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「言うこと聞かないと…」鬼でおどすしつけアプリってどうなの?使うときの注意点を保育士が解説!

  • 2023.1.21

保育士の中田馨さんが、ついやってしまいがちなことだけど実はNGなしつけについて教えてくれました。しつけのOK・NGや親の思いを伝える3つのステップをマンガでわかりやすく解説!


こんにちは、保育士の中田馨です。子どもが親の言うことを聞いてくれないとき、または言うことを聞いてほしいときに使いがちな「しつけアプリ」。「なかなか寝てくれないときに使います」なんて、ママから聞くことがあります。このしつけアプリを登場させると、子どもが言うことを聞いてくれて効果てきめんです。今回は、しつけアプリの使い方についてお話しします。

しつけアプリは使ってOK? それともNG?

しつけアプリが登場するまで、私も親から「食べ物を残すともったいないオバケが出るよ」や、「そんなことしていると、オニがくるよ」なんて言われた経験があります。特に節分のあとなどは、オニの効果はてきめんでした。

つまり、しつけアプリが登場する以前も、私たち親世代が子どものときから、オニやオバケを使ってしつけされていたのです。なので、子育ての場面でしつけアプリを使ってもOK。ただ、その頻度を気を付けてほしいと思います。

例えば、節分のオニは、毎年2月3日だけに登場します。全国各地のお祭りで出てくるオニも、そのお祭りのときだけ出てきますね。ですので、しつけアプリは、日常的に使うのではなく、「ここぞ!」と言うときだけ使ってほしいのです。

しつけアプリは脅しになってしまう

しつけアプリも、節分のオニも、日常的に何度も使うことによって、子どもを脅すことにつながります。今年も節分に、私の保育所にはオニがやってきました。

0・1・2歳は、中身が「かおり先生」と気付くことなく泣いたり怯えたりします。そして、節分のあと「オニさんこない?」と心配する子、写真を見ただけで「怖い」と泣く子がいました。1回の登場だけで、これだけ子どもの心に響いているのです。ですので、年中行事としての節分はこれで終了。これ以上、大人がオニを話題には出しません。それは、子どもの心を傷つけることにつながるからです。

しつけアプリも同じです。何度も繰り返し使い「オニ」と言う言葉を出しただけで怯える場合は、一旦「オニ」の単語やしつけアプリを出すことは休憩しましょう。しつけアプリの代わりに、子どもの心を傷つけずに大人の思いを伝えられるといいですね。

しつけアプリだと親の本来の思いが伝わらない

例えば、寝てほしいときに「寝ないと、オニさんがくるよ」としつけアプリを使うとします。親としては「夜はたっぷり寝て、また朝スッキリ起きてほしい」という思いから、しつけアプリを使っているでしょう。

でも、子どもの立場で言うと「オニがくるから寝ないといけない」という気持ちになります。すると、本来の親の思いが伝わりません。また、子どもが成長するとともに、しつけアプリが怖くなくなり効果が薄れてきます。今はしつけアプリに怖がって寝てくれるかもしれませんが、子育ては継続していくものです。今だけ手軽にできる方法を取るのではなく、将来のことも見据えて、しつけアプリに頼らずに子どもに思いを伝える方法を見つけていくことが結果的に子育てをラクにしてくれます。

親の思いを伝える3つのステップ

では、どうすればしつけアプリに頼らず、親の思いを子どもに伝えることができるでしょう? これには3つのステップがあります。

1.子どもの気持ちに共感する

おそらく、親の言うことを聞いてくれないのは、子どもが今何かをしている(したい)のではないでしょうか? ですので、例えば「ブロックで遊びたいのね」と子どもの気持ちに共感します。でも「ごはんの時間なので片づけてほしい」というこのママの思いを伝えるために、次のステップに進みます。

2.ママの思いをママが主語で伝える

「お片付けしなさい」と言うのではなく、「もうすぐごはんだから、お片付けしてくれると、ママうれしいな」と伝えるのです。このとき「ママと一緒に片づけよう!」と提案してももちろんOKです。

3.しばらく待つ

ママの思いを伝えたなら、子どもの様子を見ながら待ちましょう。子どもは、もうすぐごはんで、ママが片づけてほしいことは知っています。なので、子どもが動き出すまで待つのです。

実は、私たち大人は子どもを待つ事がなかなかできません。なぜなら、子どもの時間と大人の時間の流れが違うからです。子どもは普通電車で、大人は新幹線と思って待ってみましょう。待っても動かない場合は、1と2を再度言ってみましょう。子どもが動いてくれたなら「ありがとう、ママとっても助かったわ」とうれしい気持ちを伝えます。

この3つのステップを日々の生活の中で繰り返し使っていると、親の思いを伝えたあとの子どもの行動が、だんだん早くなってきます。すぐに効果が出るものではなく、ある程度の根気がいりますが、試してみてください。

作画/山口がたこ


著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨

0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

ベビーカレンダー編集部

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