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【傑作時代劇の歴史解説】『七日の王妃』で中宗はなぜ端敬王后と別れたのか

  • 2023.1.1

『七日の王妃』では、パク・ミニョンが端敬(タンギョン)王后を演じ、ヨン・ウジンが中宗(チュンジョン)に扮した。そして、イ・ドンゴンが燕山君(ヨンサングン)を演じている。この3人の歴史的な関係を整理してみよう。

1494年に即位した10代王の燕山君は、最初はまともな政治をしていたが、途中から変になってしまい、酒池肉林に明け暮れた。さらに、気に入らない官僚たちを虐殺して人道に反した。暴政があまりにひどくなり、王朝の存続が危うくなった。

危機感をもった高官たちが1506年にクーデターを計画。中心人物が朴元宗(パク・ウォンジョン)だ。彼の姉は王族の妻であったが、燕山君が犯してしまい、結果的に自決した。

それでも燕山君は責任を感じないばかりか、平然としていた。こんな男が長く国王でいられるわけがない。朴元宗は姉の復讐を果たすためにも、クーデターを成功させなければならなかった。

実際、燕山君は完全に家臣の信頼を失っていた。クーデター軍が王宮に入っていくと、警護の者たちがみんな逃げてしまったのだ。こうしてクーデターはあっけなく成功し、燕山君の異母弟である晋城(チンソン)大君が次の国王になった。それが中宗である。

『七日の王妃』の主要キャストとなった中宗、端敬王后、燕山君(Licensed by KBS Media Ltd. © 2017 KBS. All rights reserved ドラマ『七日の王妃』より。DVD好評リリース中・U-NEXTにて見放題配信中)
夫婦愛のエピソード

彼は自分が国王になりたかったわけではない。むしろ、最初は辞退していたのだが、結局、仕方なく国王になった。

すると、クーデターを成功させた高官たちが中宗に「妻と離縁してください」と強く言ってきた。妻は中宗の即位にともなって端敬王后になっていたのに……。

中宗は腹が立った。高官たちが端敬王后を王宮から追い出そうとするのが理解できなかった。

実は、端敬王后は燕山君の妻の姪であり、実父が燕山君の一番の側近だった。朴元宗たちは、燕山君の残党の巻き返しを恐れて、端敬王后を廃妃に追い込みたかった。

国王であれば、臣下の要求をはねつければいい。しかし、中宗は気が弱かった。最初は拒否しながら、最後は認めてしまった。このように、中宗はクーデターを成功させた実力派の高官たちに頭が上がらなかった。

中宗は妻を離縁したあとに落ち込んだ。王宮の一番高い楼閣に立ち、元妻が住むあたりをながめてメソメソしていた。それが都で噂となり、端敬王后の耳に入った。

彼女は家の裏山の岩に、かつて着ていた赤いチマ(スカート)を干して、自分が健在なことを中宗に知らせた。これが「赤いチマ岩の伝説」だ。朝鮮王朝時代の夫婦愛のエピソードになっているが、もとは中宗が情けないから夫婦は別れざるををえなかったのだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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