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今度は「3000万円の使いかた」?! 原田ひ香ら7人の女性作家の「お金」アンソロジー。

  • 2023.1.6

『三千円の使いかた』(中央公論新社)、『財布は踊る』(新潮社)など、原田ひ香さんの「お金」をテーマとした小説が話題だ。12月21日、原田さんを含む7人の女性作家が「お金」をテーマに書き下ろしたアンソロジー『ここだけのお金の使いかた』(中央公論新社)が刊行された。

本書は女性作家集団「アミの会」が企画し、会のメンバーに加えて、原田さんがゲストとして参加している。

給料は安いし、貯金も少ない。ムダなお金は一円だって払えません!

塾代1万5000円って高い? 安い? タレント犬って儲かるの? 3000万円の使いかた?! など、お金にまつわる悲喜こもごもが詰まった一冊。

トップバッターは、新津きよみさんの「百万円分の無駄」だ。主人公の純子は64歳、平凡な主婦。宝くじを1年に3回、それぞれ10枚ずつだけ買うと決めている。当たったらいいなと思い続けて10年、ついに当選した。三等100万円。夫が出張から帰ってきたら話そうと思っていたのに、帰宅した夫が「あーあ、疲れた。安月給で年寄りをこき使うんだからな」とぼやき始めて、切り出すタイミングを失ってしまい......。

当たったのが数万円だけなら、気軽に人に話せる。逆に1000万円ともなると、家族で話し合わなければいけなくなる。でも、100万円だったら......。あなたは宝くじで100万円が当たったら、家族に話すだろうか?

誰にとっても身近なお金の話。もし自分だったら? と考えながら読んではいかが。ストーリーを楽しみながら、おトクな知識も手に入るかも。

【目次】
「百万円分の無駄」新津きよみ
「一生遊んで暮らせる方法」原田ひ香
「12万円わんこ」大崎梢
「廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか?」永嶋恵美
「わらしべ長者のつくりかた」福田和代
「塾に行かない子どものための五つのクリンプス」図子慧
「二千万円の差額」松村比呂美

■アミの会
実力派女性作家集団。これまでの刊行作品は『アンソロジー 捨てる』『毒殺協奏曲』『アンソロジー 隠す』『迷 まよう』『惑 まどう』『怪を編む ショートショート・アンソロジー』『アンソロジー 嘘と約束』『アンソロジー 初恋』『11の秘密 ラスト・メッセージ』『おいしい旅 想い出編』『おいしい旅 初めて編』。執筆者は作品によって異なり、メンバー以外の作家がゲストとして参加することもある。本作にはゲストとして原田ひ香が参加している。

〈著者プロフィール〉

■大崎梢さん
おおさき・こずえ/東京都生まれ。書店勤務を経て、2006年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

■図子慧さん
ずし・けい/1960年、愛媛県生まれ。86年「クルト・フォルケンの神話」で第八回コバルト大賞を受賞しデビュー。ライトノベル、一般文芸書を多数執筆。主な著書に『アンドロギュヌスの皮膚』『ラザロ・ラザロ』『愛は、こぼれるqの音色』『5分でわかる10年後の自分 2030年のハローワーク』など。

■永嶋恵美さん
ながしま・えみ/1964年、福岡県生まれ。2000年『せん-さく』でデビュー。16年「ババ抜き」で第六十九回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。主な著書に『転落』『明日の話はしない』『ベストフレンズ』『視線』『一週間のしごと』、「泥棒猫ヒナコの事件簿」シリーズなど。

■新津きよみさん
にいつ・きよみ/長野県生まれ。1988年『両面テープのお嬢さん』でデビュー。2018年『二年半待て』で徳間文庫大賞を受賞。『女友達』『トライアングル』『ふたたびの加奈子』など多くの作品が映像化されている。主な著書に『夫以外』『ただいまつもとの事件簿』『セカンドライフ』『妻の罪状』など。

■原田ひ香さん
はらだ・ひか/1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス二号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。 他の著書に「三人屋」シリーズ(実業之日本社)、「ランチ酒」シリーズ(祥伝社)など多数。

■福田和代さん
ふくだ・かずよ/1967年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、2007年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

■松村比呂美さん
まつむら・ひろみ/福岡県生まれ。2005年、オール讀物推理小説新人賞最終候補作二作を含む『女たちの殺意』でデビュー。主な著書に『キリコはお金持ちになりたいの』『終わらせ人』『恨み忘れじ』『幸せのかたち』『黒いシャッフル』など。

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