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日本への対抗意識も。侍ジャパン宿敵・韓国指揮官が語る「初戦で勝ってこそ日本戦を楽に…」【一問一答】

  • 2023.1.6

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を戦う野球韓国代表の最終エントリー30人が発表された。

代表経験が豊富なキム・グァンヒョン(34、SSGランダース)、ヤン・ヒョンジョン(34、KIAタイガース)らベテラン勢をはじめ、コ・ウソク(24、LGツインズ)やイ・ジョンフ(24、キウム・ヒーローズ)ら勢いのある若手も順当に選ばれた。

また、キム・ハソン(27、サンディエゴ・パドレス)やチェ・ジマン(31、ピッツバーグ・パイレーツ)、トミー・エドマン(27、セントルイス・カージナルス)らメジャーリーガーも参加する。特に韓国系アメリカ人のエドマンは史上初めて海外国籍の選手として代表に選ばれた。

「初戦に勝ってこそ日本に…」

 

韓国野球委員会(KBO)は1月4日、野球会館でWBCに出場する最終エントリー30人のリストを公開した。

目立つ点は、ソ・ヒョンジュン(21、KTウィズ)やイ・ウィリ(20、KIAタイガース)など2000年代生まれの若手選手や、メジャーリーガー三銃士の合流など最精鋭のメンバーで構成された点だ。

そこで今回は、野球韓国代表を率いるイ・ガンチョル監督とKBOのチョ・ボムヒョン技術委員長の質疑応答を通じて、代表メンバーの選抜過程と構想を聞いてみた。

イ・ガンチョル監督(左)とチョ・ボムヒョン技術委員長

以下、イ・ガンチョル監督、チョ・ボムヒョン技術委員長との一問一答。

―予備エントリーに含まれていたメジャー組のうち、パク・ヒョジュン(26、前アトランタ・ブレーブス)、ロブ・レフスナイダー(31、ボストン・レッドソックス)の2人が外れたが。

チョ・ボムヒョン技術委員長「レフスナイダーは個人的な事情があって参加できなくなった。パク・ヒョジュンは現在、所属先もない状況だ。であれば、国内の若い選手にもっとチャンスを与えようと思った」

―エドマンを選出することになった背景があるならば。

チョ・ボムヒョン技術委員長「エドマンは昨年にヨム・ギョンヨプ技術委員長(現LGツインズ監督)がアメリカを訪問した際、直接面談した。その際にエドマンの確答を得た」

イ・ガンチョル監督「(エドマンの)活用計画は(選手本人を)直接見なければわからない。ユーティリティとして活用できる。メジャーリーグでゴールドグラブ賞を受賞した選手だ。キム・ハソンとともにメジャーでプレーしているので、キーストーンコンビとして活躍できるだろう。主力として活用する計画だ」

―投手の選抜基準は何か。

イ・ガンチョル監督「オーストラリア戦をフォーカスして選んだ。オーストラリアの打者たちのスイング軌道を分析し、角の大きい変化球やフォークボールの良い選手たちが強みを見せるものと予想した。投手全体で見ると、フォークボールまたは角度の大きいカーブを決め球として保有している。

キム・グァンヒョンやヤン・ヒョンジョンは先輩として長年の経験を活かし、リーダーの役割を果たさなければならない。リリーフやクローザーが先発を務めるかもしれない。いずれにしても投球制限があるので、どうにか序盤の試合をモノにしなければならない。先発・抑えで中間なしに重要な瞬間で投手を起用する予定だ」

―チェ・ジマンは負傷のリスクがあるが。

チョ・ボムヒョン技術委員長「チェ・ジマンとは昨年12月に面談した。本人が代表に必ず合流したいと伝えた。所属先を移した状態で、肘の手術も受けたため、アメリカに渡ってメディカルチェックをした後、(参加するかどうかを)確定することを話した」

―捕手のバックアップとしてイ・ジヨン(36、キウム・ヒーローズ)を選んだ理由と背景は。

イ・ガンチョル監督「(捕手の)主力はヤン・ウィジで考えている。バックアップは昨年のポストシーズンを見て、年齢はあるがしっかり動けているのを確認し、チン・ガプヨン・コーチと多くの相談をした。実力面で見ても外すことのできない選手だ」

―チェ・ジマン、パク・ビョンホ(36、KTウィズ)のいずれも身体に問題があるが、指名打者の計画は。

イ・ガンチョル監督「カン・ベクホが入った理由は指名打者の座を活用するためだ。外野手が指名打者に入ることを防ぎたかった。キム・ヒョンスを指名打者として使って外野を3人起用することと、左翼手として起用してカン・ベクホを指名打者で起用することで悩んだ。後者の方がまだましだと判断した。我々はアジア圏で1次ラウンドの4試合を戦うが会場の東京ドームが小さいため、大きな一発を期待してパク・ビョンホを抜てきした」

―アン・ウジン(23、キウム・ヒーローズ)の合流可否について議論は交わされたのか。この先選ばれる可能性はないのか。

チョ・ボムヒョン技術委員長「選手選抜基準は技量も重要だが、国を代表する国家代表の象徴的な意味と責任感、自負心などを考慮して30人を決めた。今回30人を発表したが、ひとまずチェ・ジマンら負傷選手がいればエントリーの変化はあり得る。しかし、現状は今の30人で戦う計画だ」

―負傷の問題がなければ選手交代がないということか。

チョ・ボムヒョン技術委員長「そうだ。長い間悩んだ末、30人を選んだ。ホ・ギョンミンは突然連絡が来て、(腰の)負傷があるとして離脱することになった」

―正三塁手がチェ・ジョンしかいないが。

イ・ガンチョル監督「キム・ハソンを三塁手で起用することもできる。キム・ハソンが三塁手を務めれば、オ・ジファンが主力遊撃手になる。エドマンも三塁手でプレーできるが、エドマンよりキム・ハソンの方が安定するだろう」

―2000年代生まれのイ・ウィリ、ソ・ヒョンジュンら若手が目立つが、彼らへの期待と選出理由は。

イ・ガンチョル監督「彼らは皆韓国の未来だ。監督職に就いた後、本来は若手中心で進めたかった。しかし、結果を残さなければならないため、やむを得ずベテラン中心で選んだ。投球数の制限があるので、若い選手たちにもきっとチャンスが訪れるだろう。特定の選手を起用しないというより、すべての選手がコンディションが良ければ起用する可能性がある。ただ、調子が落ちたら起用できないこともある。そのため、一人でも多く投手を選んだ」

―左打者の割合が非常に高いが、理由は何か。

イ・ガンチョル監督「右打者が必要だという考えもたくさんした。そのため、パク・ゴヌを選んだ。パク・ビョンホを選んだ理由も左打者にこだわり過ぎているからだ。オーストラリアの先発陣のなかで左投手は多くない。左右対称で構成するというより、(オーストラリアに)左投手が多くないので、この程度の構成なら十分対処できると思う」

―ハンファ・イーグルスの選手が一人も選ばれなかったが、その理由は。

チョ・ボムヒョン技術委員長「最精鋭のメンバーを選んだ結果、抜けてしまったことを申し訳なく思う。予備エントリーにはあったが最終的に外れることになった。捕手3人の議論もした。一塁手もどこに比重を置くか悩んだ。幸いにも、捕手はケガがあればすぐに後退できるルールがある」

―オーストラリア戦について言及し続けているが、日本はすでに“排除”したのか。

イ・ガンチョル監督「オーストラリア戦が初戦だからだ。日本を排除するわけではない。オーストラリアとの初戦で勝ってこそ、日本との対決に楽に挑むことができる。オーストラリアが日程の後半にいたのであれば、フォーカスを合わせることは簡単ではなかっただろう。ちょうどオーストラリアが初戦なので全力で臨めるようになった。対戦運が良かったようだ」

―国民が納得できる具体的な目標や覚悟があれば。

イ・ガンチョル監督「目標を言うと上手くいかない方だ(笑)。しかし、(サッカーカタール)ワールドカップを見てとても満足したし、喜びを感じた。代表戦をお茶の間で見る方々もそのように考えるだろう。我々の選手たちも多くのことを考えているはずだ。何位になるかというより、日本は必ず抜け出したい(4強進出)。遠くに一度行ってみたい」

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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