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朝食を抜かなければ、カロリーの消費量が2倍になる!

  • 2023.1.14
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朝食が1日の中で一番大切な食事というのは、耳にタコができるほど聞かされてきた話。でも、実際は寝坊したり、お腹が空いていなかったりで、しょっちゅう朝食を抜いてしまう。そんな人はよく聞いて。ドイツの新たな研究により、この言い伝えの正当性が証明された。朝からボリュームのある食事をすれば、ちょっと食べたときやまったく食べなかったときよりも代謝が上がる。

臨床内分泌学・代謝学専門誌『The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』掲載の論文によると、この研究では20代前半の男性16名が3日わたり、起床から2時間後の午前9時に高カロリーの朝食または低カロリーの朝食のいずれかを摂取した。約2週間後、それまで低カロリーの朝食を選んでいた人は高カロリーの朝食に、高カロリーの朝食を選んでいた人は低カロリーの朝食に切り替えた。

「低カロリーの朝食には、その日に必要なエネルギー量の11%が含まれており、高カロリーの朝食には、その日に必要なエネルギー量の69%が含まれていました」と説明するのは、独リューベック大学の神経生物学者で、この論文の筆頭著者のジュリアン・リヒター博士。「その日に必要なエネルギー量は、それぞれの参加者に合わせてありました」

低カロリーの朝食は平均250kcalで、内容はクリスプブレッド(味は全粒クラッカーに似ている)2枚、クリームチーズ、ヨーグルト、キュウリ、ネクタリンだった。一方、高カロリーの朝食は平均997kcalで、内容はクリスプブレッド2枚、ブルーベリーコンポート、カスタードソース、バター、クリームチーズ、ヨーグルト、キュウリだった。

また、参加者は昼食を午後2時に、夕食を午後7時(指示された就寝時間の4.5時間前)に摂取した。研究チームは、各食事の前後に参加者の熱量を測定し、血液サンプルを採取した。

これらのデータを分析した結果、朝食が高カロリーで夕食が低カロリーのときは、その逆のときよりも食事誘発性熱産生(食事によって体が熱を産生するプロセス)が2.5倍も高くなることが分かった。つまり、朝食は夕食よりも燃費がいいので、毎日食べたほうがいいということ。また、低カロリーの朝食を摂取した参加者は、日中に空腹を訴えて、甘い物を欲しがることが多かった。

これは一体なぜだろう? 「朝は夜より胃の内容物の排出と糖質・脂質・タンパク質の吸収が速く、エネルギー代謝が体内時計と同じペースを保てるからかもしれません」とリヒター博士。ただし、この仮説を裏付けるには、さらなる研究が必要になる。

今回の研究はかなり小規模だったけれど、朝食が体によいことは過去の研究からも明らか。事実、生理学専門誌『American Journal of Physiology: Endocrinology and Metabolism』に掲載された2018年の研究結果は、朝食がランニングの燃料となり、持久運動能力を高めることを示している。

リヒター博士によると、朝食に適した時間帯を示すエビデンスは存在しない。つまり、朝食を摂ってさえいれば、それが何時であるかは関係ないということ。

「私たちは1人ひとり違います」とリヒター博士。「起きてすぐ食べられるという人もいれば、起きてから2~3時間は食欲が湧かないという人もいます。朝食のタイミングに関しては、厳格なルールよりも体の声に従ったほうがいいですね」

でも、朝食をランチタイムまで待つのはNG。

「私たちが言いたいのは、とにかく朝食を摂りましょうということです」とリヒター博士。「好きな物をゆっくり味わって食べてください」

※この記事は、アメリカ版『Runners World』から翻訳されました。

Text: Danielle Zickl Translation: Ai Igamoto

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