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『マーマーマガジン』編集長・服部みれいがざっくり振り返る、日本のスピリチュアルマップ

  • 2023.1.5
服部みれい イラスト

もともと日本はスピってたという仮説

なぜ、人はスピリチュアルに惹かれるのか。このマップを書き始めてすぐに気づいた。元来、日本は霊的な国だったのだ。ただ、欧米化の重圧によって、人々の間に息づいていた「目に見えない世界」は意図的に封印された。以降、多くの人々が、封印後の世界=物質と経済優先の世界を信じて生きた。

そもそもスピ好きには2種類の人がいるそうだ。人生で苦労をし、それを解決するためにハマるタイプ。もう一方は何もかも手に入れた結果、より高く特異な体験をしたいというタイプ。前者はスピを追い、頼りきりに。後者はスピを引き寄せ、自分軸で利用する。ハリウッドセレブ、経営者の多くも後者だろう。

スピが苦手な人は、前者の過度に依存する態度と後者の強欲さに辟易するのかも。ただ使う人は使いまくっていますよね。もう、この盛り上がりは誰にも止められないようにも感じる。

私自身、90年代あたりまでは、精神世界的なものを嫌悪していた。今思えば食わず嫌い。自分の核心を突かれるのも怖かった。ところが2000年代に入る頃から(内なる霊性が表出したのか⁉)、スピと自然に出会い、好きになっていった。タイプで言えば、前者と後者と半々。実践的に人生に役立ったし、純粋におもしろくて探求し続けるようになった。今ではほとんど趣味の領域。だからどうか人のスピを笑わないでほしいと思う。

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精神世界という言葉が現れたのは70年代。米国のニューエイジ運動に刺激を受け、日本の霊性文化と融合。80年代には科学やビジネスの世界でも盛り上がり、90年代本の超ヒット時代が到来。2000年代スピはカジュアル化。10年代以降も、玉石混交の熱い盛り上がりを見せている。
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精神世界という言葉が現れたのは70年代。米国のニューエイジ運動に刺激を受け、日本の霊性文化と融合。80年代には科学やビジネスの世界でも盛り上がり、90年代本の超ヒット時代が到来。2000年代スピはカジュアル化。10年代以降も、玉石混交の熱い盛り上がりを見せている。

戦後の精神世界は、欧米からの逆輸入版を経て、本来自分の中に眠っていた日本的な霊性に気づき、その両方が混ざり合って築かれている。スピ好きとしては大きく一周して、太古の思いっきりスピってた日本の世界に、未来的なテクノロジーをもちつつ、ハイパーな形で戻りたいと思っている。

「今ここ」に生きて、お金も「仕事」もない平和な世界へ。意識や精神性は驚くほど高い感じで。それが次元上昇(アセンション)ってことなのかどうかは未(いま)だによくわからないでいますが。

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服部みれい(『マーマーマガジン』編集長)

はっとり・みれい/文筆家、編集者。2008年『マーマーマガジン』を創刊、ホリスティックな知恵を発信。著書に『あたらしい自分になる本』(ちくま文庫)、『わたしらしく働く!』(マガジンハウス)ほか多数。

HP:http://hattorimirei.com/

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