、日頃ジムで気晴らし程度にでも太腿の筋トレをしていてよかったと内心思いました。

るるぶ&more.編集部

いよいよ”てっぺん”に王手です。スタートから約50分このはしごを上れば、ついにゴール!

高さ175m!“てっぺん”から望む、360度の大パノラマ

目の前にそびえるのはもう一つの主塔
目の前にそびえるのはもう一つの主塔

これが高さ175mか〜! 想像以上の絶景に、思わず叫んでしまいました。晴れた日は長崎湾と長崎市街、南の方向には軍艦島と中ノ島も小さく見晴らせます。

入江の水深が深く、波風が穏やかで、外界から中の様子が見えないなどの条件が寄港に適していた長崎港。約450年前の安土桃山時代、初めてポルトガルの船がやってきたことを機に開港しました。カステラやビードロなど長崎名物の多くはポルトガル人の影響で生まれたもの。美しい長崎港を前に、華やかな長崎の歴史にも思いを馳せてみるのもよさそうです。

るるぶ&more.編集部
るるぶ&more.編集部

“てっぺん”には更に小さな階段があり、そこを上ると、北側の景色も堪能できました。360度の絶景パノラマに感動しきり!

るるぶ&more.編集部

400段の階段は正直ハードでしたが、汗を流しても見る価値はありました! それまでの疲れが一瞬で吹き飛ぶほどの絶景を、人生で一度は味わってみませんか?

■「女神大橋てっぺんツアー」
主催:長崎県営バス
電話:095-822-2959(要予約)
開催日:春・夏に不定期(月1回程度実施予定)
次回は2023年3月21日予定
料金:2023年3月21日は1万円(全国旅行支援を活用すると8000円)
最少催行人数:5名(定員20名)
※スケジュール詳細は長崎県営バスの公式HP参照

2023年4月以降はツアー内容、料金など変更になる可能性あり。

text:Riyua Joe(mogShore)
photo:田中浩資

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