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「今さら聞けない!」老後の備え“iDeCo”のメリットと注意点って?《個人型確定拠出年金について解説》

  • 2023.1.31

老後の生活費を公的年金だけに頼るのは心もとないと考える人も多いでしょう。そんな方にぴったりなのがじぶん年金(私的年金)のひとつである「個人型確定拠出年金(iDeCo)」です。

積み立てた資産は60歳以降に一括または分割で受け取れるほか、税制優遇のメリットも期待できます。そんなiDeCoについてご紹介していきます。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは?

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画像:umaruchan4678/Shutterstock

iDeCoとは、自分の積み立てたお金で預貯金、投資信託などを利用して運用していき、60歳以降で受け取れるじぶん年金(私的年金)です。iDeCoの利用最低金額は月額5,000円で、少額から利用することが可能です。

利用機関も銀行、証券会社、保険会社と幅広いので身近な金融機関で気軽に始めることができます。ただし、iDeCoで運用できる商品は金融機関によって異なりますので、iDeCoを始める前にどんな商品があるか確認するのがおすすめです。

掛金は加入区分に応じて、上限が異なるので、下表を見て、自分がどの加入区分に属しているかを把握しておきましょう。

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iDeCoはだれでも加入できるの?

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画像:umaruchan4678/Shutterstock

以前は加入するための条件がありましたが、2022年5月の改正によって国民年金保険料を支払っていれば65歳未満のほとんどの人が利用できるようになりました(※)。

また、これまでは企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入している企業に勤めている従業員は、企業年金の規約で認めていないとiDeCoとの併用ができませんでしたが、2022年10月からは企業年金の掛金が拠出限度額に満たない場合に限り、自由にiDeCoに加入できるようになりました。

ただし、企業型DCとiDeCoの掛金の合計額が企業型DCの限度額内であることが必要です。また、企業型DCで従業員も掛け金を拠出するマッチング拠出をしている場合は、iDeCoと併用することができないので、どちらかを選ばなくてはなりません。

さらに、2024年12月には、企業型DC掛金と確定給付企業年金(DB)掛金が一括で管理されるように法改正が行われる予定です。勤めている企業の年金制度次第では、iDeCoに拠出できる金額が変わる可能性があります。

※一部の方を除く。詳しくはiDeCo公式HPをご覧ください。

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iDeCoのメリットって?

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画像:Sutthiphong Chandaeng/Shutterstock

iDeCo最大のメリットは税制優遇にあります。

iDeCoには3つの税制優遇があり、「掛金を積み立てたとき」「積み立てたお金が増えたとき」「お金を受け取るとき」の3つのタイミングで節税効果が期待できます。

タイミング① 掛金を積み立てるとき

「掛金を積み立てるとき」の掛金が全額所得控除の対象になるので、課税所得が減り、支払う住民税や所得税が軽減されます。

タイミング② 積み立てたお金が増えたとき

「積み立てたお金が増えたとき」は投資信託などを運用したことによって得た利益や預貯金などの利息は通常20.315%の税金がかかりますが、これが非課税になります。

たとえば、投資信託運用で10万円の利益が出た場合、通常は2万315円の税金がかかり、手元に残るのは7万9685円ですが、iDeCoなら10万円まるまる残ります。また、iDeCoは長期運用が前提になるので、運用益非課税は思った以上の節税効果が期待できます。

タイミング③ お金を受け取るとき

「お金を受け取るとき」については、iDeCoは積み立てたお金を受け取る際に、『一時金として一括で受け取る方法』と『年金形式で受け取る方法』の2つから選択します。

一時金として受け取る場合は退職所得控除が適用、年金として受け取るの場合は公的年金等控除が適用されるので、節税効果が期待できます。

iDeCoの注意点を知りたい

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画像:candy candy/Shutterstock

税制優遇メリットがうれしいiDeCoですが、注意したい点もいくつかあります。

デメリット① 運用商品によってはリスクがあること

積立金の運用は加入者自身の責任で行われ、年金として受け取れる金額は運用成績によって変動します。投資信託などの場合は運用益が見込める一方で、元本割れしてしまうリスクもあります。しかし、元本割れしない商品の場合は、運用益がほとんど見込めないため、iDeCo特有の税制メリットが受けにくくなってしまいます。

デメリット② 60歳まで原則として引き出すことができないこと

老後のための資産形成を目的としたじぶん年金なので、60歳未満では引き出すことができません。

しかし、強制的な貯蓄となるので、意志が弱くお金を貯められない人にとっては無理やりお金を貯められるというメリットにもなります。

デメリット③ 手数料が発生すること

加入時手数料や加入時の手数料や毎月の口座管理費のほか投資信託を運用する場合は信託報酬など、各種手数料がかかります。

運営管理機関によって手数料や商品数が異なるので、自分に合った運営管理機関を探してみるのもいいでしょう。

iDeCoを始めるなら、無理のない範囲から

税制メリットに優れ、老後資金の不安感を払拭してくれるiDeCo。

月額5,000円という少額から始めることができるので、まずは少しずつ積み立ててみてはいかがでしょうか?



ライター:柳生大穂
編集者/ライター。有限会社バウンド所属。FXや株、投資信託などお金系中心のムックや書籍の執筆・編集を行う。
編集:TRILLニュース イラスト・デザイン:たまちゃん