限界地点で写す景色──石川直樹が挑む山岳写真の新境地

現在表参道のジャイル ギャラリーで開催されている写真家、石川直樹による写真展「ナオキ イシカワ フォトエキシビジョン ダウラギリ／カンチェンジュンガ／マナスル」。展示されるのは2022年春から秋にかけ、石川が敢行したヒマラヤの8,000メートル峰遠征において、ダウラギリ(8167m)、カンチェンジュンガ(8586m)、マナスル(8163m)の3山で撮影した新作だ。

会場に並ぶのはネガフィルムを装填した古い中判カメラで、ヒマラヤの山々の麓から頂上に至るまでが精緻に記録された驚くべき作品の数々。芸術作品としての圧倒的美しさの一方で、肉体的、精神的に極限の状況下に置いての撮影行為自体が、これまでの山岳写真の枠を大きく逸脱した石川の新境地ともいうべき作品となっている。

身体を酷使しながら8000m峰に連続して登ることについて石川はこう語る。

「生きている実感などという生半可な言葉ではあらわせないほどの強 い手応えが毎日一滴ずつ滴り落ちて、自分の中に染み込む。そして、身体が日々刷新されていくような不思議な感覚がある」。

本展についてのトークショーも1月16日(月)に開催される。

Naoki Ishikawa Photo Exhibition Dhaulagiri / Kangchenjunga / Manaslu

会期／2月26日(日)

会場／ジャイル ギャラリー（GYRE GALLERY） 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F

営業時間／11:00〜18:00

入場料／無料

トークショー

日時／1月16日(月)

会場／GYRE FOOD (GYRE 4F)

※時間などの詳細は公式HPにて

https://gyre-omotesando.com/art/

Text: Mei Fujita