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「カジュアル面談をカジュアルに受けてはいけない」オンライン面接で確実に落とされる人のあるある5パターン

  • 2023.1.19

採用選考の1次・2次面接ではオンライン面接が既に定番化している。選考結果に影響はあるのか。転職エージェントの森本千賀子さんは「対面なら問題なく選考通過できる人でも、オンライン面接でつまずくケースがある」という――。

オンライン面接をする女性
※写真はイメージです
1~3月は採用が活発化する

2022年、中途採用市場は活発に動きました。およそ30年間、人材ビジネスに携わってきた私から見ても、かつてない活況ぶりです。

社会環境がコロナ禍以前に戻りつつあり、インバウンド需要も回復へ。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進も引き続き活発です。また、SDGsの観点から「女性活躍推進」もいっそう加速しそうです。2023年も転職チャンスは多いと期待できます。

企業の採用活動は、時期を選ばない「通年採用」が多くなっていますが、もともと1月~3月は1年の中でもっとも採用活動が活発化する時期です。

4月からスタートする新年度の体制整備に向けた求人が出てくるほか、年度末には退職や派遣契約満了などが増え、欠員補充のニーズも出てくるためです。

選択肢が比較的多いという点で、転職活動に適した時期といえるでしょう。

オンライン面接ではまりやすい落とし穴

多くの企業が「テレワーク」から「出社」に戻しつつありますが、採用面接に関しては「オンライン面接」が定番化しています。最終面接は対面でも、1次~2次面接はオンラインで行われるケースが多いのです。

そして、対面面接であれば問題なく採用されていた可能性が高い方が、オンライン面接ならではの「落とし穴」にはまり、チャンスを逃してしまうことがあります。

ありがちな失敗パターンをご紹介しましょう。

パターン①面接準備の時間が足りない

あるベンチャー企業に応募したところ、書類選考を無事通過。1次面接はオンラインで行うとのことで、日程候補の連絡がきた。1~2週間後の面接を想定していたけれど、企業から「今週中ではどうか」との打診が……。テレワーク中で時間には融通が利くため、断りづらく、企業側の希望どおり3日後の面接を承諾。企業研究や受け答えの準備の時間を十分にとれないまま面接本番を迎えてしまった。

<失敗を防ぐためのポイント>

面接日時の設定は、対面が中心の頃には「1~2週間後以降」が一般的でした。ところが、オンライン面接の場合は「明日」「あさって」なども候補に含めて打診されるケースが増えています。採用を急いでいる企業であれば、早いタイミングで面接を受けた人が早々に内定を得て選考が打ち切りになることも……。

オンライン化により選考スピードが上がり、選考期間が短縮されていることを踏まえ、転職活動のスケジュールを組むことが大切です。特に面接準備は早めに進めておきましょう。

パターン②「カジュアル面談」に、社長が飛び入り参加

成長中のスタートアップ企業の人事担当者から「オンラインでカジュアル面談してみませんか」とオファーがあり、少し興味があったので快諾。「とりあえず話を聞いてみる」というスタンスで何の準備もせずに臨むと、当日いきなり社長が飛び入り参加。どんな仕事がしたいか、どんなキャリアを積みたいかなどを聞かれ、しどろもどろになってしまった。その後は声がかからず。後で調べると、ぜひ入社したいと思えるような会社だったので、もったいないことをしたと思う。

<失敗を防ぐためのポイント>

オンラインで気軽につながれるようになり、応募する前の段階で「カジュアル面談」を行う企業が増えています。しかし、その位置付けや意識は企業によってバラバラです。「一から説明するので、何の準備もいらない」という企業もあれば、「応じるからには興味があるのだろうから、最低限のことは理解した上で臨んでほしい」と考えている企業も。相手企業が後者タイプかもしれないことを前提に、企業サイトやリリースなどに目を通しておきましょう。

相手企業を理解できていないと、質問もできません。「何か質問はありますか?」「ありません」では、「うちの会社に興味がないのか」とがっかりされ、そこでご縁が切れてしまい、せっかくのチャンスを逃すかもしれません。

パターン③「暗い人物」という印象を持たれてしまった

オンライン面接後、転職エージェントを通じて「不採用」の連絡が。面接担当者からは「おとなしすぎてやや暗い印象の方なので、うちの会社の社風になじまなさそう」というフィードバックがあったとか。確かに面接中、こちらの画面が暗く、自分の表情が見えにくいとは感じていた。事前に画面映りを確認して、照明を工夫しておけばよかった。

<失敗を防ぐためのポイント>

対面でお会いすれば、真面目で誠実な人柄が伝わる方でも、画面上だと暗い雰囲気に映り、印象に残りにくいケースがあります。同じ部屋でも時間帯や天候によって画面の明るさが変わりますので、照明を準備して調整できるようにしておくといいでしょう。

カメラからの距離・角度にも要注意。画面に近すぎても遠すぎても違和感を与えます。カメラが下の位置にあると「上から目線」に見えるのでマイナス印象を与えることもあります。

また、画面上では対面と比べて無表情に見え、それが「大人しい」「暗い」という印象につながることもあります。意識的に表情を作ったり、相づちを大きめに打ったり、身ぶり手ぶりを増やしたりしてみてください。

段ボールで囲われた狭い場所でパソコンを使用する女性
※写真はイメージです
パターン④画面共有がうまくできず、時間をロス

ウェブサイト制作の求人に応募。オンライン面接中、「ポートフォリオ(手がけた作品集)を画面に表示してポイントを説明してください」と言われた際、画面共有の操作がうまくいかず時間を大幅にロスしてしまった。テレワークができる企業を希望して応募したのに、ITリテラシーの低さが露呈し、不安を与えてしまった。

<失敗を防ぐためのポイント>

オンライン面接中、応募者が企画書などの画面表示を求められ、あたふたしてしまうシーンによく遭遇します。コロナ禍で打ち合わせなどがオンラインに移行して3年近くたちますが、いまだにオンライン会議システムに慣れていないと、採用ポジションによっては懸念を抱かれることがあります。

オンライン会議に慣れてはいても、ツールが異なると(Zoom/Google Meet/Microsoft Teamsなど)使い勝手も変わりますので、事前に使い方を調べておくことをおすすめします。

パターン⑤アイスブレークがなく、最後まで緊張でガチガチに

もともと初対面の人とのコミュニケーションが得意ではないのに、オンライン面接を受けた際、つながった瞬間からいきなり面接が始まった。緊張がほぐれないまま進み、ぎくしゃくした感じのまま終わってしまった。

<失敗を防ぐためのポイント>

対面面接の場合、受付から面接室までの移動中に軽く雑談するなど、「アイスブレーク」の時間があります。これによりラポール(親密性、信頼感など)が作られ、緊張がほぐれた状態で面接に入っていくことができます。

しかしオンライン面接においては、中には意識的にアイスブレイクタイムを作ってくれる人事担当者もいますが、いきなり本題に入ることが多いものです。

緊張しやすい人は、自分から軽い雑談を振ってみてはいかがでしょうか。例えば「そのバーチャル背景、すてきですね」「最近、メディア記事に出ていましたよね」「企業(社長)ブログ読んでいます」など。それだけでも場が和むものです。

「相手にどう見えているか」を意識する

以上、5つのパターンをご紹介しましたが、他にも次のようなことを気にする面接担当者もいます。

●「バーチャル背景」がビジネスシーンにそぐわない
●背景に映り込んでいるものが違和感を与える(趣味色が強い・整理整頓されていない・生活感ありすぎ、など)
●周囲の雑音が聞こえる
●回線が途切れる

普段のお仕事でオンラインミーティングに慣れていない方は特に、「相手にどう見えているか」を意識して環境を整えることを心掛けてください。

友人とオンラインで話してみたり、オンラインワークショップなどに参加してみたりと、画面を通したコミュニケーションの練習をしておいてはいかがでしょうか。

構成=青木典子

森本 千賀子(もりもと・ちかこ)
morich 代表取締役 兼 オールラウンダーエージェント
1970年生まれ。93年リクルート人材センター(現リクルート)入社。2017年morich設立、CxOレイヤーの採用支援を中心に、企業の課題解決に向けたソリューションを幅広く提案。NPO理事や社外取締役・顧問等も務め、パラレルキャリアを体現した多様な働き方を実践。NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」出演。日経オンライン等のWeb連載のほか『本気の転職』等著書多数。2022年2月、日経新聞夕刊「人間発見」の連載にも取り上げられる。二男の母。

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