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【内容解説】『glee/グリー』ドキュメンタリー、相次いだ死、イジメ、不仲を明かす

  • 2023.1.18
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『glee/グリー』の裏側を追ったドキュメンタリー『The Price of Glee(原題)』で、コリー・モンティスやリア・ミシェル、スタッフなどの当時の様子が明らかになった。(フロントロウ編集部)

『The Price of Glee』が『glee』の闇にフォーカス

2009年から2015年にかけて放送され、今なお支持されるミュージカルドラマ『glee/グリー』は希望を伝える作品だが、一方でこれまでにキャストのうち3名が亡くなり、撮影現場でのいじめなども問題になってきた。そんなドラマの闇を探ったドキュメンタリー『The Price of Glee』が制作され、アメリカでは1月16日に配信開始になった。

コリー・モンティス、13歳から薬物依存に苦しんでいた

ドキュメンタリーでは、コリーの過去の問題に焦点があたった。彼は13歳から薬物を使用するようになり、それが理由で学校を欠席するような状態だったという。また、家族から現金を盗むということも頻繁にあり、19歳で母親と友人が彼をリハビリプログラムに参加させた。

彼が『glee』のフィン役として成功した当初、彼が薬物やアルコールの問題を抱えていることは隠すようにと箝口令が敷かれたという。一方で、彼のルームメイトだったジャスティン・ニールは、コリーが引っ越してきた翌日に、自分の過去について知っておいてほしいとして、依存症や、現在はシラフであることなどを伝えてくれたと明かした。

画像: コリー・モンティス、13歳から薬物依存に苦しんでいた

お酒を断っていたコリーにお酒を勧めたキャストがいる

ドラマのヘアスタイリング部門のトップだったダッグ・カークパトリックは、コリーは長らくお酒や薬物を止めていたと話す。

そして、彼がコリーから聞いた話によると、あるパーティーで1人の共演者がコリーにお酒を勧めたという。“もしお酒が飲みたいなら、飲むべきだ。自分はここにいる。自分がいつでも君のそばにいるって信じていいよ”といった内容だったと見られ、それはコリーに飲酒をする許可を出した形になった。

ダッグは、「コリーは怒っていました。しかし、彼はその方向にいってしまった。それが彼を破滅への道に向かわせたと思います」と話した。

名声やSNSがコリーの心の負担に

しかし彼がアルコールや薬物の元に戻ってしまったのには、極度の疲労がある。名声によってコリーのメンタルヘルスは不調をきたし、彼は神経質になり、セットから姿を消したり、リハーサルでは代役を立てたりすることが増えて行ったという。

また、彼のルームメイトのジャスティンによると、コリーにはストーカーがおり、家の外に防犯カメラを設置。しかし安全の問題は収まらず、彼は家を変えなければいけなくなってしまった。

さらに、『glee/グリー』はドラマであり、ドラマはエピソード数が多かったり、何年も続いたりすることで拘束時間が長くなる。そのため映画出演のオファーを断わらなければいけないことも多々あったようで、コリーは、「自分の大嫌いな人にすら、名声は望まない」と話すほど、有名になったことでストレスを抱えていたという。

画像: 名声やSNSがコリーの心の負担に

そして、ドラマが始まった頃といえば、SNSが急速に普及し始めた時。ヘアスタイリストのダッグは、俳優たちがフォロワー数について話しているのをよく見かけたそうで、「それは競争だった」と話した。

リア・ミシェルによるイジメ問題にも家族や共演者が言及

『glee/グリー』については、2020年にジェーン役のサマンサ・ウェアが、レイチェルを演じたリア・ミシェルからされた嫌がらせを告発。他の共演者の多くもサマンサを擁護する姿勢を見せた。

画像1: リア・ミシェルによるイジメ問題にも家族や共演者が言及

リアの態度の悪さは、彼女がドラマに参加する前から知られるところだったという。そして、ブリトニー役のヘザー・モリスは、当時からリアの行動に声をあげていたのは、サンタナ役のナヤ・リヴェラだけだったと過去に明かしている。

そしてナヤの父親であるジョージはドキュメンタリーで、「2人はいつでもケンカしていました。いつでも。みんな知っていた。みんな見ていた」とコメント。彼は、ナヤがリアについて制作会社にクレームを入れたところ、一時的にナヤがドラマから締め出されたとも主張。「2人はお互いを嫌っていた」としつつも、一方で「お互いの才能は尊敬していた」と話した。

画像2: リア・ミシェルによるイジメ問題にも家族や共演者が言及

さらに、サマンサがリアについて告発した際に、自分にも同様の経験があるとしていたダビエ・スネルは、ドキュメンタリーで詳細を明かした。彼はゲスト出演だったが、撮影ではブレイン役のダレン・クリスが昼食に誘ってくれたため、キャストたちと一緒にランチをしていたそう。しかしリアが彼を気に入らないという理由で、ランチのテーブルから席を外すように指示されたという。ダビエによると、彼がメインキャストではないことをリアが問題視したそうで、「ドラマでの自分の立ち位置のせいで外されたなんて、ねぇ。高校が舞台の現場であっても、そのような経験をしたことはないですよ」と話した。

コリーとリア・ミシェルの交際は意外だった

ドラマではフィンとレイチェルが交際していたが、演じたコリーとリアも交際に発展。しかしこれはスタッフからすると意外だったそうで、シーズン1と2でエグゼクティブプロデューサーのアシスタントを務めたガレット・グレアは「2人が一緒にいるのが理解できなかった」とコメント。シーズン1と2のセットデコレーターであるバーバラ・ムンクも、「2人が付き合うことになったのは興味深いと思いました。本当に、とても驚きました」と話している。

多数のスタッフも命を落としていた

『glee/グリー』のキャストでは、これまでにコリー、ナヤ、マーク・サリングが亡くなっている。しかしドキュメンタリーは、スタッフにも死去した人が少なくないことを指摘した。ドラマの撮影は週に72時間から100時間かかることが多かったそうで、週7日で1日10時間から14時間ほどになる。

5シーズンを照明スタッフとして働いたJ・A・バイリーは、彼の兄弟であるミッチェルも同じ現場で勤務していたそうだが、ミッチェルはシーズン6の初めに自殺したという。「私はドラマを非難します。みんなはなんでドラマを中断しなかったんでしょうか?」と語った。また、ジュリア・ロバーツの異父妹であり、プロダクションアシスタントだったナンシー・モーツも自殺。

セカンドチームやエキストラをまとめていたジム・フラーや、小道具を担当していたポールという人物は心臓発作で死去している。マシュー・モリソンのスタンドインだったマーク・ワトソンは、車の火災事故で亡くなった。

ドラマのシーズン1から3で、撮影監督を務めたクリストファー・バッファは、「あれは大きなセットで、多くの人がいた。しかしそれほど多くの人を、これほど急速に失うなかでは、そこにパターンがあり、私にとってはまだ信じられないことです。それは『glee』の問題なのか、業界か?私には分かりません」と話した。

キャストたちはドキュメンタリーにどう反応している?

ドキュメンタリーでは主要キャストへの取材がなく、家族や友人、スタッフへの取材がメインとなっているため、アーティー役のケヴィン・マクヘイルが「これはゴミだ」と批判し、サム役のコード・オーバーストリートが「僕が知る限り、ドラマについて知っていたり、経験していたりする人は誰も(このドキュメンタリーには)関与していない」とコメントしている。

(フロントロウ編集部)

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