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「小説新潮」編集者が「何度も溜め息をついた」日向坂46宮田愛萌、アイドル最後の姿を詰め込んだ初の小説集

  • 2023.1.10
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2023年1月いっぱいでアイドルグループ・日向坂46からの卒業を予定している、宮田愛萌(まなも)さん。読書家としても知られる宮田さんの初の著書『きらきらし』(新潮社)が、2023年2月28日に発売される。

収録されるのは、5編の連作短編小説。「卒業制作だと思って書いた」という渾身の作品だ。

江國香織『流しのしたの骨』、山田詠美『ぼくは勉強ができない』(ともに新潮社)など、お気に入りの小説をメディアやSNSでたびたび紹介し、読書家として知られている宮田さん。今回、大好きな小説を自身の手で書き、アイドル生活の集大成とした。

作品の着想は、宮田さんが高校生のときに出合って魅了され、大学でも学んだという『万葉集』から。好きな和歌を5首選び、自由に想像を膨らませて書き上げた。執筆にあたって、すでに自宅にある大量の資料に加えて、新たに20冊以上も揃えたという。

〈小説あらすじ〉

小学三年生の希南がバレエ教室の見学で出会ったのは、同い年のカレン。高校生になっても仲の良い二人だったが、カレンの兄・圭と久しぶりに会った希南は、意図的に圭に近づいていく(「ハピネス」)。
引っ越しを控えた瞳子が坂道で出会ったのは、猫を撫でる少年だった。猫を通じて縮まる二人の距離。引っ越しの前日、最後に瞳子は少年にあるお願いをする(「図書館へ続く坂道」)。
恵梨は日本文学科の大学生。今までなら絶対話さないタイプの男子・朝紀と、和歌をきっかけに仲良くなる。ところが朝紀を怒らせてしまって(「紅梅色」)。
他、全5編。

本書には、万葉集の舞台・奈良で撮影された宮田さんの写真も収録。花畑ではしゃぐ姿や、ネイルを塗る大人びた表情、メンバーともよく行くというアフタヌーンティーでケーキをほおばる様子など、くるくる変わる豊かな表情がたっぷりと収められ、一緒に奈良を旅している気分が味わえる。さらに宮田さんたっての希望で、大学の卒業式でも着用したレアな袴姿も再現。アイドル卒業を記念した写真集としても楽しめる。

〈宮田さんコメント〉

ごきげんよう。宮田愛萌です。大学で学んだ大好きな万葉集をテーマに小説を書かせていただきました。これをきっかけに、そんなに万葉集が面白いなら読んでみようかな......? と思っていただけたら嬉しいです。また、撮影では憧れの奈良に行かせていただきました。神社やお寺などの歴史をあびたり、古書店や万葉文化館を楽しんだり、お仕事だということを忘れてすごく満喫しました。御朱印をいただけたのがすごく嬉しくて思い出に残っています。それから、万葉文化館の図書室では面白そうな本をたくさん見つけたのですが、ゆっくり読む時間はなかったので、またプライベートでもお邪魔したいなと思っています! 秋ごろから少しずつ進めていた執筆が終わってしまうのはさみしいですが、卒業制作だと思って、ところどころに私のお気に入りのものたちのエッセンスを詰め込んで書かせていただきました。普段読書をしないというような皆さまにも手に取っていただけたらなと思っています。アイドル宮田愛萌が、ただの宮田愛萌になるはじめの一歩の一冊を、どうかよろしくお願いいたします。

本書に収録される5作品のうち「ハピネス」は、一足先に1月20日発売の「小説新潮」2月号(新潮社)に掲載される。「小説新潮」担当編集者からは、「繊細な心理描写や巧緻な表現に、拝読しながら何度も溜め息をつきました」との絶賛コメントが。どんな作品に仕上がっているのか、期待が高まる。

卒業発表に際して、公式ブログで「たくさんの人に本の面白さをもっと知ってほしい」という夢をつづった宮田さん。新たな夢へ踏み出す、大きな第一歩を見届けたい。

■宮田愛萌さんプロフィール
みやた・まなも/1998年4月28日生まれ、東京都出身。2017年、けやき坂46追加メンバー募集オーディションに合格し、けやき坂46の2期生としてデビュー。2019年2月の日向坂46へのグループ改名後も精力的に活動を続ける。2022年9月にグループから卒業することを発表した。2023年1月いっぱいで活動を終了予定。

■熊木優さんプロフィール
くまき・すぐる/io所属。愛知県生まれ。愛知淑徳大学卒業。日本デザイナー芸術学院写真学科卒業。代官山スタジオを経て2011年今城純氏に師事。2014年独立。

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