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香里奈さん、現実は3人姉妹の末っ子、映画ではダメ男の姉役

  • 2023.1.15

フリーターの青年が些細なことをきっかけに、人間関係などを断ち切って逃げていく様子を描いた「そして僕は途方に暮れる」が1月13日から全国公開されています。この映画で主人公の姉・香を演じる俳優・モデルの香里奈さんに、撮影現場の様子や見どころを聞きました。

映像になるとポップになっていた

――Kis-My-Ft2の藤ケ谷太輔さん演じるフリーターの裕一は自堕落な生活を送り、恋人の里美(前田敦子さん)や、親友の伸二(中尾明慶さん)らの元から次々と逃げ出し、行き場がなくなる――。この映画はシアターコクーンで2018年に上映された同名舞台の映画化です。

香里奈さん(以下、香里奈): 私は舞台には出ていないので、詳しく内容はわからない中で台本をいただきました。最初に読んだときは、暗い話という印象だったのですが、実際に映像になるとポップになっていましたね。

――藤ケ谷さんや前田さん、中尾さんは舞台からの続投です。そんな中で主人公・裕一の姉の香を演じられていかがでしたか。

香里奈: 役的にも、主人公の恋人や親友ではなく、姉なので立ち位置も違いましたし、大丈夫でした。(前田)あっちゃん以外は共演したことがあるから、“久しぶり”という感覚がありましたし、一緒にお仕事をするうえで居心地のいい方たちなので、安心できました。

朝日新聞telling,(テリング)

自身は三人姉妹の末っ子、「想像しながら演じた」

――香とご自身の共通点は?

香里奈: 私は三人姉妹の末っ子なので、姉の気持ちがわかるわけではない。みんなに気を遣うシーンもありましたが、素の自分としては、そういうことはやりたくない。ですが、私が見てきた姉の怒る様子だったり、周りの人の話を聞いたりして、想像しながら演じました。

――弟の裕一は大人なのに、少しでもバツが悪くなったり不都合になったりすると、その場から逃げだし、人間関係も断ち切る。そんな弟が実際にいたらどうですか。

香里奈: そんな風にしながらも生き延びられているのは多分、才能。実際にそんな弟がいれば放っておくと思うんですが、他人に迷惑だけは掛けないように生きていってほしいです。

朝日新聞telling,(テリング)

同じ台詞の数十回の撮り直しも

――監督は「愛の渦」や「娼年」といった話題作で知られる三浦大輔さんです。北海道での雪のシーンの撮影では、雪の粒一つにこだわり、4時間かかったこともあったとか。三浦監督の演出はいかがでしたか。

香里奈: 大変でした(笑)。同じ台詞の数十回の撮り直しを監督から要求されることもありました。例えばスマホを取って「もしもし」と言うだけでも20回とか、そういう世界。次第に何が正解なんだろうと思うこともあって、難しかったですね。それだけ監督の思い入れのある作品なんだと感じましたが、私にとっては厳しかった(笑)。何回もやればいいわけではないし、新鮮さというのも大事。

だけど、繰り返し演じることで監督が求めていることに近くはなっている。ほかの出演者のみなさんも悩まれたと思いますが、映像化された作品を見れば監督のこだわりが詰まった作品になっているなぁと素直に思いました。

朝日新聞telling,(テリング)

――改めて見どころをお願いします。

香里奈: 先入観なくフラットに見れば、勇気をもらえる映画だと思います。数多くの登場人物が出てくる中で、パーフェクトな人はいません。ダメなところといい部分の双方があってこその人間だとも思える。人間らしさを肯定している作品になっている気もします。頑張り過ぎなくていいとも思えるので、この映画で少しでも前向きな気持ちになっていただけたら嬉しいです。

■岩田智博のプロフィール
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。

■坂脇卓也のプロフィール
フォトグラファー。北海道中標津出身。北京留学中に写真の魅了され大阪の専門学校でカメラを学んだのち、代官山スタジオ入社。退社後カメラマン太田泰輔に師事。独立後は自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。

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