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実は略語でした! 「駅伝」、もともとの名は何でしょう?

  • 2023.1.5

ふだん何気なく使っている言葉のなかに、実は略語がけっこうあります。これって略語だったの!? と驚く略語をご紹介。今回は、「駅伝」です!

【実は略語】vol. 11

「駅伝」って、何の略?

箱根駅伝をはじめ、出雲駅伝や実業団対抗駅伝など、毎年各地で開催されているスポーツイベントの駅伝。特に、お正月に開催される箱根駅伝はテレビで生中継され、さまざまな感動シーンや名言などが語り継がれています。

そんな人気スポーツの駅伝も、実は略語。いったい何の略でしょう?

駅伝、もともとは…?

駅伝、もともとは「駅伝競走」の略でした!

『広辞苑』(岩波書店)で「駅伝」を調べると、1番目の意味は「古代の交通制度」、2番目は「遠距離を中継しながら連絡すること」、3番目に「駅伝競走の略」と出てきます。

つまり、もともとの意味は「古代の交通制度」だったのですね。

駅伝の由来は…?

では、なぜ「駅伝」が、マラソンリレーの言葉として使われるようになったのでしょう? その由来を調べてみました!

日本ではじめて駅伝競走が行われたのは、1917年。京都から東京への遷都50周年を記念して開催された「東海道駅伝徒歩競走」です。このときは、京都・三条大橋から東京・上野不忍池までの区間を3日間かけて走りました。

当初、この大会はマラソンリレーと称されていたのですが、主催した読売新聞社などが最終的に「駅伝競走」と命名。名称の由来は、最初にご紹介した「古代の交通制度」です。

古代の日本では、中央と地方を結ぶ幹線道路などに駅を置き、馬や宿、食糧などを提供した交通制度「駅伝」を整備していました。この制度にちなみ、マラソンではなく「駅伝」と命名されたそうです。

また、駅伝でおなじみの「たすき」も、初駅伝のときから登場しています。

海外でも駅伝…!

日本発祥の駅伝は海外にも進出。これまで、北京国際駅伝や、ベルリン駅伝、ソウル国際女子駅伝などが開かれました。

また、1994年に駅伝は「ロードリレー」の名で国際陸上競技連盟の正式種目にもなっています。

ただ、マラソンやリレー競技などの五輪種目に比べると、残念ながら国際的な認知度はまだ低く、日本で行われる駅伝大会も減少傾向にあるようです。

駅伝は略語でした!

駅伝は「駅伝競走」の略でした。1917年に日本で誕生した競技で、その名称は古代の交通制度に由来するものだとわかりました。

ちなみに、五輪種目のマラソンも、古代ギリシャにおける「マラトンの戦い」の故事に基づいたもの。1896年の近代オリンピック第1回大会(開催地:アテネ)から正式種目として認められている人気競技です。

古代の日本に由来のある名称をもつ「駅伝競走」も、未来まで残り続けてほしいですね。

意外な略語はまだまだあります。次回もお楽しみに!

参考資料
『広辞苑』(岩波書店)
『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)
『日本国語大辞典』(小学館)

文:田代わこ

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