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老後破産したら生活保護を受ければいいって本当?いくら支給されるの?

  • 2023.1.5
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老後の生活費に不安を感じる人が増えています。

老後破産したら生活保護を受ければよいという意見もありますが、本当にそうでしょうか。また、その場合いくら支給されるのでしょうか。

老後破産に備えるために、生活保護への理解を深めておきましょう。

■老後破産したら生活保護は受けられる?

老後破産した場合、生活保護を受けることは可能です。

そもそも生活保護制度は、生活が困窮している人に対して必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。

厚生労働省の「被保護者調査(2022年9月分概数)」によれば、被保護世帯数(停止中を含まない)は163万5,841世帯です。そのうち、65歳以上の高齢者世帯は90万9,123世帯で、全体の55.6%を占めています。

生活保護を希望する場合は、お住まいの地域を管轄する福祉事務所の窓口に相談しましょう。

■生活保護を受けるための条件

ただし、生活保護を受けるには、以下の4つに取り組まなくてはなりません。

【資産の活用】
・預貯金を活用する。
・保有中の土地・家屋などを売却して生活費に充てる。

【能力の活用】
・働ける場合は能力に応じて働く。

【あらゆるものの活用】
・まずは他の制度の給付(年金、各種手当など)を活用する。

【扶養義務者の不要】
・可能であれば親族などから援助を受ける。

これらを実践しても、収入が厚生労働大臣の定める最低生活費に満たない場合には、生活保護が適用されます。

■生活保護はいくら支給されるのか

最低生活費から年金などの収入を差し引いた金額が、生活保護費として支給されます。そのため、年金を受給していても、年金額によっては生活保護費を受け取ることが可能です。

最低生活費は、地域や年齢、世帯人員数などによって異なります。たとえば、東京23区に住む高齢者夫婦世帯(68歳・65歳)の場合18万5,480円が目安です(2021年4月時点)。

■生活保護を受けられない場合はどうすればいい?

老後破産の状態でも生活保護が認められない場合には、以下2つの公的支援制度を検討しましょう。

・生活困窮者自立支援制度
・生活福祉資金貸付制度

生活困窮者自立支援制度とは、「働けない」「住む所がない」などの理由で生活に困窮する人を支援する制度です。支援員が具体的な支援プランを作成し、就労支援などを行ってくれます。「一定期間の衣食住の提供」「住居確保給付金の支給」などを受けることも可能です。

生活福祉資金貸付制度とは、低所得者や高齢者を対象とした貸付制度です。低利または無利子で資金を借りることができ、経済的自立に必要な援助指導も受けられます。

生活困窮者自立支援制度についてはお住まいの地域の自治体、生活福祉資金貸付制度については社会福祉協議会に相談しましょう。

■老後破産しないように計画的に準備しよう!

老後破産を避けるためには、若いうちから節約や投資に取り組んで、計画的に資金を準備することが大切です。もしも老後に生活費が足りなくなったときには、無理せず生活保護などの支援制度を申請しましょう。

文・大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
AFP、金融ライター。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで記事を執筆している。

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