娘を殺された元夫婦と未成年加害者、3人の魂の救済はあるのか…？ インド人監督アンシュル・チョウハン作品『赦し』

日本在住の気鋭のインド人監督アンシュル・チョウハンの最新作にして問題作「DECEMBER」（原題）の邦題が『赦し』に決まり、3月18日より全国順次公開されることが決定した。あわせてポスタービジュアルも解禁された。

MEGUMI、藤森慎吾、真矢ミキも出演！

本作は、娘を殺された元夫婦と、犯行時に未成年だった加害者の女性。癒やしようのない苦しみに囚われた3人の葛藤を見すえ、魂の救済、赦しという深遠なテーマに真っ向から挑んだ。

7年前に高校生だった娘の恵未をクラスメートに殺害されて以来、酒に依存して現実逃避を重ねてきた樋口克のもとに、裁判所からの通知が届く。懲役20年の刑に服している加害者、福田夏奈に再審の機会が与えられたというのだ。大切なひとり娘の命を奪った夏奈を憎み続けている克は、元妻の澄子とともに法廷に赴く。しかし夏奈の釈放を阻止するために証言台に立つ克と、つらい過去に見切りをつけたい澄子の感情はすれ違っていく。やがて法廷では夏奈の口から彼女が殺人に至ったショッキングな動機が明かされ、澄子は裁判から身を退くが、復讐の殺意に駆られた克はある行動を起こすのだった…、というストーリーが展開される。

アンシュル監督は、長編第2作の『コントラ』（19年）にてエストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でグランプリ、北米最大の日本映画祭ジャパン・カッツで第1回大林賞を受賞した気鋭の監督。怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公、克を演じるのは、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサと組んだ主演作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』（21年）が記憶に新しい尚玄。元妻の澄子に扮するのは、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞したMEGUMI。深い喪失感を共有しながら、対照的なベクトルで裁判の成り行きを見つめる元夫婦の複雑な思いを表現する。

澄子の現在の夫はオリエンタルラジオの藤森慎吾が、裁判長役を毅然と体現した真矢ミキが、夏奈役は松浦りょうが演じる。

今回解禁されたポスタービジュアルは、何かを強烈に訴えかけるような眼差しの夏奈の表情のアップのみが配されるという、邦画には珍しく他キャストが排されたデザインとなっており、タイトルの“赦し”とどう繋がっていくのか想像を掻き立てられるインパクトの強いポスタービジュアルとなっている。

『赦し』は3月18日より全国順次公開。