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ケンダル・ジェンナーも愛用、カルティエの名作「ベニュワール」が再び注目される理由

  • 2023.1.16
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カルティエ(CARTIER)名作ウォッチといえば、真っ先に思い浮かぶのがダイアナ元妃も愛用した「タンク」、そしてメゾンのDNAである「パンテール」。もともとメンズウォッチとして人気を博していた「バロン ブルー」は、昨今キャサリン皇太子妃が愛用していることでも改めて注目されている。これら、燦然と輝くアイコンたちの傍らで、静かに、それでいて長い間存在感を放つのが「ベニュワール」だ。特にフランスではその人気が高く、日本でいうところの「タンク」のような不朽の名作として、カトリーヌ・ドヌーヴ、ロミー・シュナイダー、ジャンヌ・モローをはじめ、名だたるスターたちを虜にしてきた。

「ベニュワール」(YG、レザーストラップ、ケースサイズ31×23mm、クォーツ)¥1,544,400 Photo ©️Cartier
「ベニュワール」(YG、レザーストラップ、ケースサイズ31×23mm、クォーツ)¥1,544,400 Photo ©️Cartier

「パンテール」は、紛れもないアイコンでありステートメントだ。一方で、ある種玄人好みな「ベニュワール」は、トレンドに左右されないタイムレスなアイテムに注目が集まる昨今、改めてその価値を再考するに値する時計だ。そんなムードにいち早く感づいたのが、ラッパーのタイラー・ザ・クリエイター。これまでにも、サルバドール・ダリの作品に出てきそうなサイケデリックな「クラッシュ」ウォッチや、クラシカルな「プティ シリンドル」など、カルティエの希少なタイムピースをオークションで購入してきたタイラーは、2021年にエレガントな「ベニュワール」を着用した姿でステージに登場している。トレンドの「モトクロス」スタイルに、エレガントな外しとして「ベニュワール」ウォッチを合わせたケンダル・ジェンナーのスタイリングも注目だ。

タフなレザージャケットにジーンズ、ゴールドブレスレットの「ベニュワール」を合わせたケンダル・ジェンナー。
1246070706タフなレザージャケットにジーンズ、ゴールドブレスレットの「ベニュワール」を合わせたケンダル・ジェンナー。
タイラー・ザ・クリエイターのシグネチャーであるショーツのスタイリングに、エレガントな「ベニュワール」を合わせてクラス感を演出。
ACL Music Festival 2021 - Weekend 1タイラー・ザ・クリエイターのシグネチャーであるショーツのスタイリングに、エレガントな「ベニュワール」を合わせてクラス感を演出。

「ベニュワール」が誕生したのは1912年。3代目当主のルイ・カルティエは、当時ラウンドケースやレクタングルケースとは異なる、全く新しい提案として楕円形のケースの時計を考案。ロシアの有力顧客であるパブロフナ大公妃に献上した。1958年には、フランス語でバスタブを意味する「ベニュワール」の呼称をシグネチャーのひとつとして確立。これまで様々なサイズ、デザインのバリエーションが制作されてきた。

60年代に入ると、カルティエはこのデザインをさらに発展させ、ケースを長く伸ばしたような「ベニュワール アロンジェ」を発表。ちなみに前述の「クラッシュ」ウォッチは、ラッパーのジェイ・Zがオークションで150万ドル(約1億9,000万円)で落札するなど、同じくカルト的な人気を誇るが、実は(時計愛好家たちの間では意見が分かれるところではあるが)一説ではこのモデルは他でもない「ベニュワール アロンジェ」をモチーフにしていると言われている。

カトリーヌ・ドヌーヴ、1966年。
Portraitカトリーヌ・ドヌーヴ、1966年。
ロミー・シュナイダー、1968年
Schneider, Romy / und Mann Harry Meyenロミー・シュナイダー、1968年

ウィットに富んだストーリー、そしてタイムレスなエレガンスをたたえる「ベニュワール」は、時計好きの人にとって間違いなく格好のカンバセーションピースになるに違いない。目が回るようなスピードで新しいトレンドが生まれ、次の瞬間には忘れ去られてしまうような刹那的なSNS時代。ケンダルのような感度の高いイット・ガールにとっては、普遍性を象徴するアイコンとしても頼もしいパートナーに違いない。

メラニー・ローラン、2019年。
メラニー・ローラン、2019年。
ジャンヌ・モロー、1961年。
Sittting on a Sunbedジャンヌ・モロー、1961年。

Text: ALICE NEWBOLD Adaptation: Shunsuke Okabe

From VOGUE.CO.UK

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