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ゴールデン・グローブ賞発表!『インディ・ジョーンズ』元子役の感動スピーチが話題に「再びトライする機会を与えてくれました」

  • 2023.1.14
ゴールデン・グローブ賞発表!『インディ・ジョーンズ』元子役の感動スピーチが話題に「再びトライする機会を与えてくれました」
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 (C) 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

湯浅政明監督の『犬王』は残念ながら受賞逃す

第80回ゴールデン・グローブ賞が10日(現地時間)に発表され、スティーヴン・スピルバーグ監督の『フェイブルマンズ』が映画のドラマ部門作品賞、マーティン・マクドナー監督の『イニシェリン島の精霊』がコメディ/ミュージカル部門作品賞を受賞した。

スピルバーグは監督賞、マクドナーは脚本賞も受賞した。

俳優部門の受賞で大きな感動を呼んだのは、コメディ/ミュージカル部門の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で女優賞を受賞したミシェル・ヨーと助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンのスピーチだ。

約40年のキャリアを誇るヨーは「今日ここに立つまで、素晴らしい旅と信じられない程の闘いを続けてきましたが、その価値はあったと思います」と語り始め、「私は昨年60歳になりましたが、女性たちは皆わかっていらっしゃると思います。数字(年齢)が大きくなるにつれて機会は小さくなる。それが、今回は最高のギフトが訪れました。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』です」。

さらに最初にハリウッドに来ることになった時、夢が叶ったと思ったものの、実際に来てみると、相手は顔を見るなり「英語を話せますか?」と尋ねてくる現実に直面したことを語った。スピーチの途中で退場を促す音楽が流れ始めると「黙ってください、お願い。私はあなたを打ちのめすことができるから」とジョークで牽制しつつ、映画を配給したA24をはじめ監督のダニエルズや共演者、自身のスタッフたちに感謝を述べた。

ステージで渡されたトロフィーにキスをしたクァンは「自分がどこから来たか、誰が自分に最初のチャンスを与えてくれたかをを忘れないように育てられました」と語り始め、「ですから、今夜ここにスティーヴン・スピルバーグがいらっしゃることがとても嬉しいです。スティーヴン、ありがとう!」と呼びけ、彼のデビュー作『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(84年)を監督したスピルバーグは自席から拍手と投げキスを送った。

クァンは涙をこらえながら「『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』で子役のキャリアを始めた時、私は選ばれたことをとても幸運だと感じました。ですが、成長するに従って、それで終わりだったのでは、と考えるようになりました。あれはただの幸運だったのでは、と。長年の間、子どもの頃に成し遂げた以上のことはできないのではないかと恐れていました」と、一時は俳優業から退いていた時期を振り返った。

そして「ありがたいことに、30年以上も後に、2人の男性が私のことを思いついてくれました。彼らはあの子どもを覚えていた。そして僕に再びトライする機会を与えてくれました。それから訪れたすべてのことが信じ難いほど素晴らしい」とダニエルズに語りかけ、「私が答えを探すのを手助けしてくれて本当に本当にありがとう。あなたたちは私が望んだ以上のものを与えてくれました」と感謝を述べると、監督2人も感極まった表情を浮かべていた。共演者、スタッフに感謝した後、クァンは「私の人生で最も大切な人、私を信じ続けてくれた人、私の妻に感謝します。心から愛してる。ありがとう、ありがとう!」と締めくくった。

アニメーション作品賞候補の湯浅政明監督の『犬王』は残念ながら受賞を逃した。

ドラマ部門の男優賞は『エルヴィス』のオースティン・バトラー、同部門女優賞は『TAR/ター』のケイト・ブランシェットが受賞。ブランシェットはこれが3度目の受賞となり、イングリッド・バーグマン、ジェーン・フォンダ、そしてメリル・ストリープと並ぶ快挙となったが、スケジュールの都合で授賞式には参加しなかった。

コメディ/ミュージカル部門の男優賞は『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレル。壇上でスピーチする際、プレゼンターのアナ・デ・アルマスに向かって、彼女の主演映画『ブロンド』の演技を大絶賛する一幕もあった。

助演女優賞は『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のアンジェラ・バセットが受賞。前作『ブラックパンサー』に主演し、2019年に亡くなったチャドウィック・ボーズマンについて「私たちは毎日、チャドウィック・ボーズマンの光とスピリットに囲まれていました。この歴史的な『ブラックパンサー』シリーズが彼のレガシーの一部となり、私たちを導いたことに喜びを覚えます」とスピーチした。

今年はコロナ禍以前のスタイルで、レッドカーペットも華やかに開催されたゴールデン・グローブ賞授賞式だが、主催団体のハリウッド外国人記者協会(HFPA)の人種や性差別、ハラスメントが問題視され、昨年は毎年恒例だった授賞式のTV中継が行われなかった。

今回も、『ザ・ホエール』でドラマ部門男優賞にノミネートされたブレンダン・フレイザーは2003年に当時のHFPA会長にセクシャルハラスメントを受けたことを告発した過去があり、「母は私を偽善者として育てなかった」と表明したうえで授賞式をボイコットした。

2021年の告発を受けてHFPAの体制の改善を図り、アジア系俳優2人が受賞し、歌曲賞をインド映画『RRR』の「Naatu Naatu」が受賞するなど、授賞に多様性を持たせた第80回のゴールデン・グローブ賞。ここから新たな始まりとなることを期待したい。

映画部門の受賞結果は以下の通り。

ドラマ部門

<作品賞>
『フェイブルマンズ』

<男優賞>
オースティン・バトラー(エルヴィス)

<女優賞>
ケイト・ブランシェット(『TAR/ター)』)

コメディ/ミュージカル部門

<作品賞>
『イニシェリン島の精霊』

<男優賞>
コリン・ファレル(『イニシェリン島の精霊』)

<女優賞>
ミシェル・ヨー(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)

<助演男優賞>
キー・ホイ・クァン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)

<助演女優賞>
アンジェラ・バセット(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)

<監督賞>
スティーヴン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)

<脚本賞>
マーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)

<音楽賞>
『バビロン』

<歌曲賞>
「Naatu Naatu」(『RRR』)

<外国語映画賞>
『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)

<アニメーション作品賞>
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』

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