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新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】

  • 2023.1.20

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
出典 FUDGE.jp

 

新年早々行ってきたのはChanel香水展。

エントランスはサーカスのようなコスチュームを来た方々に案内され、香水瓶のフォルムの入口をくぐると今からショーが始まるかのような華やかな装飾。

サロンには香水瓶を持ったダンサー、マジシャンがいて観客を飽きさせません。

 

円形のサロンからまた更に5つの香水の部屋に分かれていて、まずは「N°5」の部屋から。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
出典 FUDGE.jp

 

歴代のシャネルのポスター、CM、CMに使われたドレス、シャネルからインスパイアされたアーティストの作品などが展示されていました。

マリリン・モンローが記者から「寝る時は何を身につけていますか?パジャマ?それともナイトガウン?」の質問に「シャネルN°5だけ」と答えたのは有名な逸話です。シャネルが独自に入手した実際のインタビューの録音も流されていました。

 

あまりに有名なこの香水は、他者がコピーできないようにある仕掛けがありました。それはシーリングスタンプ!

どうやってシーリングが付けられているか実演がありました。シンプルを極めた香水瓶、そのくびれの部分に黒のコットンの紐を数回巻いて黒のシーリングワックスを溶かし小さなシャネルマークの刻印を付ける。それを同じ場所に2回繰り返します。

1時間に100個の瓶にこの作業ができるようになるまで一年はかかるそう。

この美しい手作業での一手間がN°5の証です。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
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次はカジノを楽しめる「Chance」のお部屋。勝ったので小さいプレゼントをもらいました。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
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香水Chance のフォルムとチュチュを合わせて甘い雰囲気、バックステージのような設定です。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
出典 FUDGE.jp

 

「Bleu」の香水お部屋は都会的で男性的な香りを楽しめるカフェの設定。グラスから香りを嗅げます。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
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「ココ マドモアゼル」のお部屋では遊び心いっぱいの仕掛けがありました。

アパルトマンの入り口のコードのようなものにはcocoとコードを押すと香り付きのチケットが出てきてきます。古い電話が並んでいて、受話器を耳に当てるとメッセージが聞こえてきます。

「La vie est une fête(人生はお祭りです)」などなど。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
出典 FUDGE.jp

 

永遠の香りを生み出したシャネルの凄さを見せつけられた気がしました。

 

そしてもう一つのエクスポジションは、シャネルと同世代に生きたイタリア人デザイナーのエルザ・スキャパレリ。ローマの裕福な家庭で育った彼女は、奇想天外なデザインで瞬く間に一世を風靡したアーティスト。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
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サルバドール・ダリやジャン・コクトーなどの前衛芸術家や、ダダイストたちとの交友もあって、引き出し付きのデスクスーツ、オマール海老のデッサン入りドレスなどのダリとのシュールな作品があります。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
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ショッキング・ピンクを生み出したスキャパレリ。当時の香水の命名も「Shicking」今回のエクスポジションの名前もそれと掛けて「Shoking!」でした。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
出典 FUDGE.jp

 

「刺激的じゃないとファッションじゃない」と言っていた彼女がデザインしたものはそれまでの服飾業界では考えられなかったアイデアの連続でヨーロッパでもアメリカでも大成功しました。大ぶりのイヤリングや昆虫のアクセサリーなど、驚かされるものばかり。

 

新年を迎えたパリから、刺激的なエクスポジションをお届け【夢見るパリ】
出典 FUDGE.jp

 

シャネルとスキャパレリ、生まれた環境もデザインした服も対照的。

2人の個性的な女性像が垣間見れて大いに刺激をもらった展覧会でした。

 

 

text:竹内 仁海

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パリ在住11年目。
イタリア人の夫とパリ4区にあるカリグラフィー専門店 “メロディ グラフィック”を経営する傍らカリグラファーとして活躍。結婚式やパーティ、パリコレの招待状や宛名書き、メッセージの代筆、ロゴ制作、フランス映画・コマーシャルの演出アイテムとしてカリグラフィーを担当。
パリから“暮らしの美学”をお届けします。

Instagram:@melodiesgraphiques

 

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