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ワイン展開催中! 国内初の大規模展示でワインのすべてがわかるーヴィンテージやアートラベルも

  • 2015.11.16
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ワインをテーマにした国内初の大規模展覧会が上野の国立科学博物館で開催中です。ワインができるまでの工程や歴史をたどるとともに、ヴィンテージワインや著名な画家が描いたアートラベルなど、飲むだけにとどまらないワインの魅力に迫る展覧会です。

まずはワイナリーへ行ってみましょう

はじめに訪れるのは、ゾーン1の「ワイナリーに行ってみよう」です。博物館にいながらワイナリーを散策しているような雰囲気で、ぶどう畑の1年と、ぶどうからワインができるまでを紹介しています。

食用のぶどうとワイン用のぶどうの違いにはじまり、収穫から発酵、熟成、出荷に至るぶどう畑の1年をわかりやすく説明していて、実際にぶどう畑を訪れているようです。

ぶどうから生まれた奇跡

ワインはいつから飲まれはじめたのでしょうか。

初めてワインが作られたのはフランスでもイタリアでもなく、南コーカサスのジョージア(旧グルジア)だったと考えられています。紀元前6000年ごろの新石器時代、土器の中に保存していた野生のぶどうが、偶然発酵が進んでワインに近い状態になり、舐めてみたらおいしくて気分もよくなったのです。

それは、ぶどうから生まれた奇跡でした。

このことをきっかけに、“この不思議な液体をもっと作りたい”という思いで、ぶどうを大量かつ安定的に収穫するために栽培が工夫されていったのです。

その後、ワインづくりが本格化し、やがて地中海を渡ってエジプトやギリシア、ローマと広がり、またシルクロードを渡って東アジアにも伝来しました。

ゾーン2の「ワインの歴史」では、世界中に広がったワインの壮大な歴史を、古い酒器など貴重な資料を交えながらたどります。

日本人のワインとの出会い

日本人がワインと出会ったのは南蛮貿易によるもので、大名への献上品の一つとして用いられました。江戸時代になると、長崎の出島を通じて入ってきたワインを、大名や蘭学者が楽しんでいました。

明治になると日本国内でもワインの生産が本格的に始まりましたが、近年までワインに糖分などを加えた甘味葡萄酒が主流で、1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博でワインの認知度が高まり、ワインブームのなかで一般の人たちにワインが根付き始めました。

日本国内のワインの消費量は、1972年当時は約9000キロリットルでしたが、現在では32万キロリットル、国内のワイン生産量は10万キロリットルに手が届くほどになりました。

芸術性豊かなワインの世界

ゾーン3は「ワインをもっと楽しむために」です。ワインは味そのものだけでなく、香りやワイングラスやデカンタの形にも深い意味とおもしろさが秘められています。

ワインと酒器は、密接な関係にあります。本展では16~19世紀に作られたヨーロッパの名器10点も展示されています。多彩なデザイン、色鮮やかなガラスの器はまさに芸術品。その美しさを楽しみましょう。

また、アートラベルもワインに花を添える貴重なアイテムです。たとえばフランス・ボルドーの五大シャトーの一つ、「シャトー・ムートン・ロートシルト」が生産するワインは、味もさることながら、毎年異なる芸術家が描くアートラベルが有名です。ミロやシャガール、ピカソによるものもあり、これらのボトルをコレクションするコレクターも多く存在します。

奥深く知れば知るほど魅了されるワインの世界、そのひとしずくに隠されたストーリーに触れるために、国立科学博物館を訪ねてみませんか。

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