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出来立てのモチモチを店先で! 具材たっぷり、賑やかな“台湾おにぎり”

  • 2023.1.11

フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『東京巷口飯糰店(トウキョウシャンコウファントァンディエン)』の飯糰(ファントァン)(台湾おにぎり)です。

昨年の10月末、大久保になにやら可愛らしい小さな売店が誕生した。その名は東京巷口飯糰店。小窓から手渡されるのは、ビニール袋にがさりと包まれた、大きな餅米の台湾おにぎり・飯糰だ。ああ、手に持つだけで癒される。ほの温かい出来立てのモチモチを早速店先でかぶりつけば、真っ白な外見に反して中からぎっしり具材が。干し大根、高菜、肉鬆(肉でんぶ)、ピーナッツ。煮卵は五香粉と共に煮込まれ、油條(揚げパン)はザックザク。二度揚げの手間あって齧るたびに「当たり!」って気分になる。なんて賑やかなおにぎりだろう。食べ終わる頃にはすっかり元気になってしまう。

お供のドリンクは米漿(ミージャン)。ピーナッツと黒糖とお米で作るミルキーなドリンクは、ピーナッツの香ばしい風味が広がる愛しい味。もっと身近になってください。そう願うくらいには一瞬でお気に入りになった。「飯糰も米漿も台湾の日常的な食事。飯糰は道端でおばあちゃんがぎゅぎゅっと握ってくれる風景が至る所にありますよ。それを朝ごはんに食べるんです」と店主の吉田尚史さん。両親が台湾出身の吉田さんは子供の頃から夏休みの度に親戚の住まう台南で過ごした。その時に出合った飯糰。温かくて食感が賑やかで、腹持ちも抜群。その感動を伝えたい。その幸せをお裾分けしたい。そんなピュアでまっすぐな思いが大久保の街角に、台湾へ続く魅惑の小窓を生み出したのだった。

右から時計回りに、飯糰はオリジナルの〈原味〉(¥650)のほか、台湾ソーセージ入りの〈香腸〉(¥800)、ツナ入りの〈鮪魚〉(¥750)。ドリンクの米漿(¥350)は温と冷から選べる。ほかに、油條・ピーナッツ・素焚糖を合わせた甜味飯糰(¥400)なども。きな粉おはぎみたいな病みつき味!

東京巷口飯糰店 東京都新宿区百人町1‐23‐11 11:00~(売り切れ次第閉店) 不定休 詳細はインスタグラム(@tokyo_taiwan_onigiri)で。

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。

※『anan』2023年1月18日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

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